今週のリフレクション【探究型読書(編集工学研究所)】

今週は改めて読書と向き合ってみたいと思い、編集工学研究所の「探究型読書」を振り返ります。ざっくり3点で要約すると・・

1.ビジネスパーソンにも教育現場にも、求められているのは、固定化された認知の枠組みの打破。予想外の課題を、仮説ベースで提案し、現実と調整しながら、手探りで解決の道を探るアプローチ。情報の多くは本というパッケージに収められており、自分に合うよう編集するのが基本タスク。編集とは、情報の乗り換え(チャネル)・持ち替え(組合せ)・着替え(世界観)を意識し、情報の地(受け手の前提)を切り替え、図(アウトプット)を変えること。

2.本の効用は、①思考のジャンプ台、②視点を底上げ、③わたしの隠れ蓑、④共に進む乗り物、⑤対話の媒介。世界知(人類の営み)/共同知(社会的)/個別知(個人的)と話題の本/古典/異色の本の掛け算で選書する。探究型読書とは、本を手掛かりにして考えることを推奨するメソッド。主体は読み手。5つの心得は、①読前/読中/読後、②著者の思考モデルを借りる=主張の筋道、③モヤモヤとスッキリのかわるがわる=気づき、④伏せて開ける=定着/想像、⑤仮説的に読む=編集。

3.具体的には、①読前=帯/目次からキーワード/ホットワード/ニューワードを抜き出し、関係を可視化(一種合成/二点分岐/三位一体/三間連結)し仮説を立てる、②読中=本の中からQuestionとAnswereを探し、③読後=アナロジカル・シンキングで仮説との差を振り返り、似たものを探し、自分ゴトに置き換える、という手順。

本というパッケージに収められた情報を、自分に合うように編集する。というところが、自分の感じている読書観とピッタリで、とても共感しました。

今や情報は溢れるほど手に入る環境です。その中で本とは、まさに著者(と編集者)の意思によってキュレーションされた情報の束=パッケージだと思いますし、そこに価値があると思います。

そして、その裏には著者の経験からくるコンテクスト(文脈)があるハズです。本を読む時には書かれている情報をそのままインプットするだけでなく、著者のコンテクストを想像して、本当は何が一番言いたいのかという構造を捉えることが大切だと思います。

そして、自分が共感できる部分はどこで、共感できない部分はどこなのかを整理する。なぜ共感できないのか?自分はどう思うのか?を言語化する。そして、そんな思考プロセスを経て感じたことを踏まえて、自分が今まで持っていた価値観をアップデートする。それが自分に合わせて編集することだと解釈しました。

ただ、この本の読み方の手前に「武器としての読書」もあると思います。自分の仕事に直結したジャンルの本を読み、武器としてのノウハウを得ることを目的とした読書です。その次のステップとして、仕事に直結しないジャンルや抽象的なテーマの本で「アンラーニングする読書」「リフレーミングする読書」があり、探究型読書はこちらの場合に効果的だと思います。

いずれにしても、本をなんとなく読むのではなく、目的を持って読みたいと思った週末でした。

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