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今週のリフレクション【場をつくる(広江朋紀氏)】

今週は広江朋紀さん著「場をつくる」を振り返ります。ざっくり3点で要約すると・・

1.ミレニアル世代は自発的な目標設定と実行が動機の源泉。心理的につながれる安心・安全な場づくりが求められている。そんな中、場の生命を育み、メンバーの力を引き出し、協働を促すファシリーダーシップが効果的。非定型×質重視=企画・アイデアタイプに機能。心理的安全性を土台に、①拡散→②混沌→③収束→④実装をリードする。

2.「心理的安全性」には聴く力が大切。傾聴を妨げるパターンは、①自分の話、②分析、③教訓、④ごまかし、⑤詰問、⑥警告、⑦批判、⑧否定。妥協の罠にハマらないよう、心理的安全性×認知的多様性が重要。「拡散」では課題の罠に注意。①ヒト、②モノ、③カネ、④情報、⑤時間、⑥知的財産、で制約をかける。制約は創造の母。

3.「混沌」では回避の罠に注意。ブレストの批判厳禁は拡散までにしないと、集団浅慮につながる。秩序と混沌の間=ケイオディック・パスのバランスが大切。「収束」は判断の罠に注意。しなければならないではなく、することを選んで、センスメイキングできるか?「実装」は放任の罠に注意。WOOPの法則(願い/結果/障害/計画)。論理の壁は錦の御旗で、感情の壁はストーリーで、習慣の壁はナッジで越える。

VUCAの時代では、課題解決ではなく課題発見が重要だとよく言われます。そのため、発散のフェーズが重視されることが多いように思います。代表的な手法がブレインストーミングで、質より量を重視し、意見への付け足し歓迎、批判と判断は禁止です。創造的な発散の会議では、このようなルールに則ることが多いと思います。

しかし、いつまでもブレストを続けるわけではありません。ビジネスとして実装するため、どこかで収束のフェーズに移ります。そして、ここで頭を収束モードに明確に切り替える必要があります。そのアイデアのインパクトは充分か?技術的に実現可能か?コストは許容範囲か?運用するリソースは足りているか?などなど。

ただ、人にはそれぞれの役割があるので、収束する=判断するための軸がなかなか統一できません。判断軸を言葉にしてお互いに共有するのは本当に難しいと思います。だからこそ、ここで混沌が生まれるのだと思います。そして、諦めずに対話を続けることで、お互いのナラティブが見えてきて、判断軸が共有できるようになるのだと思います。これが書籍にあるセンスメイキングだと個人的には解釈しています。

とりあえずブレストしよう、は危険かもしれません。もちろん大切なプロセスなのは間違いありません。しかし、しっかり実装して成果が出なければ意味が薄いものになってしまいます(チームビルドにはなりますが)。そんなことを考えさせられる本でした。

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