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虎の穴みたいな講座を受けた修業時代 その4

実質無料で最後まで御覧いただけます

 2003年3月から、月に一度ずつ、スパルタ式などという生易しい言葉では足りないくらいキビシイ講座に参加していました。

 その講座は、いきなり受講者に撮影させるところから始まります。

 それぞれの受講者は一人あたり3分の持ち時間でモデルを撮影し、直ちにパソコンで写真を選び出し、組み写真をつくったうえで講評を受けました。そこで散々ダメ出しを喰らうのです。

 虎の穴みたいな組み写真の講座について、恐れ入りますが「その1」から順番に読んでいただかないと、意味が通らないかと思います。面倒臭いなとお思いの皆様は、ココからUターンお願いします。

 もし「順番に読んでやるぜ」という奇特な方がおられましたら、コチラのマガジンから辿っていただくのが宜しいかと存じます。

写真を組む意味もワカラナイまま

 日頃から私の作風は「弱い」と言われておりました。いまでもそうです。たぶんですが、強い写真を撮れるかどうかは天賦の才によります。どれほど努力しようとも生まれ持ったセンスがなければ強い写真は撮れません。強いというと週刊誌の水着グラビアなんかは強いけれども、アレを単に真似したところで劣化コピーにしかなりません。

 ところが、弱い写真しか撮れないとしても組んで流れを創ることで鑑賞に値するものになる……という理屈も、実は講座の2回目だとわかっていませんでした。組んでみろ、そう言われたので意味もわからずに組もうとしていただけでした。

講座2回目の作例

 前置きはコレくらいにして、作例を御披露します。

 並び順で時間の経過を表現した組み写真です。横書きの本をめくる感覚で左上から右下へ順番に御覧ください。

2003年4月撮影

サプライズ出演のグラビアモデル

 この回の被写体は、サプライズで登場のグラビアモデルでした。週刊誌の巻頭グラビアに何度か出た実績がある人で、また、撮影機会を二回に分け、衣装を変えます。

 おとなしめのワンピースから、活発そうなパンツスタイルに変わるのも、事前には知らされていませんでした。ただ、「撮影が二回に分かれたのを、両方とも使おうとすると場面転換が必要になる」ということは聞かされておりました。

 撮れるだけのバリエーションを撮って拾いあげるだけでは済まず、途中で衣装が切り替わることを作中で示さなければなりません。

 なにぶん制限時間がキビシイので、背景に人が映り込むのは大目にみようという新ルールが出来ました。作例の最初の一枚は、左下に人が写っているけれども、事情を説明して移動していただくことまでやっていたら、とても時間内には撮れませんからね。

撮らされたのではイケマセン

 若いとはいえ、すでに実績ある被写体さんでしたから、アマチュアを圧倒するくらいの存在感がありました。sattinほどではないにせよ、撮り手の側に思わずシャッターを押させてしまい、いわゆる「撮らされ」になりかねないほどの被写体さんを、どうにか自分の手で料理しなければなりません。

 とはいえ、すでに売り出しを終えて活躍中のタレントさんなので、同行のマネージャーが見ている手前もあって、そうそう無茶なことは言えません。笑いすぎの爆笑くらいでもNGになりかねないのです。

 また、格の違いというヤツで、いい年こいた受講者たちが10代の女の子に敬語を使ってました。講師から「敬語で接しなさい」と言われたわけでなく自然とそうなったのでした。撮りながら「イイネ、イイネ」と言うギャグのカメラマンごっこは、普通の撮影会ならやる人がいるけれども、このときはいませんでした。みんな真剣そのもの。

 どうにかブロマイドの劣化コピーとは言われずに済みそうなのが撮れて、どうにかこうにか組み上げてみましたが、それでも「自分の力じゃない」と思わずにいられない、被写体の魅力に頼った写真ばかりです。講座ではなく普通の撮影会だったら、被写体頼みでも良いのが撮れればソレで良いけれど講座なのでソレでは済まされないのでした。あとで講師からチクチクと痛いところを突かれたのは、いうまでもありません。

おわりに

 この記事は実質無料です。わざわざお買い求めくださらないで大丈夫ですけれども、投げ銭として買ってくださると嬉しいです。

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