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トライアングルサービスの縦STG4作、その中に込められた「シューティングラブ。」

(画像引用元:トライアングルサービス公式サイト記事

シューティングラブ。

この言葉は、アーケードやコンシューマーでSTGを主に製作しているメーカー「トライアングルサービス」が掲げている言葉(句読点を含む)であり、当メーカーの志でもある。また、これをタイトルにしたゲームも何作か発売されている。

トライアングルサービス公式サイト

当メーカーは主に、アーケードやコンシューマー機でゲームを発売していたが、2015年頃からSteamでも発売開始されている。

「シューティングラブ。」ラインナップ

そのSteamではゲーム・サントラ含めて単品発売されているが、セットのバンドル販売もある。例えば、

⇒Steam:Triangle Service Shmups Collection

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これは、当メーカーが製作した縦スクロールタイプSTGを集めたバンドル。
過去にコンシューマー向けとして発売されたタイトル『シューティングラブ。200X』(2009年)と、『シューティングラブ。10周年』(2013年)の2本に収録されたゲームの単体発売版で、全6タイトル&サウンドトラックとなる。

この中で『MINUS ZERO』はロックオンのみを使ったミニSTG。『Shmups Skill Test - シューティング技能検定』はSTGにおける様々な要素をピックアップしたミニゲーム集だが、『XIIZEAL』『DELTAZEAL』『TRIZEAL Remix』『EXZEAL』の4タイトルは全て、ショットとボムで敵を破壊するというオーソドックスなもの。
常に同じスタイルのゲームを作り続けるこだわりは、まさに「シューティングラブ。」と言える。

私はこの中で数本は所有済だったが、先日行われたSteamサマーセールでこれを購入してコンプリートした。
でも大変失礼ながら、私の正直な気持ちを言うと…

どれがどれか分からん

ってなったわけで。Xbox360版は全て買ったのに忘れてるし。

そこで、自分の中で整理する意味も含めて、これら4タイトルを紹介していきたいと思う。
タイトルはアーケードの発売年順に紹介していく。

XIIZEAL(トゥエルブジール)

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アーケード版は2002年に『XIISTAG(トゥエルブスタッグ)』のタイトルで発売され、コンシューマー移植版は『XIIZEAL』のタイトルに改名して発売された。

本作で最大の特徴は「攻撃の多彩さ」。
ショット・ボムの他に、自機の後方からジェット噴射で攻撃する「バックファイヤー」、コントローラーを左右に振って攻撃する「サイドアタック」がある。
どちらも敵にギリギリまで近づく危険な攻撃だが、これで敵を破壊すると、加算されるスコアが×2・×3…×12倍まで上がるという、絶大なリスクとリターンがある。

更に、本作にはアーケードにはなかった要素「サイドアタック連射ボタン」が搭載されているのも大きな特徴。これを使うとザコもボスも次々と瞬殺して×12取り放題。
ていうか、これってもうSTGではないが、サービス旺盛なところも魅力。

そんな、ショットのみのスタイルから脱却を図ろうとする「多彩な攻撃の自機」が特徴。

DELTAZEAL

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アーケード版は2002年発売。
自機は3種類のショット、前方へ広範囲に撃つ「ワイド」、貫通弾「レーザー」、誘導弾「ミサイル」を使用できるが、ゲーム最大の特徴は「3種類全て同時に撃てる」。更にコントローラーには30fps連射も搭載されているので、3種類全て最大までパワーアップしたときの攻撃力は絶大だ。
敵を破壊すると出現するアイテムは、取るタイミングによってパワーアップする武器が決まるが、そんな細かいことはいいからとにかく片っ端から取れ、そして撃て、破壊しろ!という、破壊に徹するプレイスタイルが魅力。

それに対して、敵は様々なギミックや弾の撃ち込み、演出を見せながら攻撃を仕掛けてくる。そんなバリエーションに富んだ「多彩な攻撃の敵」が特徴。

TRIZEAL Remix

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アーケード版は2004年発売。
それまではドット絵で描かれた緻密な映像が特徴だったが、本作ではポリゴンを使ったことが大きな変化。これにより、ボスが巨大な機体を大きく旋回させて表裏に回転しながら攻撃するなど、物体を自由に動かすことが容易なポリゴンならではのギミックを盛り込んでいる。

そして、本作が持つゲームとしての特徴は、ショットの「撃ち分け」。
先に書いた『DELTAZEAL』と同じワイド・レーザー・ミサイルを撃てるが、コントローラーの「変形」ボタンによりそれらを自由に切り替えることができる。そしてパワーアップアイテムを取ると全ての武器がパワーアップする。
ザコ相手にはワイド、ボスにはレーザーなど、場面に応じた対応を求められる、そんな「ショットの追求」が特徴。

本作は2006年にコンシューマー初移植として、セガのゲーム機「ドリームキャスト」で発売されたが、発売前に「あり得ないくらい予約数が少ない」ということで、社長自ら会社のサイトに自虐ネタを書いて話題になった。

TRIANGLE SERVICEがピンチです!(公式サイト内)

そのページは、社長が「初心を忘れないため」として今も残っている。

この行為がいいことだったとは言い切れないが、これをきっかけに当メーカーが知れ渡って売り上げに貢献し、結果的に成功に導いたことは事実であり、私自身もこれでメーカーの存在を初めて知ったわけで、それだけインパクトが大きかった。

EXZEAL

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アーケード版は2007年に発売された『シューティングラブ。2007』に『シューティング技能検定』と共に収録。つまり、当時はゲームセンターで2本のゲームから選んでプレイするようになっていた。

本作の特徴は「稼ぎ」を前面に出していること。

プレイヤーが使用する自機は4種類。ショットボタンを押しっぱなしにしてパワーを溜めて放つと敵を貫通し、まとめて破壊で高得点の「溜め撃ち」ができる機体2種、ノーマルショットのみだが「敵に近づいて破壊すれば高得点」の機体、先に書いた『XIIZEAL』の「サイドショットで高得点」の機体。

ステージに登場する敵はどれも、ザコが大量に出現してある地点で1点に集中するなど、タイミングを合わせて撃てば高得点というポイントを随所に設けている。
それを見極めて「×16」などの倍率を出してスコアを上げ、爽快感を得る。そんな「スコア稼ぎの追求」が特徴。

全てに共通する「シューティングラブ。」

これらのタイトルには、共通する要素がいくつかある。

プレイヤーは「スピードアップがない」、敵を破壊すると落ちてくるポイントターゲット「勲章」を逃さずに取り続けると高得点となっていくなど。

だが、誘導弾で敵を破壊したら画面全体に勲章がバラバラ舞い上がるので逃さず取るのは極めて困難とか、『TRIZEAL』ではボス瞬殺で出現する巨大勲章を取ろうにも、自機の速度が遅いのでだいたい取りこぼすとか、そこまでタイミングを見極める必要があるとか、この辺は意図としているのか不明である。

ていうか、どのタイトルも細かい特徴ばっかりでシューターしか分からんのが多いし、タイトルが全部『~ZEAL』なもんだから、最初に書いた「どれがどれか分からん」ってなるわけで。
…など、思うことは多い。

だが、この4タイトルの他、ミニゲーム『MINUS ZERO』は「ロックオン」の要素だけを使う、『シューティング技能検定』は「連射」「取る」「タイミング」「避ける」など、STGにおける一つ一つの要素だけピックアップしてゲームにするなど、どのタイトルも一つの「要素」を大きく引き出そうとしていること。
そして4タイトルに付けられた「ZEAL」という言葉は、英語で「熱意」の意味がある。全てのタイトルにこの言葉を入れるのは、全てのゲームに「熱意を持って作っている」ことの現れで、プレイするとそれは伝わる。

どのゲームも絶賛するとは言い難い。でも全てに「シューティングラブ。」が感じられる、そんなゲームである。

追記:まとめ記事掲載

ここで紹介したタイトル4本を、以下のまとめ記事に追加。


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