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解剖学のキソとウソ

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機能解剖学は、身体の筋肉や骨、関節の名称や特徴、働きを理解し、身体の動きにどのように連動するかを学ぶ学問です。 機能解剖学では、主に筋骨格系から人体の構造を理解し、運動と諸機能…
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2023年11月の記事一覧

デタラメ解剖学が芸術をダメにする!?

こんにちわ。こんばんわ。おはようございます。 今日も記事に目をとめていただいてありがとうございます。 「解剖学」で集客力アップ 国民生活センターからパーソナルトレーニングに関する注意喚起が出されたことは記憶に新しい。 ”パーソナルトレーニングジムなるものをよく見かけるようになったのはここ5年であり、そしてそれらの多くが「あなたの身体にあったトレーニングを」ということをうたっている。なぜケガが生じるのかと言うと、その「あなたの身体にあった」を見抜くことが難しいからだろう。そ

3次元マッピングを用いた烏口突起周囲の解剖学的構造

烏口突起とその周辺部位 烏口突起は肩の骨構造で、烏口上腕部の共同腱と上腕二頭筋の短頭部、小胸筋、烏口肩峰靭帯(CAL)、烏口鎖骨靭帯(CC)、烏口上腕靭帯など、いくつかの重要な構造の付着部位として機能します。これらの構造は、肩関節の安定性と動きに重要な役割を果たします。肩の病変の外科的管理を成功させるには、これらの構造の関係と解剖学的位置を正確に理解することが不可欠です。これは、これらの構造は密接に関連しており、肩部のさまざまな外科手術ではその正確な位置決めが不可欠だからで

骨の修復・再構築の生理学:流体剪断応力が注目されている!?

骨の生理学 骨は高度に特殊化された硬い組織であり、身体を構造的に支持し、筋肉付着部位を通る動きを可能にし、臓器を保護し、カルシウムと成長因子の貯蔵庫として機能します(Clarke、2008 )。骨は生涯を通じて絶えず再生し修復する力を持っています。骨リモデリングと呼ばれるこのプロセスには、さまざまな種類の細胞が関与しており、生体力学的負荷の変化に応じて開始されたり、古い微小損傷を受けた骨を機械的により強い新しい骨に置き換えたりすることができます (Kini and Nan