今週のリフレクション【世界倒産図鑑(荒木博行氏)】

今週は私の師匠(と勝手に思っている)、フライヤーCOO荒木博行さんの「世界倒産図鑑」を振り返ります。主観たっぷりに3点で要約すると・・

*業界に働くマーケットのルール(KSF)を理解し、本質で勝負する。戦う土俵を冷静に見極め、ビジネスを単純化して全能感を持たず、限界やリスクを認識する。日頃から現場の状況を理解し、自分達のビジネスの前提は何で、ズレてきていないか?という健全な疑いを持ち、業界のルールチェンジを見極める。誰かがやってくれるというグループシンクに陥っては危険。

*過去の成功から来るプライドは修羅場で甘えになり兼ねない。ルールチェンジの際は失敗を通じて学習していくという既存事業とは違うスタンスを持ち、広げた風呂敷を畳み切る人を大切にし、保守派のステークホルダーから逃げずに向き合っていく。シングル・ループ思考に陥らず、時間や立場を変えて自分のビジネスを見るレンズを持つ。

*業界としての攻めと守りのバランスを認識する。不確実性が高くインパクトが大きいイベントへの備えを具体的にし、失策と嘘のプロセス連鎖が起きないよう機会・動機・正当化の防波堤をつくる。資金に対する規律を持ち、焦りに任せてリスク管理を甘くしてはいけない。

この本は企業の倒産について書かれた本ですが、人生100年時代の個人のキャリアに置き換えても多くの気付きがあると思います。

戦う土俵を冷静に見極め、KSFを押さえて本質で勝負する。仕事に慣れてきたからといって天狗にならず、KSFが変わってきていないかアンテナを立てて察知し続ける。

私は人材育成の仕事をしていますが、人材育成業界にゲームチェンジが起きつつある予兆を感じています。例えば、様々な外的要因の変化により、教育の個別化が進んでいると感じています。

企業には、生まれたての不十分な技術を軽視すると、一気に負けてしまうイノベーションのジレンマという話があります。教育の個別化も、これ!というソリューションはまだありませんが、軽視しているとあっという間にゲームチェンジが起きてしまうような予感を感じています。

そんな中で今のままの箱型研修のスキルだけを磨き続けても、ゲームチェンジをしてしまってはスキルが無力化してしまいます。では、自分株式会社が倒産しないためにどんな行動をとるべきか?すぐに解決できる問題ではありませんが、私は「好奇心」が大切なのでは?と思いました。

様々な社内の仕事や趣味やコミュニティに興味を持ち、可能な限り首を突っ込む。それがたくさんのレンズを持ち、シングルループ思考に陥らない1つの方法であり、解決の糸口を見つける唯一の方法かな?と感じています。

その際に気をつけなくてはいけないのは、本にある通り、攻めと守りのバランスです。好奇心からたくさんのことに首を突っ込んでレンズを増やしつつ、センターピンである本業はぜったい疎かにしてはいけない。本業の不確実性やリスクをしっかり把握して、自分のスケジュールをマネジメントする必要があると思います。

人生100年時代、自分株式会社のCEOという視野からたくさんのことを考えさせられました。まとめると、自分の強みが外的環境の変化により無力化してしまう前に、アンテナを高くしてゲームチェンジにいち早く気付き、改革していくことが必要だと思います。

でも、自分の心の中には企業と同じように保守派がいて変わることに抵抗するハズです。保守派と折り合いをつけつつ、守りにも気持ちを置いて、自己変革を必要なタイミングで進めたいものです。

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