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虎の穴みたいな講座を受けた修業時代 その9

割引あり

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 2003年3月から、月に一度ずつ、スパルタ式などという生易しい言葉では足りないくらいキビシイ講座に参加していました。

 その講座は、いきなり受講者に撮影させるところから始まります。

 それぞれの受講者は一人あたり3分の持ち時間でモデルを撮影し、直ちにパソコンで写真を選び出し、組み写真をつくったうえで講評を受けました。そこで散々ダメ出しを喰らうのです。

 虎の穴みたいな組み写真の講座について、恐れ入りますが「その1」から順番に読んでいただかないと、意味が通らないかと思います。面倒臭いなとお思いの皆様は、ココからUターンお願いします。

 もし「順番に読んでやるぜ」という奇特な方がおられましたら、コチラのマガジンから辿っていただくのが宜しいかと存じます。

講座7回目の作例

 朝からずっと雨でした。この講座の撮影は外撮りが基本ですが、主催者が自前のスタジオを持っているので、雨天はスタジオ撮影に変更になることが通例でした。撮影会主催者がプロ用機材一式を備えたスタジオのオーナーだというのは便利なものでした。

 さて、組み写真講座というからには「流れ」を創らなければなりません。単に気に入った順に並べるのではなく「はじまり」があって、「おわり」もあって、その中間に見せ場をつくるわけです。だから、この講座において、組み写真は最低三枚からで、二枚で一対なのは組み写真ではないという定義でした。三枚で序破急、四枚で起承転結というような「流れ」を創りながら組みます。そのためには変化が唐突すぎてもイケナイので、前後が一枚ずつ繋がりを持つことが望ましい……その、流れと繋がりを、スタジオで撮ってみせろというわけです。

2003年9月撮影

 この日は持ち時間三分が二回まわって来ましたが、それでもキツイと思いました。ソファを持ち込んだり、バック布を変えたりするのも、持ち時間のうちにやらなきゃなりません。

 また、被写体さんが奇行に走る人でしたから、おとなしくしているように牽制しなければ撮影できません。持ち時間をストップウォッチで計っている講座の撮影ですからね。

 しょっぱな、普通にモデル立ちしてもらいました。ツマラナイ写真ですが「はじまり」の一枚は、こんな人を撮りましたという紹介でもありますし、最初に置く分には悪くないでしょう。

 難しいのは「おわり」をどうするかです。外撮りならば、去って行く後ろ姿だとか、なんぼでもソレっぽいのを思いつきますが、スタジオでとなるとホントに困りました。ソファに寝そべりで「終わるかなぁ」と自分でも疑いながら撮りました。

 そして、序破急を二組つくって、六枚組としました。見せ場に使えるほど強い写真が撮れていないのが悔しいです。

 実は、私が一人で亡父の在宅介護をしていた時期で、その介護が大詰めになっていた時期でした。入院させなきゃイケナイのに自宅から離れたくない父親が、もはや自分の手に余るような存在になってしまい、民生委員さんが介入してくれて助かった……というくらいの修羅場でした。

 そういうときでも、写真を撮らずにはいられなかったんですよ。

おわりに

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謝辞

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