今週のリフレクション【eスポーツのすべてがわかる本(黒川文雄氏)】

今週は前々から気になっていた“eスポーツ”というキーワードの本を振り返ります。黒川文雄さん著「eスポーツのすべてがわかる本」の内容をザックリ3点で要約すると・・

1.eスポーツ(Electoric Sports)の起源は、1997年のCyberathlete Professional League。日本では1985〜1992年のハドソンゲームキャラバンがルーツで、1990年代中盤は格闘ゲームの流行が原点。一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)の定義では、競技性のあるゲームを、プレイヤー同士が対戦する大会を開催して、一般の観客に見せ、それを継続的に開き、観戦目的の顧客を対象とした興行性を持っていること。新しい仕事(アナウンサー等)の創出や、リアルスポーツでは叶えられないこと(高齢者・障碍者の活躍等)を叶える可能性を秘めている。

2.eスポーツ市場は、2016年時点で493億円、2021年に1,650億円(見込)。「観戦」が魅力。1970年代後半のスペースインベーダーの頃から達人のスーパープレイがあった。格闘ゲームがアーケードで流行した頃は、ハイスコアプレーヤーへの羨望のまなざしがあった。eスポーツは、プロのプレイを観る「ライブ・エンタテイメント・ビジネス」に進化したゲームの新しい形。Twitchでの動画配信での観戦等も始まり、日本のメディアでも今後展開が広がっていく。

3.知力、体力、忍耐力を備えつつ、長時間の対戦ストレスにも耐える精神力も求められる21世紀のスポーツ。スポーツにはそもそも競技の意味があるが、正直まだまだスポーツとしての定義は曖昧。高橋利幸氏(高橋名人)が元祖プロゲーマー。プロゲーマーの収入は賞金+スポンサー契約+プロチームの給料+YouTube。海外では賞金は12億円に達するが日本ではまだまだ。JeSUが最も解決すべきは、合理的な賞金が支払われる環境を整備すること。eスポーツの発展は、プロゲーマーの「たかがゲーム」と思われない行動にかかっている。

多くの人が「ゲーム=スポーツ」という構図に違和感を感じるのではないでしょうか?私も本を読む前はそう感じていました。

スポーツというのは体を動かすことがセットで、海外ではマインドスポーツというのがあって競技すること全般を指す。と言われても、テレビゲームがスポーツというのはどうしても直感的にピンとこない・・というのが正直なところでした。

読了して一番アタマに残っているのは「観戦」というキーワードです。

ゲームの大会を有料のチケットを購入して観に来る観客がいるという事実があります。大会でプレイを通じて観客に影響を与えることができる。これは完全にプロの仕事だと思います。そこに競技性がくっついた時、スポーツという表現がしっくりきました。

この経験から感じたことは、気をつけているつもりでもアンコンシャス・バイアスは根深いということです。その罠にはまらないようにするには、今回のように新しい意見や考えに耳を塞がず、情報を取り続けることだと感じました。

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