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『EGGコンソール ハイドライド』に今触れて、再び得る、再び知る

過去のパソコンゲームを復刻するシリーズ「プロジェクトEGG」のコンシューマー版「EGGコンソール」シリーズ、その一つとなるタイトル。

Nintendo Switch『EGGコンソール ハイドライド PC-8801

ハイドライド』とは、1984年にT&E SOFTから発売された、アクティブロールプレイングゲーム。妖精が住む王国「フェアリーランド」を舞台に、魔物達に支配されてしまった世界を取り戻すため、王国のどこかに隠された3つの宝石と、隠れている3人の妖精を見つけ出し、魔王「バラリス」の淘汰を目指す。
このゲームは私にとって、先日書いた『ザナドゥ』同様、当時プレイしてクリアした思い出がある。

ちなみに、1984年は『ハイドライド』だけでなく『ザナドゥ』の前作『ドラゴンスレイヤー』が発売、1985年は『ザナドゥ』と『ハイドライド』の続編『ハイドライドII』が発売され、両者で人気を二分していた。
更に翌年の1986年は『ゼルダの伝説』の初代がファミコンディスクシステムとして発売されている。ただこちらは、謎解きと冒険(Adventure)が主体の「アクションアドベンチャー」。『ハイドライド』は成長などの要素を入れた、役割を演じること(Role Playing)が主体の「アクティブロールプレイング」と、それぞれベースが異なる。

いわば、この時期からストーリー主体のジャンルにアクション要素を取り入れたゲームが発売され始めた、一つの大きな転換期と言える。


改めて味わう、アクションゲームの基礎

今回発売された「PC-8801版」は、音楽の演奏ができない「SR以前」と分類される機種の対応だったので、ゲームでは単音(ビープ音の改良版である『CMD SING』というものだが詳細は割愛)で素朴な音楽が鳴り響く。
また、ゲームは進め方が分からないと、世界を救うために冒険に出たはずの剣士が蜂に攻撃されて一瞬で死ぬという理不尽さもある。

それらはメニューにある「遊び方」に、攻撃と防御を上手く切り替えながらスライムなどの敵を攻撃し、経験値を積んでレベルアップして…といった手順や、序盤の謎解きまではヒントが書かれているので、読んで理解してからの方がスムーズに進められる。

でもそれを読まなくても、ゲームではスタート時から川の向こう岸に何かが見えていたり、近くに何かの入り口が見えるなど、ここに行ってアイテム取ってレベルを上げてからここに行けば…と、ゲームだけでもある程度は手順が見える。
当時は中学生で、そんな子供でも謎解きを楽しめたのを覚えているが、この時代に基礎と言えるものが作られていたことを再認識する。

「ゲーム」を見直す機会

そして魔王を淘汰してエンディングに到達。

プレイ時間は4時間、発売日の朝に触れて夜にはクリアしてしまったが、中盤あたりから謎解きの方法がかなり難しく、結局はネットの力を借りて、アクションとして難しい部分は途中セーブと巻き戻しを駆使した。
それでも、40年近く経ってから再び自分のプレイで(一応)到達できて、思いにふける。

といっても、オリジナルをプレイしていた当時もノーヒントのクリアはまず無理で、雑誌や知り合いのゲーマーから聞いた情報を元に進めたり、謎で行き詰まってから情報を知るまで半年くらい放置していた記憶もある。時代や自分が変わっただけではなく、もともと情報の共有が不可欠なゲームだったのかもしれない。
また、記憶では「様々な謎を秘めた大規模なゲーム」というイメージだったが、実際は謎解きの規模としては巨大と言えるほどではなく、難しい謎をじっくり解いていく、当時のアドベンチャーゲームのようなスタイルだったことを改めて知る。

私にとって、過去のゲームに再び触れるのは「思い出のリスペクト」に過ぎないけど、本作がどういうものだったかを改めて知る機会でもある。自分と共に「ゲーム」を見直す機会になってくれている。


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