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今週のリフレクション【話し合いの作法(中原淳氏)】

今週は中原淳さんの「話し合いの作法」を振り返ります。ざっくり3点で要約すると・・

1.話し合いとは、人々が身近な他者とともに働いたり、学んだり、暮らしていくために、自分が抱く意見をお互いに伝え合い、他者との「意見の分かれ道」を探り合い、メリット・デメリットを考え、自分たちで納得感のある決断を行い、ともに前に進むこと。日本人は①同質性が高く(同調行動)、②子供の頃からダメな話し合いを積み重ねてきていて、③正解主義に陥っているため、話し合いが苦手。

2.①不確実な世界を生き、②多様性を乗り越え(グローバル/人材流動化)、③民主主義を守っていくために、話し合いが必要。言葉の貧困とコミュニケーションの軽視が根本課題。日本に蔓延する話し合いの病は、①とりあえずかみついちゃう病、②対話ロマンティシズム病、③みんな違ってみんないい病、④アンケートフォームで意見すいあげちゃう病、⑤誰もついてこない病。究極は、対話ゼロでただちに多数決病。

3.話し合い=対話+決断。対話とは、①ケリのついていないテーマを扱い、②人が向き合って言葉を交わす風景であり(全員)、③フラットな関係が似合い、④自分を持ち寄り(主語は私)、⑤お互いのズレを探り合い(鑑賞/吟味)、⑥今ココを生き、⑦自分を疑い他者に気づき(他者へのリスペクト)、⑧共通理解をつくりあげる(漢方)こと。決断のポイントは、①メリ・デメを明らかにし、②多数決に逃げず、③誰が決めるかを決め(リーダー/メンバー)、④いつ決めるかを決め(意見が飽和した瞬間)、⑤どのように決めるか決める(自発的フォロー)。

私は人の成長のために対話は欠かせないと思っています。自分が今感じている思考や感情や価値観を自己開示して、他者からのフィードバックをギフトとして受け取る。他者の思考や価値観に触れることで、相対的に自分の思考のバイアスや価値観の輪郭がクリアになっていく。対話にはそんな効果があると思います。そして、成長とは価値観をアップデートして今に充実感を持つことだと思います。

では、対話をビジネスに取り入れるにはどうすればいいのか?これはなかなか難問でした。ビジネスにおける人材育成のゴールは価値観のような内面ではなく、結果というアウトプットです。対話は内面での変化に留まることが多く、アウトプットしないことが多いように思います。ここにビジネスとの食べ合わせの悪さがあるのかもしれません。

では、対話におけるアウトプットとは何なのか?それが「決断」なのだと、書籍を読んで思いました。対話で価値観がアップデートされたら、テーマにおいて変化させることをその場で具体的に決断すること。それが、ビジネスに対話を取り入れるポイントなのかもしれません。対話のない決断は効果が薄いですが、決断のない対話も効果が薄い。そんなことを考えさせられました。

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