【MLBドラフト】2023ドラフトレビューOAK編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ


1(6) ジェイコブ・ウィルソン(Jacob Wilson):SS:右投右打 :6-3/190:GCU:$5.5M($6.63M)

積極的にスイングを仕掛けてラインドライブの打球を連発するピュアヒッター。パワーツールはでも成長を見せている。スピード、アーム共にSSとしてはスペック不足だが、ハッスルプレーでところせましと駆け回る。キャリアの序盤はSSに残れるだろう。


CBPA(39) マイルズ・ネイラー(Myles Naylor):3B:右投右打:6-2/195:St Joan of Arc Catholic SS:$2.2($2.2M)

上の兄弟2人もプロ入りした野球兄弟の末っ子。コンパクトかつ鋭いスイングでラインドライブの打球を飛ばす。ゾーン管理は上の兄弟2人ほどではないが、高校生にしては優秀。守備ではスピードとアームに難を抱えており、プラスの数字は出せないか。


2(41) ライアン・レスコ(Ryan Lasko):OF:右投右打:6/190:Rutgers:$1.7M($2.09M)

サイズは平凡だが前でボールを捉えハードヒットを飛ばすスラッガー。不用意にゾーン外に手を出すわけではないが、空振りが多く変化球に脆い点は気になるところ。スピード&アームは平均以上でCFに留まることができるだろう。


3(72) スティーブン・エチャバリア(Steven Echavarria):RHP:右投右打:6-1/180:Millburn HS:$3M($1.01M)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。ムービングの激しいシンカーをコマンドよく投じカウントを稼ぐ。スライダー、カーブともに低めに集めて空振りを奪うことができる。高校生ながらもチェンジアップの扱いも上手い。


4(103) コール・ミラー(Cole Miller):RHP:右投右打:6-6/226:Newbury Park HS:$1M($653.3K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。利き手方向に曲がりながら浮き上がるムービングで空振りを奪う。スライダー、チェンジアップ共に高い評価を得ており、コントロールもまとまっている。


5(139) ネイサン・デトマー(Nathan Dettmer):RHP:右投右打:6-4/230:Waterford HS:$425K($459.8K)

90マイル中盤の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で99マイルをマーク。ただ、スピードが上がるほどシンカー系のムービングが乏しくなるため、球速ほど効果的に使えていない。スライダー、チェンジアップ共にハイクオリティ。今年はコントロールを乱しキャリアワーストの数字を残してしまった。


6(166) ジョナ・コックス(Jonah Cox):OF:右投右打:6-3/200:Oral Roberts:$300K($354.5K)

カレッジワールドシリーズでマイナーカンファレンス所属のチームのアップセットに貢献。自慢のスピードを活かすために積極的にスイングを仕掛けて出塁を狙う。ダウンスイング気味でバレルフィーリングは高くないが、内野ゴロでもヒットを狙える。高校/短大時代はSSだったため臨時的にはIFに入ることもできるだろう。


7(196) ネイト・ナンキール(Nate Nankil):OF:右投右打:6-3/191:Cal State Fullerton:$300K($276.1K)

打撃ではコンタクトスキルの高さが魅力。内角への対応に長けており、不用意に踏み込んできた投手に痛打を食らわせる。パワーツールに欠けており、長打数は期待できない。スピード/アーム共に平均以下で、OFでの動きも鈍く打撃以外での貢献は期待できない。


8(226) ジャクソン・フィンリー(Jackson Finley):RHP:右投右打:6-4/222:Georgia Tech:-($218.3K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。シンカー系の速球はムービングが激しすぎることが原因となってかコマンドに欠けている。速球と真逆に曲がるスライダーの出し入れで相手を打ち取る。打者としてもプレーしており、過剰なまでのパワーツールが魅力。


9(256) コリー・アバント(Cory Avant):RHP:右投右打:6-4/225:Wingate:$185.1K($185.1K)



総括

 1巡目は予想通りジェイコブ・ウィルソンを指名。ヒッティングツールに関して言えば、先に消えたどのタレントよりも上回っているでしょう。MIAのルイス・アラエズのシーズン打率が4割を超えるかはまだ分かりませんが、次の4割打者候補の筆頭はジェイコブ・ウィルソンになるでしょう。
 野手に関しては基本的に上位で固める姿勢は今年も変わりませんでした。CBPAのマイルズ・ネイラーと2巡目のライアン・レスコは純粋なスペックが抜きんでているタレントで、1巡目のジェイコブ・ウィルソンとは対照的です。マイルズ・ネイラーは上2人の兄が築き上げてきたネイラー家のブランドをより高めることができるのかに注目です。
 毎年1人は確保するスピードツール枠にはオーラルロバーツをカレッジワールドシリーズまで導いた立役者のジョナ・コックスを指名。第4のOF/ユーティリティとして期待できそうです。
 野手は例年通りの指名となりましたが、投手指名は異常ありとなりました。3巡目での高校生投手指名は2015年以来の早さで、上位10人以内での連続高校生指名は2005年以来となる珍事。今年の大学生投手の不作に加え、昨年から投手についてはスタッフ重視にシフトしつつある点が影響しているのかもしれません。とはいえ、スティーブン・エチャバリアもコール・ミラーも高校生にしてはコントロールが優秀なタイプで、その点はOAKの中ではバランスを取っているつもりなのかもしれません。
 ボーナスプールの超過は決定的ですが、その原因となった高校生投手2人にその価値があることを祈るばかりです。

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