【MLBドラフト】2023ドラフトレビューTOR編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(20) アルジュン・ニマラ(Arjun Nimmala):SS:右投右打:6-1/170:Strawberry Crest HS:$3M($3.75M)

打撃ではパワーポテンシャルの高さが魅力。バットスピードの速さと打球速度は既に高校生トップクラスだが、これからさらに伸びる余地が大きい。ヒッティングツールは発展途上。スピード、アーム等スペックはSSに十分残れるレベルにある。


3(89) フアロン・ワッツ・ブラウン(Juaron Watts-Brown):RHP:右投右打:6-3/190:Oklahoma State:$1M($771.5K)

90マイル中盤の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。ノビのある4シームは今後さらに速くなるとも。ベストピッチは小さく鋭く曲がるスライダー。大きく縦に割れるカーブも効果的に使う。チェンジアップのクオリティも悪くなく、いずれの球種でもアウトピッチとして使える点が最大の強み。


4(121) ランデン・マロウディス(Landen Maroudis):RHP:右投右打:6-3/190:Calvary Christian HS:$1.5M($547.1K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。ムービングの激しいシンカー系の速球で右打者の内角を狙う。変化量は少ないが鋭く曲がるスライダーがアウトピッチ。高校生にしてはチェンジアップの扱いに長けている。きわどいゾーンに投げ込むコマンドに欠ける。


5(157) コナー・オハロラン(Connor O'Halloran):LHP:左投左打:6-2/190:Michigan:$337.5K($385K)

80マイル後半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速でも93マイルと明らかに球威不足。ローアングルから4シームを投じるが、痛打されることが多い。ベストピッチは曲がりの大きなスライダー。内外のコーナーへコマンドできればバットに当てることも困難だが、真ん中付近への失投も多い。


6(184) ジェイス・ボウローフェン(Jace Bohrofen):OF:右投左打:6-2/205:Arkansas:$302.2K($304.7K)

昨夏のケープコードから打撃で頭角を現し、ついに今年ブレーク。かねてから打球速度の速さは優秀だったが、コンタクトスキルが拙く成績が低迷。それも徐々に克服しつつあるが、依然空振りは多くあっさりフライを打ち上げる淡泊さもあるためプロ入り後は打率が伸びないかも。スピードは少し速い程度だが、アームは非常に優秀でRFで大きなプラスを出せるとも。


7(214) ニック・グッドウィン(NIck Goodwin):SS:右投右打:6-1/205:Kansas State:$236.2K($238.7K)

小柄ながらもプラスのパワーツールを有する。豪快なスイングが魅力的だが、ポイントを前にしすぎて弱い当たりが多くなり打率が伸び悩む原因になっている。ピッチセレクションも徐々に改善傾向だが、まだ三振は多い。守備ではスキルが足らずSSには残れないか。


8(244) ブレイデン・バリー(Braden Barry):OF:右投右打:6-4/190:West Virginia:$147.5K($194.6K)

スピード&パワーが持ち味のアスレチックなOF。ツボにハマった時の飛距離はかなりのものだが、拙いコンタクトスキルとピッチセレクションが足を引っ張りコンスタントにパワーをアウトプットできていない。


9(274) サム・ショウ(Sam Shaw):2B:右投左打:5-10/180:Lambrick Park SS:$282.5K($175.9K)

アンダーレーダーながらもドラフトコンバインに召集され、ソリッドなコンタクトスキルと小柄ながらも優秀な打球速度を記録し注目を集めた。身体能力に欠けており、2B/OFが収まりどころか。


10(304) ジョシュ・モレラス(Josh Mollerus):RHP:右投右打:6-3/215:Oregon:$47.5K($166.2K)

90マイル前半の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。大きく曲がるスライダーがベストピッチ。


11(234) グラント・ロジャース(Grant Rodgers):RHP:右投右打:6-7/230:McNeese State:$150K



総括

 今年は2年連続となるスリップしてきた高校生の指名となりました。高校生野手の中ではトップ2のOFの後に続く存在ではないかと見られていたので、この順位で指名できたのは幸運でしょう。スリップしてきた理由を探すとするならば、打撃に関してアップサイド頼みな点でしょうか。
 1巡目以降の野手指名ではジェイス・ボウローフェンに期待がかかります。空振りの多さは気になりますが、パワーとアームは一級品でテオスカー・ヘルナンデス(SEA)が理想像となりそうです。
 投手は今年は不調に終わったものの、スタッフはよいものを持っているフアロン・ワッツ・ブラウンのプロ入り後のバウンスバックに要注目。このところ、ネイト・ピアーソンやアレク・マノア、リッキー・ティードマンなどドラフティーの投手をトッププロスペクトにまで仕上げることはできているため、あとに続きたいところです。


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