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『California Games』6種目のスポーツを7機種で、7本分楽しめるゲーム

Steam:California Games

California Games』とは、1980~90年代に海外で発売されたスポーツゲーム。カリフォルニアを舞台に、夏をイメージするスポーツ6種目を体験する。日本では発売されなかったが、当時はゲーム機やパソコンなど10機種以上で発売された人気タイトル。

Steamでの配信開始は2020年(ストアページに記載の「1988年6月1日」はMS-DOS版オリジナルの発売日)。当初はMS-DOS版のみの収録だったが、2023年のアップデートにより6機種が追加される。

Steamコミュニティでのアップデート告知(2023年6月19日)

ちなみに、この記事のタイトルに使用している画像はATARI LYNX版。
そこで、ここではゲーム内容と共に、機種別の違いについて書いていきたい。


競技とゲームモード

MS-DOS版で説明すると、ゲームモードとして、

  • Compete in all events(全競技プレイ)

  • Compete in some events(選択した競技をプレイ)

  • Compete in one event(1競技のみプレイ)

  • Practice one event(1競技の練習モード)

この4種類があり、プレイ時はチームを選択。ローカルによる複数プレイヤーで競技ごとの得点や総合成績などを競う。
その各モードでプレイできる競技は。

  • Half-pipe:円筒状のステージでスケートボードの技を競う

  • Surfing:巨大な波の中でサーフィンの技を競う

  • BMX:自転車で障害物を乗り越えるオフロード競技

  • Footbag:ボールを落とすことなく蹴り続けるリフティング競技

  • Roller skating:ローラースケートで直線コースの障害物を乗り越え駆け抜ける

  • Flying Disc:フリスビーを投げて相手にうまくキャッチさせる競技

これらの具体的な内容や操作方法などについて、Commodore 64版を解説したサイト(英語)があるので、ご参照をお勧め。

California Games - C64-Wiki

Half-pipeとSurfingは技、BMXとRoller skatingは障害物を避ける、Flying Discはフリスビーのスピードと角度、Footbagはただひたすら蹴り続けるなどそれぞれ特徴があるが、全て「レバーとボタンのタイミング」のゲームなので、繰り返しのプレイでタイミングを掴む、本当にスポーツのように練習を続けて強くなっていく。

対応機種とゲーム内容の違い

スタート時に次の6機種を選択、もしくはDOS版(別ソフト扱いなのでSteamクライアントから立ち上げる)の計7機種がプレイ可能。

機種ごとにプレイできる競技やゲームモード、チーム選択の有無などの仕様がそれぞれ全く異なるので、どこから始めていいか迷う。
そこで、内容を表にまとめてみた。

上段の機種名は、

  • DOS:MS-DOS(1988年発売)

  • C64:Commodore 64(1987年発売)

  • A26:Atari 2600(1988年発売)

  • LYX:Atari Lynx(1989年発売)

  • NES:Nintendo Entertainment System(1989年発売)

  • MS:Sega Master System(1989年発売)

  • MD:Sega Genesis/Mega Drive(1991年発売)

項目の「Players」は最大プレイ人数で、各競技ごとに交代でプレイする。
中でATARI LYNXは「1人」となっているが、通信ケーブルでマルチプレイができたのかは情報が足りず不明。
Atari 2600でプレイできるモードは「One event」のみとしたが「All events」としても遊べる。

全ての項目が存在するのはMS-DOS、Commodore 64、Sega Master Systemだが、操作など遊びやすさを選ぶならNES、Mega Driveがお勧め。

7ゲーム分楽しめるソフト

「Half-pipe」の画面を7機種比較

これらの機種をプレイしてみると、機種ごとに映像や音楽だけでなく、競技ごとのタイミングや操作方法まで全く異なるので、1機種の競技で高得点を出したかと思えば別機種で1回もクリアできないことも多い。
それだけでなく、Atari 2600はハード的な制約が大きいため、メニュー項目がなく映像の切替で競技を選ぶ。それがメニューでもあり、他機種での「All events」と「One event」双方を実現するという独自の工夫が見られる。

機種ごとの違いは競技だけではなく、タイトル画面でも味わうことができる。
ほとんどの機種ではタイトルで「California Games」と書かれたパネルが表示されるが、ATARI LYNX版だけはパネルが回転するアニメーションを見ることができる。

また、メガドライブ版は起動時「ゴーン…」とアタリのアーケードゲームで使われたクレジット音が鳴る。

言わば7機種全てが全く別ゲーム、7ゲーム分楽しめるといってもいいだろう。
そんな各機種の特徴をこの1本で見る、過去の歴史を一度に味わえる1本だ。

追記:Steamレビュー

この記事は、Steamレビューでも記載済み。

基本的には本記事と同一。ていうか、noteでは画像や書きたいことがあとからあとから出てくるのでかなり追加した。


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