今週のリフレクション【藁を手に旅に出よう(荒木博行氏)】

大学院の卒業式を控え、恩師である荒木博行さん著「藁を手に旅に出よう」を振り返ります。要点をざっくりまとめると・・

1.自分の戦うフィールドは一時の感情ではなく、時間軸の長さ×論点の多さ=戦略的に考える努力をする。未来は、起きる可能性×起きた時のインパクトで予測する。空気に負けないために、論理を鍛えて客観的に意思決定をする。何を目指すか=大義が最も大切。敵の存在を前提とした大義はエンドレスな分断を生む。真の大義はどんな世界を実現したいのか、世界観がベースになる。

2.具体的な手段の引力に負けない。目的と相手のギャップを埋めるのが手段。目的が決まったら、相手を理解(憑依)することが大切。そして、自分のマイクロスキルを組み合わせてギャップを埋める。失敗も含めて振り返り、抽象化した勝負のポイントを3〜5つにまとめ、ストック人材となる。そして、誰が何を言っても自分の人生は自分で決める覚悟を持つ。

3.断片的で短絡的な視点から正論を言うことを野党思考はNG。まず自分がどうしたいか一人称で考え、組織の三人称を柔軟に取り入れる順番。自分の人生を測る尺度は自分で考えるべき。他人が決めた尺度で一喜一憂する必要はない。リーダーとは、哲学的な問いに向き合い、自分だけにしか見えていない未来に向けて歩き始めている人。キャリアの節目で思う存分脇道に逸れ、ネガティブ・ケイパビリティを持ち、目的のピラミッドから、最上位の目的を探し続ける姿勢が大切。

このところ、本当に有難いことに色々なプロジェクトで声をかけていただける機会が増えました。そんか中で感じることは、そもそもキャリアデザインって何だ?キャリアって本当にデザインなんてできるのか?という問いです。

キャリアデザインとは、自分にとって理想的な働き方は何かをイメージしてキャリアを描くことだと思います。つまり、自分の理想を描き(=ゴール/志)、そこに向かってキャリアを歩んでいくアプローチだと思っています。

でも、理想的にキャリアを歩める人ってそんなにたくさんいるんでしょうか?

強烈な原体験があり、そこから湧き上がる自分の情熱に気付き、目指したい方向や成し遂げたいゴールが見えた人は、きっとキャリアデザインが可能だと思います。そして、それが一番パワフルなキャリアだと心から感じます(羨ましい・・)。

ただ、多くの方はそんなにズバっと理想や志が固まっていないのではないでしょうか?そもそも仕事にそんなに打ち込む気持ちになれないとか、なんとなくやりたいことの方向はわかるけど、確信は持てないとか、そんな人が多いのがリアルではないでしょうか?

そこですごく大事なのが「キャリアドリフト」という考え方だと思います。ゴールを敢えて描かずに、誘われるがままに脇道に逸れて、そのプロセスの中からキャリアが浮かび上がってくる。クルンボルツ博士のプランド・ハップンスタンス・セオリー(偶キャリ)にも違い考え方です。

本にも書かれている通り「思う存分」脇道に逸れることが大事なんだと思います。よくわからないけど誘われたからやってみたら、なんか楽しかった。慣れないことを一生懸命やったら、意外に得意だったことに気付いた。そんなことからキャリアは積み上がっていくような気がしました。

自分は「共に成長できる場が創りたい」が軸なので、その範囲内で思う存分脇道に逸れまくりたいと思います。

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