【MLBドラフト】2023ドラフトレビューPIT編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ


1(1) ポール・スキンズ(Paul Skenes):RHP:右投右打:6-6/245:LSU:-($9.72M)

90マイル中盤の速球とスライダー、スプリッターのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。スピン量の多い4シームで空振りを奪う。アウトピッチはスプリッター。真っすぐ縦に落ちていくムービングは浮き上がる4シームと対となり効果を発揮する。スライダーのクオリティも上々。若干コマンドが甘い。野手としてもプレーしており、パワーツールに秀でる。


2(42) ミッチ・ジェブ(Mitch Jebb):SS:右投左打:6-1/185:Michigan State:-($2.05M)

コンタクトスキルに長けたスプレーヒッター。独特のスタンスから日本人のコンタクトヒッターのようなスイングを仕掛け四方八方に内野の頭を越すような打球を飛ばす。ピッチセレクションも優秀。パワーツールは平均以下で、スイングの軌道的にHRを量産とはいかないだろう。スピードは平均以上だが守備の動きはよろしくなくSSに留まるのは厳しい。


CBPB(67) ザンダー・ミュース(Zander Mueth):RHP:右投右打:6-6/205:Belleville East HS:-($1.13M)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は左右にグネグネと動くムービングを見せ、低めに集まるとゴロを誘発する。アウトピッチはスライダーはキレがよく、速球との緩急差も上手く使えている。コントロールがままならないことが多く、無駄なボールが多い。


3(73) ギャレット・フォレスター(Garret Forrester):3B:右投右打:6-1/208:Oregon State:-($990.3K)

優秀なピッチセレクションで大量に四球を選ぶことができる。ギャップに打球を落とすヒッティングツールを有しており、ハイアベレージを残せる。1Bにしてはパワーに欠けており、アップサイドも小さい。守備では1B以外にポジションはない。


4(104) カールソン・リード(Carlson Reed):RHP:右投左打:6-4/200:West Virginia:-($646.9K)

90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。フラットな軌道になりやすく、コマンドも不安定なため球速ほどバリューはない。ベストピッチは大きく横に曲がるスライダー。チェンジアップもハイクオリティ。壊滅的なコントロールを改善できなければリリーフとしても扱いにくくなるだろう。


5(140) パトリック・レイリー(Patrick Reilly):RHP:右投右打:6-3/208:Vanderbilt:-($455.6K)

90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。利き手側に食い込みながら浮き上がる速球で空振りを大量に奪う。小さく鋭く曲がるスライダーもハイクオリティ。コンスタントにストライクを稼ぐことができず、スターター適正は薄目。


6(167) ハンター・フタド(Hunter Furtado):LHP:左投右打:6-4/210:Alabama:-($351.4K)

90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。スイーパーに分類されるスライダーはハイクオリティ。3塁側に大きく倒れ込むデリバリーは不安定でコントロール/コマンドはいずれも平均以下。


7(197) ジェイデン・ウッズ(Jaden Woods):LHP:左投左打:6-2/205:Georgia:-($273.8K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。ノビのある4シームを高めに投じて空振りを奪う。球速が安定せず、最速で92マイルしか出ないことも。鋭く大きく曲がるスライダーがアウトピッチ。チェンジアップは要改善。デリバリーは安定しているが、コントロールは不安定。今年は腕の故障で登板機会が限られていた。


8(227) オースティン・ストリックランド(Austin Strickland):RHP:右投右打:6-2/210:Kentucky:-($216.9K)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速でも96マイル程度だが、低めへのコマンドは優秀。タイトなスライダーと大きく縦に割れるカーブ、サークルチェンジはいずれも空振りを奪える球種。コントロールはまとまっているため、コンスタントンに90マイル中盤の速球を投げられるようになれば化ける可能性も。


9(257) ダニー・キャリオン(Danny Carrion):RHP:右投右打:6-3/205:University of California - Davis:-($184.5K)

90マイル前半のスピン量の多い4シームと縦に割れるカーブのコンビネーションで空振りを奪うリリーフプロスペクト。


総括

 ドラフト直前に全体1位指名でLSUコンビ以外の選手を指名するとの情報が流れましたが、無事ポール・スキンズを指名。このタレントを確保できた時点で今回のドラフトは100点満点でしょう。打者としてもプレーすることになれば大谷翔平(LAA)並みのインパクトを残すタレントになる可能性を秘めています。
 2巡目以降の投手は手足の長い速球派を多く指名しました。高校生のザンダー・ミュースはもちろんのこと、カールソン・リードやハンター・フタドといったカレッジではスタッツが振るわなかったタレントも素材は一級品で化ければリターンは大きいでしょう。
 野手は小粒に終わった印象を受けます。ミッチ・ジェブとギャレット・フォレスターはいずれもコンタクトツール以外に大きな強みがなく、ポジションも限定的でメジャーに定着するには時間がかかりそうです。


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