【MLBドラフト】2023ドラフトレビューCLE編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(23) ラルフィー・ベラスケス(Ralphy Velazquez):C:右投左打:6-3/215:Huntington Beach HS:$2.5M($3.38M)

シンプルかつパワフルなスイングでハードヒットを量産する。サイズはそれほど大きくないが、しっかりとタメを作り、パワーを上手く活かすことができている。アプローチも高校生にしては成熟しており、ピッチセレクションも優秀。身体能力に欠けており、Cに残るのは厳しいか。


2(58) アレックス・クレミー(Alex Clemmy):LHP:左投左打:6-6/205:Bishop Hendricken School:$2.3M($1.4M)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。低いリリースポイントからノビのある4シームと投じる。スライダーは横変化が大きく打者の左右を問わず空振りを奪えるが、コマンドが不安定。サードピッチに欠けておりチェンジアップの向上が必要不可欠。


CBPB(62) アンドリュー・ウォルターズ(Andrew Walters):RHP:右投右打:6-4/222:Miami:$955.28K($1.27M)

90マイル中盤の速球一本でゴリ押しするリリーバー。まさしく糸を引くようなキレイな回転の4シームを果敢にゾーン内に投じて空振りを奪う。スピン量もさることながら、リリースポイントを低くしてボールが垂れずにプレートへと進む軌道を追求。たまに投げるスライダーは平凡。


3(93) C.J.ケイファス(C.J.Kayfus):1B:左投左打:6/192:Miami:$700K($725.3K)

ピッチセレクションとヒッティングツールを持ち合わせる出塁能力の高い打撃が魅力。パワーに欠けており、パワーアップに取り組んでいる。プラスのスピードは走塁で活きる。OF転向もそつなくできるとも。


4(125) クーパー・イングル(Cooper Ingle):C:右投左打:5-10/190:Clemson:$400K($526.2K)

打撃では成熟したアプローチとギャップに打球を飛ばすヒッティングスキルが持ち味。パワーツールに欠けており、シーズン2桁HRをクリアできれば御の字か。大学時代はいい意味でポジションを転々としており、Cに固定すっるよりもスーパーユーティリティとして活用した方が貢献度は高くなりそう。


4(124) クリスチャン・ナプチャク(Christian Knapczyk):SS:右投左打:5-9/165:Louisville:$385K($371K)

優秀なコンタクトスキルを武器に常にハイアベレージをマークする。スイングの軌道とコンタクト重視のアプローチのためゴロが多く、長打は極端に少ない。トップクラスのスピードで内野安打も多い。守備では2B転向が既定路線か。


6(188) トミー・ホーク(Tommy Hawke):OF:右投左打:5-8/155:Wake Forest:$295K($295K)

ベストツールのスピードを活かすために出塁することを心がけており、深いカウントまで潜り四球を狙う。典型的なスラップヒッターで長打は期待できない。走塁ではスピードを満足に活かしているが、守備ではルートランに難有りでアームも弱くLFに収まるかも。


7(218) アレックス・ムーニー(Alex Mooney):SS:右投右打:6-1/195:Duke:$1M($231.3K)

フレッシュマンからハイアベレージを残すヒッティングがベストツール。パワーポテンシャルに欠けるが、スイングを改造して長打数を増やそうと奮闘中。守備では特筆すべきツールはないが、今すぐSSから動く必要もないだろう。


8(248) ジョナ・アドビンクラ(Jonah Advincula):OF:右投左打:6-1/197:Washington State:$150K($191.1K)

プラスのスピードを活かした広いレンジをカバーする守備がベストツール。ルートランや打球反応も優秀で身体能力に依存したプレースタイルではない。打撃ではパワーレスなうえにコンタクト一辺倒なため長打は期待できない。


9(278) ジェイ・ドライバー(Jay Driver):RHP:右投右打:6-3/195:Harvard:$151K($174.3K)

90マイル中盤の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。サイドハンドに近いアングルから投じる激しく動くシンカー系の速球で右打者の内角をえぐるピッチングスタイル。小さく鋭く曲がるスライダーとの内外の出し入れで打者を翻弄する。サードピッチに欠け、スターターに回ると露骨にスピードが落ちるためリリーフとしての起用が既定路線か。



総括

 1巡目は3年ぶりとなる高校生野手を指名。見た目とポジションは18年の1巡目指名のボー・ネイラーにそっくりですが、ネイラーのようにCに留まり続けることはできないでしょう。ポジションのマイナスを補って余りある打力に注目です。
 以降の野手指名は昨年に続きパワーレスなコンタクトヒッターを大量に指名。この手のタイプの選手をかき集めているからには勝算があるのだと思いたいのですが、長打力不足のメジャーチームの後を追うかのようにマイナーでも長打欠乏になっていきそうです。ここ2年のパワーバットの供給は時間のかかるINFA頼みとなっており、下部組織からのカンフル剤にはしばらく期待できないでしょう。
 例年に比べると投手の指名は3人のみと少なくなりました。いずれも速球に高い評価を受けているタレントで、投手育成に長けているCLEであれば最低でもメジャーには到達させることができそうです。

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