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今週のリフレクション【ダブル・ゴール・コーチ(ジム・トンプソン)】

今週はジム・トンプソン著「ダブル・ゴール・コーチ」を振り返ります。ざっくり3点で要約すると・・

1.ダブル・ゴール・コーチ。選手が試合で勝てるように、且つ、スポーツを通して人生訓を教える役割を果たす。①ELMツリーで努力・学習・ミスから立ち直る強さを伝え、②具体的な褒め・感謝・傾聴で感情のタンクを満たし、③ルール・相手・審判・チームメイト・自分自身から試合への敬意を払う。

2.ダブル・ゴール・コーチは、トリプル・インパクト・コンペティターを生み出す。トリプル・インパクト・コンペティターは己の技能向上に努力を注ぎ込み、自分自身・チームメイト・試合の3要素を向上させる競技者。最善の努力をし、全てから学ぼうとし、ミスでも自分達の歩みをとめない競技者。

3.親はセカンド・ゴール・ペアレントとなり、勝利というゴールに専念できるよう計らいつつ、子供の特性を伸ばす。ユーススポーツのビジョンは、競技によって能力が最大限に引き出され、選手・コーチ・親・ファンのチーム全員が、勝ち負けに関わらずチームを誇りに思うこと。

人材育成の仕事をしていると、「成長」と「結果(=業績)」のバランスで迷子になる感覚が個人的にはあります。①人の成長は長期間かかるものだから短期的な結果だけに注目してはいけない、②一方で、人材育成は経営に資する人材を育成することであるので、事業年度に合わせた投資対効果の測定も必要である。という、①と②の両立に悩む、という感覚です。

この本ではそのバランスにヒントを貰える内容だと感じました。恐らく、①まずは結果を出すために全力で邁進することが前提となり、②正しい努力の仕方/学び方を教え、③感情をポジティブに満たし、④周囲のメンバーへの敬意を自覚してもらう。そんなプロセスだと解釈しました。

これは、企業に入社する新入社員の育成でも同じことが言えるのではないでしょうか。①結果を出すことが前提と確認し、②目標設定と内省習慣の重要性を伝え、③上司がポジティブな関わりをし、④結果として周囲に敬意を自覚する。新人本人には①→②の順番で教え、上司には③を啓蒙し、結果的に④が実現できるように思います。

最近、面接で「どんな新人が成長しますか?」という質問に、「内省でしっかり言語化する習慣がある人」と答えています。あながち方向性に間違いはなかったのかな、と安心しつつ、前提として結果へのコミットが必要だな、と再確認できました。

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