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「精霊」 写真を組む273

そもそも組写真って?

 組写真とは、何枚かの写真を組み合わせることです。組むことでドラマを表現するものであって、一枚のなかにドラマを詰め込む単写真とは撮り方も違ってきます。テキストをつけないとストーリーと呼べるほど複雑な状況を説明しづらいですが、写真を組むことで状況の「流れ」は創れます。

作例を御覧ください

 私なりの流儀ですけれども、紙媒体になぞらえ、横長の一段分を本の左右見開き2頁に見立てたうえで、マンガの様なコマ割をします。横書きの本をめくる感覚で左上から右下へ順番に御覧ください。

*画像をクリックすると大きくなります。

2006年9月撮影

浴衣は夏のものなのか

 ある人いわく「初秋に浴衣を着るのはオカシイ」と。どうしてかと訊くと
「浴衣は七月の季語だ」とのたまいました。お言葉ですが、もともと浴衣は衣服の種別を意味する言葉で、季節に関わりなく湯上がりに下着として着る湯帷子(ゆかたびら)が語源です。従って俳句の季語にはなりません。

「浴衣着て 瓜買ひに行く 袖もがな」 宝井其角

 この句の場合は「瓜」が季語です。浴衣じゃなかったら、着物の袖に瓜を入れて持ち帰るのだがなぁ、というような情景ですね。

 また、旧暦だと七月は秋です。

 現在の太陽暦と異なって、季節に少しずつズレが生じるのを閏年に一ヶ月増やして(閏年は十三ヶ月)調整しましたが、概ね太陽暦の八月下旬あたりから九月にかけてが旧暦の「秋七月」でした。

 宝井其角の句にあるように、湯上がりに浴衣を着て瓜を買いに行くこともあったわけですから、下着といっても現代人がパンツ一丁でコンビニに行くのとは、だいぶ意味合いが異なるようです。

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