【MLBドラフトレビュー】3年後...2020ドラフトレビューWSH編

目ぼしい選手を5人ピックアップして、ドラフトから3年経った選手達の活躍を見ていきます。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ
成績
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1(22).ケイド・キャバリ(Cade Cavali):RHP:右投右打:6-4/218:Oklahoma:$3.03M:$3.03M

90マイル中盤の速球とカーブ、スライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。パワーカーブ、スライダー共にアウトピッチとして高い評価を受けている。一方で、投手経験の少なさ、コントロールの悪さ、故障歴の多さといった明確な欠点もある。これをポテンシャルの高さと受け取るか、欠陥と受け取るかで評価が変わるだろう。

成績

 プロ入り後順調にステップアップしていましたが、メジャーに昇格してから暗雲が立ち込めています。
 21年のプロデビューイヤーはA+から一気にAAAまで駆け上がります。AAAでは打ち込まれましたが、パワフルな速球とカーブのコンビネーションの評価は高く各媒体のプロスペクトランキングでもトップ50にランクインしました。
 22年は前年苦戦したAAAで好投を続け、8月にはメジャーデビューを果たしました。しかし、ここが茨の道のスタート地点となりました。
 デビュー戦で打ち込まれると、肩の故障でシーズンアウト。復活を期した23年はスプリングトレーニングの試合中に肘の靭帯を損傷し、トミー・ジョンを手術を受けることとなり再度シーズンアウトとなりました。
 リハビリが順調に進んでいれば24年のどこかのタイミングで復帰することになりそうですが、肩と肘の大きい故障を経て最大の武器である100マイル近い速球が復帰後も投げられるかが心配されます。



2(55).コール・ヘンリー(Cole Henry):RHP:右投右打:6-4/205:LSU:$2M:$1.31M

90マイル中盤の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。高校時代もトッププロスペクトとして注目されていたが、故障でスリップし大学に進学。速球は最速で96マイルをマーク。4シームと2シームを状況に応じて投げ分けている。タイミングを外す緩いカーブがアウトピッチ。チェンジアップのクオリティもまずまず。父親は元マイナーリーガーで、幼い頃から英才教育を受けてきた。

成績

 アマチュア時代からの耐久性の低さはプロ入り後も変わらず、3シーズン合計で112イニングしか投げていません。
 毎年のように長期離脱しており、22年には胸郭部出口症候群を発症してしまい、まだメジャーデビューすら果たせていないのにキャリアの岐路に立たされています。
 23年のオフには40人ロースター入りを果たしメジャーデビューは目前に迫っていますが、1年間健康に過ごす耐久性を身につけないと戦力としてはカウントされないでしょう。


5(153).ミッチェル・パーカー(Mitchell Parker):LHP:左投左打:6-4/195:San Jacinto College North:$100K:$346.8K

90マイル前半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で94マイルをマーク。球速はまだ速くなり続けている途中であり、今後の成長に期待したい。縦に割れるカーブがアウトピッチでこのボールで三振を大量に奪う。左にしては珍しい真上から投げ下ろすデリバリー。コントロールに不安を抱えており、先発よりはリリーフ向き。

成績

 プロ入り後は3シーズン連続で100イニング以上を消化するワークホースとして活躍しています。
 球速こそ速くなりませんでしたが投げ下ろすデリバリーとエクステンションの長さを活かしてノビのある4シームを投じるコツを掴んだようで、90マイル前半の速球で空振りを奪うことに成功しています。
 大きく遅れてやってくるカーブに加えて、鋭く変化するスライダーもレパートリーに追加しておりピッチングの幅も広がりつつあります。
 ファンキーなデリバリーなためやはりコントロールは安定しませんが、22年以外は壊滅的なほどの四球は出しておらず十分スターターとして投げ続けられるでしょう。
 既に40人ロースター入りを果たしており、メジャーでもスポットで先発する機会を得ることになるでしょう。

総括

 1巡目のケイド・キャバリは当初の予想を上回るペースでマイナーを駆け上がり、メジャーにもスピード昇格を果たしましたがそこから長い休養期間に入ってしまいました。2巡目のコール・ヘンリーもシーズン50イニングを投げたことがないほど離脱を繰り返しており、上位2人が故障でほとんど稼働していません。5巡目のミッチェル・パーカーが1人気を吐いている状況です。
 とはいえ、24年は上記の3人全員が40人ロースター入りとなっており、リハビリが順調であればキャバリも復帰する予定なので悲観しすぎる必要もないでしょう。


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