【MLBドラフト】2023ドラフトレビューSTL編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(21) チェイス・デービス(Chase Davis):OF:左投左打:6-1/216:Arizona:$3.62M($3.62M)

どの方向にも長打を打てるパワーと柔軟さを持ち合わせている。滑らかなスイングはカルロス・ゴンザレスを彷彿とさせる。空振りの多さが課題だったが、克服しつつある。スピード、アームともに平均以上でアジリティも高くRF/LFでならプラスの数字を出せるだろう。


3(90) トラビス・ハニーマン(Travis Honeyman):OF:右投右打:6-2/190:Boston College:$700K($759.6K)

積極的にスイングを仕掛けてヒットを積み重ねる。パワーアップに取り組んでいるが、パワーツールは平均かそれ以下。下半身を柔軟に使い、多少ゾーンを外れていてもヒットゾーンに飛ばすことができる。スピードは非常に優秀だがアームが弱くLF以外では使いづらい。


4(122) クイン・マシューズ(Quinn Mathews):LHP:左投左打:6-5/188:Stanford:$600K($541.7K)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速でも94マイル程度だがコマンドは優秀。ベストピッチはチェンジアップ。ブレーキの利いたボールで打者の左右を問わず空振りを奪う。細身だが、今年は156球の完投を達成しスタミナも見せた。


5(158) ザック・レベンソン(Zach Levenson):OF:右投右打:6-2/211:Miami:$381.3K($381.3K)

シンプルなスイングでハードヒットを量産するスラッガー。変化球に脆さを見せ、空振りが多くなる原因となっている。スピード、アーム共に平均以下でLFに収まることになりそう。


6(185) ジェイソン・サバクール(Jason Savacool):RHP:右投右打:6-1/210:Maryland:$302.3K($302.3K)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で93マイルをマーク。シンカー系の速球でカウントを稼いだり、ゴロを打たせようとするのが常套手段。小さく曲がるスライダーをアウトピッチとして使うが、コンスタントに空振りを奪えていない。落差のあるチェンジアップを変化球の1stオプションに据えるべきか。コントロールがよく、ストライクを稼ぐのに苦労はしない。


7(215) チャールズ・ハリソン(Charles Harrison):RHP:右投右打:6-1/195:UCLA:$236.7K($236.7K)

90マイル前半の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。リリーフとしては球速は平凡だがノビのある4シームでコンスタントに空振りを奪うことができる。縦に曲がり落ちるスライダーでも容易に空振りを奪うことができ、奪三振能力は非常に高い。細かいコマンドに欠けるが、コントロールは悪くない。


8(245) イサン・ヘンダーソン(Ixan Henderson):LHP:左投左打:6-2/180:Fresno State:$230K($193.8K)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で94マイルをマーク。コマンドに長けており、ゾーン際でストライクを稼げる。アウトピッチのスライダーとスローカーブを織り交ぜて打者を翻弄する。球威不足からか長打を許すことが多い。


9(275) クリスチャン・ウォーリー(Christian Worley):RHP:右投右打:6-1/170:Virginia Tech:$200K($175.6K)

90マイル前半の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。非常にノビのある4シームはアウトピッチとしても使えるクオリティ。90マイルに近い速度で曲がり落ちるスライダーもアウトピッチとして有効。今年は春先の故障でほとんど登板がなく終わった。


10(305) ケイデン・ケンドル(Caden Kendle):OF:右投右打:5-11/195:University of California - Irvine:未契約($165.9K)


11(335) ダコタ・ハリス(Dakota Harris):SS:右投両打:6/197:Oklahoma:$150K

打撃では積極的にスイングを仕掛けて早めに勝負を決める。ローパワーはあるもののスイングが遠回りになりがちで十分にアウトプットできていない。守備に自信をのぞかせており、プロ入り後もSSに留まれるだろう。


総括

 1巡目はパワーツール野手路線でチェイス・デービスを指名。カタログスペックもスイングもまんまカルロス・ゴンザレスで本人も憧れを口にしており、将来オールスターの常連になることが期待されます。
 契約に至らなかった20巡目の指名を除けば全て大学生か短大生の指名に終始しました。野手ではトラビス・ハニーマンとザック・レベンソンといずれも大学で華々しい成績を残したOFを確保。ファームのOFの層が一気に厚くなった上に、メジャーに近い選手が多くなったことでトレード等選択肢が増えたことはチーム全体にとってプラスになるでしょう。ケチをつけるとしたらセンターラインを守れるトップレベルの選手に欠けている点でしょうか。
 投手は従前の方針を貫きスタッフよりもプロでもスターターとして投げることができそうなタレントを中心に指名。大学生スターターはいずれも95マイルの速球を投げることは滅多にありませんが、長いイニングを投げて試合を作ることができる面子が揃っています。

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