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#7 保護者、監督・コーチ必見!スポーツでも 重要視される 【Why】思考

 今回は、体のことから離れて少し哲学的な考えをシェアさせて頂こうと思います。今回の内容が、これからお子さんを習い事に通わせようと考えている保護者や、スポーツ現場で実際にご指導されている監督やコーチの皆さんにとって、物事を進める際の判断基準の一つとしてご活用頂けると幸いです。

1冊のビジネス本

 最近は、スポーツ医科学センターを沖縄に設置する為にビジネス的な視点も含め異なる分野の方から様々なご意見を伺う機会が増えてきました。この前、久々に再会したアメリカ時代の後輩I君から【著者:尾原和啓 “プロセスエコノミー”】という本をお勧めされました。ざっくりいうと、“商品を売らずに商品ができるまでの制作過程を売ることの重要性“について書かれています。この本は、自分達が推し進めているプロジェクトを多くの方に知って頂き、そしてそのプロセスに対し共感・応援して頂くことの重要性について改めて考えさせられる1冊でもありました。

What⇨How⇨Whyの考え方

 本を読む中で、私が面白いなと感じたのが、サイモン・シネックの “Why” の重要性についてでした。一昔前までは、【What=何ができるのか】物(目的を果たすことが大事)が売れた時代が、そこから少しずつ豊かになり選択肢が増え始めると、次は 【How=どのような】質(素材やこだわりetc)が求められるようになってきました。そして現代社会には物が溢れ、インターネットが普及することで、Amazonや楽天などでいくらでも同様の商品を検索することが可能となりました。近年は、 【What】や【How】で物やサービスを買うことから、“なぜその商品が生まれたのか?““その商品にはどのような思いが込められているのか?““それが完成するまでにどういったストーリがあったのか?“など【Why=どうして】の価値観が物やサービスを購入する上で重要な判断基準となっているようです。
*本の中には、サブスクリプションビジネスがどうして波及するのかについても書かれていました。

スポーツを【Why】で考える

 スポーツには様々は選択肢があります。【What】でスポーツを選択してみると何の競技をするかが重要な判断材料となります。サッカーをやりたいお子さんにとって、バスケットボールは選択肢から除外されます。【How】でスポーツを選択してみるとどうでしょう、ただサッカーをするだけではなく、沢山のテクニックを効率よく教えてくれるチームに入りたい!といったメソッド的なことに重きが置かれます。しかしながら、現代社会ではYoutubeなどのSNSを活用することで、方法論などはいくらでも調べることができます。
そこでいよいよ重要となってくるのが【Why】の役割です。実際に【Why】でスポーツを探してみるとどうでしょうか。お子さんや親御さんにとって大切なことは、“スポーツを通して何を得ることができるのか“ “指導者がそのスポーツを通じて子ども達に何を伝えたいのか“ “チームメイトはなぜこのチームを選択したのか“などの【Why】の部分ではないでしょうか。
チームの理念やビジョンがしっかりとしている環境では、パワハラや体罰が起こることはないでしょう。スポーツは時に閉鎖的な環境になりすぎて、間違いに気づけないことがあります。勝利至上主義になりすぎて、本質を見失わない為にも判断基準の一つに【Why 】を取り入れてみてはいかがでしょうか。

まとめ

 今回は、他の分野の価値観をスポーツに対する考え方に置き換えてみました。様々な考え方やアプローチを知ることは、分野問わず非常に重要なことだと考えています。これからも気になる情報があればシェアさせて頂きますので引き続きよろしくお願い致します。最後に、この情報が親御さんや監督・コーチの方々のお役に立てば幸いです。

プロフィール
大城英稔(おおしろ ひでとし)

学歴
東京都 玉川大学文学部教育学科健康教育コース卒業
米国 マーシャル大学大学院 運動生理学専攻 卒業

略歴
スポーツおきなわ 代表理事
沖縄国際大学 非常勤講師
沖縄県スポーツ協会 医科学スタッフ
沖縄県テニス協会 医科学委員長
元国立スポーツ科学センター常勤トレーニング指導員
元Bリーグ琉球ゴールデンキングスストレングス&コンディショニングコーチ

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