【前編】東芝ブレイブルーパス東京の大躍進をデータで振り返る
リッチー・モウンガ選手の加入効果を考察する
2023-24シーズンのリーグワンは東芝ブレイブルーパス東京の優勝で幕を閉じました。実に14季ぶりになる古豪の優勝に、心動かされた古参ファンの方々も少なくないはずです。「古豪復活」と同時に、オフシーズンに大型補強を行うなど、リーグワン開幕前から話題の絶えない、リーグの盛り上がりを支えたチームでもありました。
今回は獲得した選手や元々いた選手の成長といった観点で、ブレイブルーパスの優勝を紐解いていこうと思います。前編では、リッチー・モウンガ選手が司令塔としてどのくらいチームを牽引したのかを見ていきましょう。
DePostaでは、リーグワンに出場した全選手が、所属チームの得失点にどの程度影響を与えているかを可視化しています。
下の記事では、得失点への影響を測る評価指標の説明をしています。
まずは、DePostaを見ていきましょう。
横軸はプレーのインパクト(xP)、縦軸がチーム影響度(RAPM)を示しており、横に行けば行くほど、プレーのインパクトが大きく(ラインブレークをする、キックパスを決めるなどの貢献が高い)、上に行くほどチームへの影響度が大きい(ゲームメイクや声掛けなどの従来のスタッツでは見えない影響などが大きい)と言えます。
DePosa上では、リッチー・モウンガ選手はRAPM(チーム影響度)が1.04 / 80分、xP(プレーのインパクト)が2.79 / 80minとポジション関係なく全選手を見た時にも、トップレベルの活躍をしていることがわかります。これは年間換算すると、RAPベースで約15点分、xPベースで40点分の得失点を生んでいることに相当します。
ランニングやアシストなど多岐に活躍していますね。
次にポジションを絞って、10番の選手だけで見ていきます。赤い点がリッチー・モウンガ選手です。
xPとRAPMのバランスを見ると、リッチー・モウンガ選手は10番の中でも特にバランスの取れた選手と言えるでしょう。ちなみに10番の中でRAPMが最も高い選手は、スピアーズに所属するバーナード・フォーリー選手です。フォーリー選手の離脱は、今季のスピアーズにとって大きな痛手であったことは間違いありません。
特に10番の選手の場合、司令塔としての役割が大きく求められるので、RAPM(チーム影響度)だけを深掘りしてみます。横軸を攻撃、縦軸を守備のRAPMに変えてみました。
リッチー・モウンガ選手が攻守にバランスの良い選手であることが分かります。守備というとタックルやジャッカルだけが注目されがちですが、「正確なキック」というプレーは失点を抑えることに貢献します。
こんなプレーも「失点リスクを抑えた」、とも言えますね。
今回はリッチー・モウンガ選手にフォーカスして分析しました。次回は、ブレイブルーパスに所属する日本代表選手にフォーカスしていきます!
▼弊社のサービスについてのお問い合わせは、以下からお願い致します。
▼関連記事
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?