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パソコンゲームの思い出・MZ-700版『マッピー』

人は誰でも、過去の思い出があるように、ゲーマーはそれぞれ思い出のゲームがある。
そのゲームは、例え多くの人から良い評価をされなかったとしても、その人にとっては最高のゲームとして心に残っていることもある。

私もそんな思い出のゲームがある。その一つがMZ-700版『マッピー』

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『マッピー』とは、1981年にナムコからアーケード向けに発売されたアクションゲーム。
泥棒の一味「ニャームコ」の屋敷を舞台に、ニャームコの手下「ミューキーズ」の追跡を避けながら、各所に置かれた盗品(ターゲット)を回収していく。
屋敷に仕掛けられたドアやトランポリンを使ったスリリングなアクションと共に、軽快なテンポの音楽で人気を博したゲームだった。

そのゲームを、ナムコのライセンスを受けて電波新聞社から1984年に販売されたのがMZ-700版となる。

苦肉の策だった「文字で描く」

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でも、MZ-700で『マッピー』を実現するのはかなり困難だった。このパソコンはそもそも絵が描けないのだ。絵を表現するには、文字やキャラクターを組み合わせた「キャラグラ」と呼ばれるテクニックで描くしかない。

それについては、過去の記事で詳しく語っているので、そちらを参照していただきたい。

でも、別売りのユニットを増設すれば、ここまでの映像を実現することはできる。

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これは、HAL研究所から発売されていた増設ユニット「PCG(プログラマブル・キャラクタ・ジェネレータ)」を使用したバージョン。

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PCGとは、文字やキャラクターを任意の絵に描き変える、「文字を絵に変える」機能を持つもので、MZ-700はPCGに対応したゲームも数多く発売されていた。

でも、PCGをを増設しなくても遊べるノーマルバージョンもある。これは伝説にもなっているが、

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マッピーや敵キャラはもとより、屋敷に置かれたターゲットが「カセット」「マイコン」「キンコ.」など文字で表現されている
文字やキャラクターだけで表現する苦肉の策ではあるが、ある意味、表現の域を越えていた
でも私は当時、もっぱらPCG版を遊んでいたのだが。

何を再現するか?を押さえた力作

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アーケード・MZ-700のノーマル・PCGを並べてみたが、キャラクターは16×16ドット、文字だと2×2文字で描かれていることが分かる。

そしてアーケード版との相違点について、ざっと挙げると、

・屋敷の段が1段少なくて5段
・屋根裏に入れない(だからアーケードより実質2段少ない)
・ボーナスステージが無い
・落とし穴が無い

など。
操作に関しても、トランポリンから通路に着地する時にジャンプの動作が無いため、その場所で敵に接触する(当時の雑誌『マイコンBASICマガジン』では『引っ付き虫』と名付けていた)可能性が極めて高く、そのため難易度がかなり高い。
また音楽もメロディは再現されているものの、アーケード版の軽快なテンポとはかなり違うなど、正直「移植」の観点では酷いと言えるかも知れない

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それでも、ゲーム開始時のデモ画面は再現されている(静止画と音楽で)。ステージ8以降で出現するベル、永パ防止キャラのご先祖様(クルクル回らない)も存在する。また敵の動作パターンやターゲットの配置など、ゲームとして基本的なものはアーケードに近い。
その中で、トランポリンでの操作とタイミングをいかに自分のものにするかがクリアへのカギとなる。

このMZ-700版は『マッピー』を楽しむ最低限の要素がある、その上で独自の攻略もある。それらが備わったMZ-700版は、

当時の私にとって「マッピーそのもの」だった。

それが自宅で遊べる。私が満足するには十分すぎるものだった。

そして、これを書くために久しぶりにプレイして、動画をYouTubeにアップした。

ステージ1でターゲットをラジカセ×2→テレビ×3→パソコン×4→モナリザ×5→金庫×6の順で取得。パワードアで1200×2を3回成功するパーフェクトパターン。成功するまで20回以上撮り直したが。
当時はこれを毎日のように成功させ、全16ステージをクリアしたこともある。2周目は敵の速度がスピードアップするので、さすがにそこからは続かなかったが。

それから約1年後だったか、当時のゲーム機であるファミコンで『マッピー』が発売され、私は本体と共に購入した。その映像や動きはアーケードに近いもので、私はそこでも、全16ステージクリアするまでやり込んだ。

恐らく、ファミコン版を先に遊んでいたら、このMZ-700版を楽しむことはなかっただろう。
でも今となっては、これを先に触れて、その良さを味わえたことを嬉しく思う。それが私にとって、思い出のゲームとなっている。

ネット上の話題(書いたのは約1名)

このMZ-700版『マッピー』は、ターゲットの名称をキャラとして表現していたことが話題となり、ネタとして取り上げられることもある。
そこで、Twitter上でのネタを取り上げてみた。

MAPPY4文字

…全部私が書いたものだった。
もしかして、Twitter上で最もネタにしていたのは私かもしれない。

ただ、これについて言わせてもらうと「いじるけどバカにはしない」というのがファンとしてのネタと思っているわけで、そのつもりで書いてる。

追記

MZ-700版『マッピー』について、過去にブログで書いたことがあります。

今回はこれをベースを、MZ-700版の良さを改めて見直しながら書いてみました。

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