【今週のリフレクション】走れば脳は強くなる(重森健太氏)

今週はランニングをテーマに読書会をしたので、重森健太さん著「走れば脳は強くなる」を振り返ります。ザックリ3点で要約すると・・

1.変化のない日常だと脳の使わない部分が萎縮する。有酸素運動(9〜14キロ歩行/1週間)は脳の老化が遅らせられるが、脳トレでは脳は活性化されない。有酸素運動の効果として、①海馬と前頭葉に血が巡りニューロン新生が起こるため、記憶/発想力がUPする。②ドーパミンとセロトニンがコルチゾールの滞留を防ぎ、GABAの分泌されストレス連鎖断ち切る。③BDNFが増え、脳内ネットワークが強化される。④βエンドルフィンが分泌され、ランナーズハイと呼ばれる爽快感を感じる。

2.運動強度60〜80%のランを20〜30分×週3×3ヶ月が脳に好影響を与える最低ライン。脂肪燃焼はが目的なら50〜70%。目標心拍は少しずつ上げないと慣れてしまい脳が鍛えられない。目標心拍=(最大心拍-安静心拍)×運動強度+安静心拍。朝ランは脳が覚醒し代謝も上がり、ダイエット効果。夜ランは成長ホルモン分泌促進され、筋力アップに効果。食前はダイエット、食後はトレーニングに適している。走る前は動的、走った後は静的ストレッチが効果的。1分あたりの歩数(147〜160)のBPMの音楽が適切。

3.記憶力UPは、オリジナルルートマップ等で海馬を刺激する。走った後は記憶力が20%向上。集中力UPは、デュアルタスクで前頭葉のワーキングメモリを活性化。発想力UPは強度90%の運動を3〜5分行い前頭葉を刺激。思考力UPは、クールダウンのストレッチで脳に血流を戻すと効果的。階段の1段飛ばしも、海馬と前頭葉を刺激する。習慣化には①自己効力感(成功体験/モデリング)、②ソーシャルサポート(道具/情報/情緒/評価)、③強制化、が必要。自分に合わせて、ウォーキング→ジョギング→ランニングを選んで始める。

読書会の問いは「あなたはなぜ走るのか?」というシンプルなものでした。私はランナーですが、問いの答えを言語化するのがなかなか難しいと感じました。そもそも、この問いは誰が誰にするものなのでしょう?

考えてみると、走っている人同士でこの問いに出会ったことはありません。では、走らない人から走る人にする問いでしょうか?それもあると思いますが、もうひとつスッキリしません。「なぜ走るのか?」のウラには、何か隠れた前提があるように思いました。

そこで思い至ったのが、走るのが嫌いな人が、走るのが好きな人に抱く問いではないか?という仮説です。そう考えると、走っている⇔走っていない×走るのが好き⇔嫌いのマトリクスが浮かび上がってきました。

①走っていて×走るのが好きなランナー、②走るのは好きだけど×今は何らかの事情で走っていない人、③走っているけど×本当は走るのが嫌いなランナー、④走っていないし、走るのが嫌いな人、の4象限です。

④→③=走り始めるには、外部からのきっかけが必要だという仮説が生まれました。つまり、本だったり友人の誘いだったりという「自分のコンテクストの外側の要素」がきっかけになります。一方、③→①=好きになるには、体験を伴う「自分のコンテクストの内側の要素」が必要だという仮説が生まれました。

また、④→②=走らないけど好きになる、というケースもあり、これは箱根駅伝の応援などが当たりそうです。②→①=走ることを好意的に捉えている人が実際に走り始めるには、自分にもできそうだという再現性の実感が必要になりそうです。

そう考えると、走らない→走るの壁は「機能面」の要素が強く、嫌い→好きの壁は「感情面」要素が強く作用しそうです。

「あなたはなぜ走るのか?」と聞かれると、つい機能面を伝えたくなりますが、感情面も同時に伝えることで言語化に一歩近付けるのかもしれないと思えたステキな読書会でした。

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