【MLBドラフト】2023ドラフトレビューMIL編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(17) ブロック・ウィルケン(Brock Wilken):3B:右投右打:6-4/225:Wake Forest:$3.15M($4.02M)

パワーポテンシャルの高さなら今ドラフトトップのスラッガー。速球に滅法強く、どのコースでもHRにすることができる。一方で、変化球に弱く深いカウントまで進めることも多いため三振数は危険水準。アームは強いがスピードはなく、3B守備は平均レベル。


CBPA(33) ジョシュ・ノース(Josh Knoth):RHP:右投右打:6-1/190:Patchogue Medford HS:$2M($2.54M)

90マイル前半の速球とカーブ、スライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをカーブ。ノビのある4シームを高めに投じる。この速球と対となる縦に割れるカーブはスピン量が豊富で落差が大きく、キレもよい。スライダー、チェンジアップは要改善。コマンドはアバウト。


2(54) マイク・ブービエ(Mike Boeve):3B:右投左打:6-2/210:Nebraska-Omaha:$1.25M($1.55M)

徹底したゾーン管理と優秀なコンタクトスキルを併せ持つ。ケープコードでもまずまずの成績を残したが、マイナーカンファレンスでのプレーである点は留意しておきたい。パワーツールに欠けており、プロ入り後力負けする可能性もある。守備・走塁では存在感は薄く、LFに移るとも。


3(87) エリック・ビトンティ(Kiefer Lord):SS:右投左打:6-4/218:Aquinas HS:$1.75M($796.2K)

下半身を柔軟に使いゾーンの高低を問わずにハードヒットを飛ばすことができる。パワーポテンシャルの高さとヒッティングスキルを同居させており、打撃の穴は少ない。スピードは平均だがアームは強く、スキルも十分なため3Bには留まれるだろう。


4(119) ジェイソン・ウッドワード(Jason Woodward):RHP:右投右打:6-1/180:Florida Gulf Coast University:$247.5K($557.9K)

シーズン開幕直後にトミー・ジョン手術を受けて今年は全休。わずか3試合の登板に終わった。


5(155) ライアン・バーチャード(Ryan Birchard):RHP:右投左打:6/207:Niagara County CC:$322.5K($329.7K)

90マイル中盤の速球とスライダー、カーブのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。カッター気味のアクションを見せる。ベストピッチはカーブ。スピン量が豊富で、スピードを伴いながらも変化量が大きく空振りを奪いやすい。イニングを進むとスピードが落ちてしまいスターター向きではないかも。


6(182) クーパー・プラット(Cooper Pratt):SS:右投右打:6-4/195:Magnolia Heights HS:$1.35M($309.9K)

パワーポテンシャルの高さが魅力。サイズは申し分なくさらに筋肉をつける余地が多く残されている。打球に角度をつけるのも上手く30HRも夢ではないかも。SSに残るには大柄すぎるが、スキル/スペックともにMIFレベルにある。


7(212) テイト・クーナー(Tate Kuehner):LHP:左投左打:6-1/195:Louisville:$72.5K($242.4K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で93マイル程度だが、サイドハンドのローアングルからノビのある4シームを投じ空振りを奪う。スライダー、チェンジアップともに空振りを奪える球種だが、コマンドが悪く安定して成績を残せない。


8(242) クレイグ・ヨーホー(Craig Yoho):RHP:右投右打:6-3/225:Indiana:$10K($196.7K)

90マイル前半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。ベストピッチは落差の大きいカーブで容易に空振りを奪える球種。チェンジアップは発展途上。野手から投手に完全に転向してから間もなく、アップサイドの大きさを買う声も。


9(272) マーク・マンフレディ(Mark Manfredi):LHP:左投右打:6-4/210:Dayton:$27.5K($176.7K)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。シンカー系の速球とスライダーの出し入れで空振りを誘う。


総括

 1巡目は大学生野手という点では例年通りであるものの、コンタクトの難ありなパワーバットという点では傾向からは外れる結果となりました。ブロック・ウィルケンの規格外のパワーは既にMIL傘下のトップと言っていいでしょう。打者有利な本拠地でプレーすればHR王争いにも絡んできそうですが、一方でコンタクトスキルとポジションといった分かりやすい短所も抱えておりそのパワーを発揮させるためにはそれなりのバックアップも必要でしょう。
 その後の野手もセンターラインにこだわることなく、打力優先の指名となりました。特に高校生SSでオーバースロットとなった2人は大きな期待がかかります。いずれもSSに残るには厳しいサイズですが、その分パワーは申し分なくマイナーでのシーズン2桁HR程度は軽くクリアしてほしいタレントです。
 野手は豪華な面子となりましたが、一方でボーナスプールの調整を主に大学生投手でしたこともあって投手は小粒に終わりました。高校生投手のジョシュ・ノースに期待がかかりますが、高校生投手の中でも粗削りなため芽が出ずに終わることも覚悟する必要はあるでしょう。

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