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今週のリフレクション【転職学(中原淳氏)】

今週は中原淳さん著「転職学」を振り返ります。ザックリ要約すると・・

1.今は転職のチケットを持ちながら働く時代。長期雇用への疑問/役職定年による給与のフラット化/中途採用重視への変化/管理職から整備されるジョブ型人事制度、によってミドルの転職は増加。若手・中堅では地方転職/ベンチャー転職/独立開業/副業・兼業がトレンドだが、魅力と不満はコインの表裏。不満を感じやすいタイプ(隣の芝は青い型、優柔不断型)は要注意。 ①学校で教えてくれず、②他者の経験談に頼れず、③後戻りできないため、転職は学びにくい。自分に最適な場を探そうとするマッチング思考から、自分が最適な場に適応するラーニング思考への転換が必要。要諦は、捨てる・変わる・開かれる。

2.会社への不満×転職力>転職の抵抗感=転職。日本は学習性無力感で不満解消を諦める傾向から不満ベースの転職が8割。将来的に変わる可能性がなく、最後のダメ押しがあると転職を決意する。日本での転職は転社。校内マラソン型の人事管理という働き方の特殊性が転職後の給与を上がりにくくし、不満の解消が主要な転職動機になる動機の特殊性を生み出している。企業側は、構造と不満の組合せの理解が必要。抵抗感は①社会的理由(ネガティブイメージ)と、②個人的理由(現実維持バイアス)から生まれる。年齢を重ねると増し、男女差がある(地位・家庭)。

3.転職力には、ステータスとしての転職力(知識・経験・スキル)と転職プロセスでの転職力の両面がある。日本人の学びの場は職場に偏っているので、企業特殊的な知識がステータスとしての転職力の中心。①仕事は運次第、②ほどほどキャリア、③地頭重視、が要因で学び直し意識がなくなる。越境学習によって学び直し意識を向上させ、汎用的知識を学べばステータスとしての転職力は高まる。求職時リアリティショックをリフレクションによってセルフアウェアネス(内面・外面)に変化させることで、転職プロセスでの転職力が高まる。セルフアウェアネスを高めるには、他者志向&未来志向で自己開示する転職相談が効果的。

4.入社後リアリティショックを和らげるには、①メンタリング支援、②セーフティネット支援 ③ネットワーク支援、④フィードバック支援、によるセルフ・オンボーディングを能動的に構築することが大切。特に、③④は自身での整備が必要。社内で実現が難しい場合は、社外に広げたオープン・オンボーディングも効果的。アンラーニングすることもオンボーディングの促進につながる。転職後も、社縁=恩返しの気持ちとアルムナイ意識を大切にすることを忘れない。

天職は探すものか、つくるものか?という問いが浮かびました。

人それぞれ、特性が異なることは事実だと思います。それをわかりやすくシンプルに体系化したもが適性診断であり、様々なタイプの仕事の向き・不向きを考えるきっかけになる有用なツールだと思います。その意味で、天職は「ある」と言える側面もあると思います。

一方、自分の価値観や適性にピッタリ一致する組織はあるのか?という疑問もあります。エンゲージメント向上には、組織の価値観と個人の価値観の重なりをつくることが重要だと言われます。つまり、自然と一致するものではなく、努力をして溝を埋めるものだとも言えます。その意味では、天職は「ない」とも言える側面があると思います。

ある程度は自身の価値観に近い組織を探すことは可能だが、ラストワンマイルは自身がアジャストするしかないのかもしれません。それが、書籍にあるマッチング思考かはラーニング思考への転換という意味かもしれないな、とぼんやり考えました。

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