大相撲幻想的関取名鑑【2024年版】

2023年の大相撲幻想も終了しましたので、今年の総括として大相撲幻想のptを基に名鑑を作りました。
大相撲幻想のルールは下記のURLから見ることができます。
今回名鑑に載せるのは今年の九州場所で十両以上だった力士のみとします。そのため、pt数の順位が今回紹介する力士の数より低くなっている場合もありますがご了承ください。
ちなみに、今年十両以上の番付に名前を連ねた力士の総数は86人だったので、順位は86人中のものとなります。
力士の番付は九州場所のものを採用しています。

凡例

番付 四股名(年齢)
今場所の番付遍歴
年間pt合計(順位)
pt内訳(順位)
総評

幕内

横綱 照ノ富士(32歳)

番付遍歴:横綱(初)-横綱(大阪)-横綱(夏)-横綱(名古屋)-横綱(秋)-横綱(九州)
年間合計:58pt(63位)
pt内訳:基本15pt(71位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀32pt(63位)/連勝0pt(17位)/三賞優勝ご祝儀5pt(17位)

 今年は初場所から膝の故障と持病の糖尿病もあって休場が続くこととなりました。5月の夏場所にようやく出場となると横綱の名に恥じぬ力強い相撲を見せ、14勝1敗の堂々たる成績で自信8度目となる幕内最高優勝を果たしました。
 夏場所で稼いだ合計56ptは今年の1場所での獲得pt数としては全体でも2位の数字でした。
 名古屋場所以降の活躍も期待されましたが2日目から連敗した後休場となり、その後は再び本場所の土俵に戻ってくることはありませんでした。
 出場すれば2桁勝利は見込め最低でも20ptは確実なのですが、いかんせん稼働率が低く5個しかない貴重な幕内の枠を出場しない力士で埋めてしまうことになります。
 来年以降の進退は不明ですが、九州場所前には腰の骨が折れていたという情報もあり満身創痍であることは間違いありません。横綱もとい力士人生はそう長くないのかもしれません。


大関 貴景勝(27歳)

番付遍歴:大関(初)-大関(大阪)-大関(夏)-大関(名古屋)-大関(秋)-大関(九州)
年間合計:117pt(22位)
pt内訳:基本43pt(28位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀51pt(33位)/連勝9pt(7位)/三賞優勝ご祝儀14pt(9位)

 気づけば既に大関の地位を5年間守り続けている名大関。今場所は大阪場所と名古屋場所の2場所で休場していたため、年間を通じての基本ptは伸び悩みました。
 ただ、幕内最高優勝を果たした初場所と秋場所は大きくpt数を稼ぎ、いずれも場所中の獲得pt数は全体3位と番付補正でptが稼げない中で立派な数字を残しました。
 今年は四つ身も稽古しているとの情報も流れましたが、本場所でその成果が見れることはなく突き押しと叩きの一辺倒となりました。そのため、珍決まり手ptからの供給は皆無。
 貴景勝の四つ相撲がどんなものか見てみたいのですが、腕が他の力士よりも短いようにも見えるので回しを掴むのに苦労しそうです。


大関 霧島(27歳)

番付遍歴:小結(初)-関脇(大阪)-関脇(夏)-大関(名古屋)-大関(秋)-大関(九州)
年間合計:214pt(1位)
pt内訳:基本62pt(1位)/番付補正6pt(19位)/ご祝儀88pt(3位)/連勝12pt(5位)/三賞優勝ご祝儀46pt(1位)

 今年大関に昇進し、四股名も霧馬山から改名した霧島が年間合計ptの1位となりました。
 基本ptで一番稼いでいるうえに、小結・関脇時代の三賞と2度の幕内最高優勝で三賞優勝ご祝儀ptでも荒稼ぎとなりました。
 珍決まり手ptはそれほど多くありませんでしたが、秋場所は1場所で吊り出し、外掛け、すくい投げと珍決まり手を3個も披露する業師ぶりを見せました。
 番付が上がっていき厳しい取組が増えていく一方にもかかわらず6場所中4場所で2桁勝利を記録。来年は初場所から綱取りと今最も旬な力士であることは間違いないのですが、三賞からのpt供給が絶たれているので今年ほどpt数を稼げないのではないでしょうか。


大関 豊昇龍(24歳)

番付遍歴:関脇(初)-関脇(大阪)-関脇(夏)-関脇(名古屋)-大関(秋)-大関(九州)
年間合計:190pt(2位)
pt内訳:基本59pt(5位)/番付補正2pt(32位)/ご祝儀101pt(2位)/連勝9pt(7位)/三賞優勝ご祝儀19pt(5位)

 偉大な叔父の番付まであと一歩のところまで来ている大関が年間合計ptで2位となりました。
 霧島同様6場所で2桁勝利を4回記録したことに加え、珍決まり手も頻発しご祝儀ptでも全体の2位につけました。送り引き落としや渡し込みといった大技や外掛けや下手投げといった細かい珍決まり手も頻発させコンスタントにご祝儀ptを稼いでいました。
 名古屋場所では幕内最高優勝と三賞に加えご祝儀ptも大きく稼ぎ65ptをマーク。これは今年1場所で稼いだpt数としては最多のものでした。
 秋場所から大関になったということもありましたが、4場所あった関脇の地位で番付補正ptを獲得できたのが1度のみと上位との対戦に未だに苦戦しているのはは不安要素。
 霧島同様三賞ご祝儀ptの供給もなくなりますが、好不調関係なく珍決まり手が出やすい点は明るい材料です。


関脇 大栄翔(30歳)

番付遍歴:前頭筆頭(初)-小結(大阪)-関脇(夏)-関脇(名古屋)-関脇(秋)-関脇(九州)
年間合計:163pt(9位)
pt内訳:基本60pt(3位)/番付補正15pt(8位)/ご祝儀72pt(9位)/連勝6pt(17位)/三賞優勝ご祝儀10pt(10位)

 大関候補と言われながらなかなか番付を上げることができていませんが、今年は初場所以外全て三役ながらも負け越しなしと進歩を見せました。
 全場所勝ち越しで2桁勝利も4回と安定して勝ち星を重ねており、基本ptは全体3位の高水準。三役ながらも上位との対戦で番狂わせを演じることが多く、全体8位となる番付補正ptも獲得しました。
 ほとんどが押し出しか突き出しの決まり手ですが、今年は突き倒しが多く決まったためご祝儀ptでも数字を伸ばすことに成功しました。
 ようやく三役でも安定して勝ち越すことができるようになっているうえに、まだまだ三賞も狙える地位にいるため来年もかなりpt数を稼げそうです。

関脇 若元春(30歳)

番付遍歴:小結(初)-小結(大阪)-関脇(夏)-関脇(名古屋)-関脇(秋)-関脇(九州)
年間合計:150pt(11位)
pt内訳:基本54pt(9位)/番付補正6pt(19位)/ご祝儀71pt(10位)/連勝9pt(7位)/三賞優勝ご祝儀10pt(10位)

 初場所から勝ち越しを続け大関昇進も期待されていましたが、九州場所で息切れ。来年は平幕からの仕切り直しとなりそうです。
 とはいえ、九州場所まで5場所連続で勝ち越していたこともあり、基本ptは全体で9位の数字をマーク。技能賞を受賞した夏場所こそ打っ棄りに切り返しと高ptの珍決まり手を見せましたが、それ以外の場所ではほとんど珍決まり手は出ず、ご祝儀ptは基本ptの高さの割にはそれほど多くありませんでした。
 来場所は平幕スタートになりそうなので番付補正からの供給が期待されますが、今年は上位からの勝ち星が3個のみと上位との対戦に不安を抱えているのも事実です。

関脇 琴ノ若(26歳)

番付遍歴:小結(初)-小結(大阪)-小結(夏)-小結(名古屋)-関脇(秋)-関脇(九州)
年間合計:173pt(6位)
pt内訳:基本56pt(7位)/番付補正14pt(11位)/ご祝儀77pt(6位)/連勝6pt(17位)/三賞優勝ご祝儀20pt(3位)

 今年は三役に完全に定着し、大関への道のりを歩きだしています。
 2桁勝利2場所に加え、全場所勝ち越しということもあって基本ptは7位につけました。1場所での最多勝利数は11勝とそれほど多くないため、勝ちまくっているイメージはありませんがこつこつとptを積み重ねていました。
 また、1年を通して三役でありながらも全場所で番付補正ptを獲得する大物キラーの一面も兼ね備えており、役力士でありながらも番付補正ptからの供給に期待できる稀有な存在です。
 土俵際での逆転の際に珍決まり手が出ることが多く、今年は土俵際のもつれの中で大技である大逆手を決めました。大技を何度も期待はできないですが、すくい投げや小手投げ、打っ棄りといった逆転技は今後もコンスタントに出してくれるのではないでしょうか。

小結 阿炎(29歳)

番付遍歴:前頭3枚目(初)-前頭2枚目(大阪)-前頭筆頭(夏)-小結(名古屋)-前頭2枚目(秋)-小結(九州)
年間合計:141pt(12位)
pt内訳:基本46pt(16位)/番付補正34pt(1位)/ご祝儀52pt(29位)/連勝9pt(7位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 昨年の九州場所に幕内最高優勝を果たし、躍進の年になるかと思われましたが、勝ち星はそれほど伸びませんでした。
 基本ptは全体で17位、負け越し2回に2桁勝利無しと伸び悩みました。一方で、小結~前頭上位の番付に留まっていたため役力士と総当たりになることが多く、そこで勝ち星を拾って番付補正ptは全体1位となりました。
 一方で、珍決まり手は滅多に出ることはなく、年間で3ptの珍決まり手が3度のみに留まりました。
 来年は平幕からスタートすることが決定的ですが、番付補正ptを狙う上では美味しい立ち位置。大きく勝ち星を伸ばせば三賞にも期待がかかります。

小結 北勝富士(31歳)

番付遍歴:前頭6枚目(初)-前頭7枚目(大阪)-前頭7枚目(夏)-前頭9枚目(名古屋)-前頭筆頭(秋)-小結(九州)
年間合計:131pt(16位)
pt内訳:基本45pt(21位)/番付補正18pt(7位)/ご祝儀52pt(29位)/連勝6pt(17位)/三賞優勝ご祝儀10pt(10位)

 前半は幕内中位で3場所連続で負け越しとじりじりと番付を下げていましたが、優勝争いを演じた名古屋場所を転機に最終的には全体16位となるpt数を稼ぎました。
 12勝した名古屋場所では三賞ご祝儀ptもあって場所中4位となる44ptを記録。秋場所は8勝とぎりぎりの勝ち越しとなりましたが、番付補正ptは13ptと場所中1位の数字でした。
 ただ、九州場所は息切れとなったのか3年ぶりの小結の番付では負け越しとなり、来年は再度平幕から出直しとなります。
 これまで上位力士に勝てず幕内上位で跳ね返されていましたが、今年は三役相手にも勝ち星を拾うことも多くあり、来年以降も番付補正ptの獲得に期待がかかります。
 頭をつけて低く押していく愚直な押し相撲のため、珍決まり手ptは期待薄でしょう。

前頭筆頭 朝乃山(29歳)

番付遍歴:十両12枚目(初)-十両筆頭(大阪)-前頭14枚目(夏)-前頭4枚目(名古屋)-前頭2枚目(秋)-前頭筆頭(九州)
年間合計:180pt(4位)
pt内訳:基本60pt(3位)/番付補正23pt(5位)/ご祝儀78pt(5位)/連勝14pt(2位)/三賞優勝ご祝儀5pt(17位)

 昨年の謹慎明けからようやく関取に復帰した今年は全体4位となるpt数を稼ぎ元大関の面目躍如となりました。
 前半は十両~幕内下位で2桁勝利を記録し基本ptと連勝ptを稼ぎ、後半は幕内上位で番付補正ptを稼いでバランスよくptを獲得していました。
 後半は休場が2回あり尻すぼみにpt数が減っていきました。出場機会を減らすことがなければ年間合計ptで全体1位となっていたかもしれません。
 いくら元大関とはいえ群雄割拠の現在の幕内では、上位で勝ち越すのがやっとの様子。十両時代のように大勝ちしてptを荒稼ぎすることは難しそうですが、番付補正ptの供給には期待できるでしょう。

前頭筆頭 宇良(31歳)

番付遍歴:前頭7枚目(初)-前頭8枚目(大阪)-前頭4枚目(夏)-前頭4枚目(名古屋)-前頭4枚目(秋)-前頭筆頭(九州)
年間合計:139pt(13位)
pt内訳:基本47pt(13位)/番付補正12pt(13位)/ご祝儀80pt(4位)/連勝0pt(52位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 当代きってのトリックスターも来年はようやく三役として土俵に上がることになります。
 6場所中3場所で負け越しましたが、負け越しを1つに留めたこともあって基本ptも大きく落ち込むことはありませんでした。連勝、三賞優勝ご祝儀は0ptに終わりましたが、ご祝儀ptで全体4位と大きくpt数を伸ばしました。
 体重を増やして突き押しを磨いていることもありかつてほど動き回ることが減りましたが、それでも肩透かしや得意のとったりをコンスタントに決めて珍決まり手によるご祝儀ptを稼いでいます。
 居反りや頭捻りなどのとんでもない大技を見せたこともあるため、来年も大きく珍決まり手ptを伸ばしそうです。

前頭2枚目 正代(32歳)

番付遍歴:関脇(初)-前頭筆頭(大阪)-小結(夏)-前頭2枚目(名古屋)-前頭3枚目(秋)-前頭2枚目(九州)
年間合計:120pt(20位)
pt内訳:基本42pt(32位)/番付補正25pt(4位)/ご祝儀53pt(27位)/連勝0pt(52位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 大関陥落となった今年は三役に留まることもできず、平幕上位が定位置になりつつあります。
 大阪場所で2桁勝利をあげましたが、6場所中で4場所負け越しと基本ptは伸び悩みました。一方で、平幕上位に留まることで全場所上位総当たりとなったこともあって、番付補正ptは全体4位の数字をマーク。6場所中3場所で7pt以上の番付補正ptをマークしており、本場所中の調子とは関係なく番付補正をptを稼げる点が魅力です。
 珍決まり手ptは3ptのものがいくつかあった程度で大勝ちしないとご祝儀ptは期待できないでしょう。 

前頭2枚目 明生(28歳)

番付遍歴:小結(初)-前頭4枚目(大阪)-前頭6枚目(夏)-前頭3枚目(名古屋)-前頭筆頭(秋)-前頭2枚目(九州)
年間合計:112pt(26位)
pt内訳:基本37pt(53位)/番付補正15pt(8位)/ご祝儀47pt(44位)/連勝3pt(32位)/三賞優勝ご祝儀10pt(10位)

 夏場所は優勝した照ノ富士から金星を奪い、敢闘賞も受賞しましたが6場所中負け越しが4場所と精彩に欠けました。
 負け越しを少なく止めることができず、2桁敗戦が3場所と黒星が非常に多くなりました。基本ptは全場所休場なく出場しつづけた関取の中ではワースト2位の少なさとなりました。
 前述の金星を含め番付補正ptは全体8位の数字をマーク。大阪場所からは毎場所番付補正ptを獲得していました。ただ、来年は初場所から上位総当たりの番付からは陥落しそうで、唯一のpt供給源も絶たれてしまいそうです。

前頭3枚目 高安(33歳)

番付遍歴:関脇(初)-前頭7枚目(大阪)-前頭2枚目(夏)-前頭7枚目(名古屋)-前頭7枚目(秋)-前頭2枚目(九州)
年間合計:117pt(22位)
pt内訳:基本41pt(38位)/番付補正13pt(12位)/ご祝儀54pt(24位)/連勝9pt(7位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 今年も終盤まで優勝争いを演じる場所がありましたが、賜杯に手が届くことはありませんでした。
 初場所と夏場所で長期休場したこともあって基本ptは全体38位となりましたが、1場所25pt以上が3場所と健康に場所を過ごせば得点源になることは間違いありません。
 上位総当たりの番付でフル出場したのは九州場所のみでしたが、それでも全体12位の番付補正ptを稼げるのはさすがは元大関といったところ。
 珍決まり手のレパートリーが多いわけではありませんが、九州場所では大技の小股掬いを決めており披露しないだけで引き出しの数は多そうです。
 序盤から連勝することが多く、ご祝儀ptに恵まれなくとも連勝ptから供給に期待できます。

前頭3枚目 翔猿(31歳)

番付遍歴:前頭筆頭(初)-小結(大阪)-前頭3枚目(夏)-前頭筆頭(名古屋)-小結(秋)-前頭3枚目(九州)
年間合計:132pt(15位)
pt内訳:基本44pt(24位)/番付補正28pt(3位)/ご祝儀57pt(20位)/連勝3pt(32位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 今年もやはり小結の番付で勝ち越すことができず、平幕へと戻ってきました。
 2桁勝利も2桁敗戦なく、勝ち越しと負け越しが3場所ずつとなり基本ptはまずまずの結果になりました。
 しかし、上位総当たりの番付で三役相手に勝つことが多く、6場所中4場所で番付補正ptが5pt以上をマーク。動き回って離れる取組もあるかと思えば、一気に中に入って瞬時に勝負を決めようとしたりと相手の十分の形にさせずに取り口を変える戦法が役力士相手にハマっているようです。
 蹴返しや下手投げなど細かい珍決まり手はコンスタントに出していますが、動きの多い力士の割には大技はあまり見せていません。

前頭4枚目 豪ノ山(25歳)

番付遍歴:十両10枚目(初)-十両6枚目(大阪)-十両筆頭(夏)-前頭13枚目(名古屋)-前頭5枚目(秋)-前頭4枚目(九州)
年間合計:165pt(7位)
pt内訳:基本61pt(2位)/番付補正15pt(8位)/ご祝儀62pt(17位)/連勝12pt(5位)/三賞優勝ご祝儀15pt(6位)

 初土俵から足掛け2年で三役を狙える地位にまで順調にステップアップしています。
 前半3場所は十両スタートでしたが、番付を上げるごとに勝ち星を増やしていき、夏場所には十両筆頭で優勝し文句なしの幕内入りを果たしました。
 幕内でも負け越すことはなく、1年間勝ちっぱなしで走り抜けました。2桁勝利が3回ということもあって基本ptは全体2位を記録。
 また、前半3場所が十両であったにもかかわらず、九州場所だけで12ptの番付補正ptを稼いで全体8位につけました。
 前述の十両優勝に加えて新入幕で2桁勝利を果たした場所での敢闘賞の受賞もあり、三賞優勝ご祝儀ptも多く稼ぎました。役力士との対戦が増える来年以降も敢闘賞、殊勲賞の受賞も視野に入っており千秋楽にボーナスを大量にもたらしてくれそうです。
 基本pt以外でもpt数を稼いでいるのに年間合計でトップ5に入れなかったのは珍決まり手ptの少なさにあります。1年間休みなく出場し、全体2位となる勝利数を重ねたにもかかわらず珍決まり手で勝ったのは1度のみと極端なほど珍決まり手が出ていません。

前頭4枚目 錦木(33歳)

番付遍歴:前頭5枚目(初)-前頭3枚目(大阪)-前頭4枚目(夏)-前頭筆頭(名古屋)-小結(秋)-前頭4枚目(九州)
年間合計:164pt(8位)
pt内訳:基本46pt(16位)/番付補正33pt(2位)/ご祝儀66pt(14位)/連勝9pt(7位)/三賞優勝ご祝儀10pt(10位)

 今年は33歳にして念願の初三役となりましたが、跳ね返されてしまいました。
 勝ち越しは3場所、2桁勝利も1場所ありましたが、基本ptは全体17位と大きく伸びませんでした。それでも、年間合計でトップ10以内に入れたのは番付補正によることろが大きいです。初場所こそ三役との対戦がなく番付補正ptは0となりましたが、以降は常に番付補正ptを獲得していました。
 特に優勝争いを演じた名古屋場所では役力士相手に6連勝をマークし、1場所で13ptの番付補正ptを稼ぎました。
 負け越した場所でも三役力士相手に最低でも1つは勝ち星を挙げており頼りになる存在です。
 派手な珍決まり手はありませんが、腕力を活かした小手投げや吊り出しなど細かい珍決まり手はコンスタントに決めてくれます。

前頭5枚目 阿武咲(27歳)

番付遍歴:前頭8枚目(初)-前頭4枚目(大阪)-前頭9枚目(夏)-前頭5枚目(名古屋)-前頭6枚目(秋)-前頭5枚目(九州)
年間合計:94pt(45位)
pt内訳:基本40pt(41位)/番付補正6pt(19位)/ご祝儀48pt(42位)/連勝0pt(52位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 勝ち越しと負け越しを繰り返しており、返り三役への道のりは険しくなっています。
 2桁勝利1場所に勝ち越しが3場所ありましたが、休場した場所も含めて5勝以下が2場所と基本ptが伸び悩みました。
 それに加えて決まりての約1/2が押し出しと珍決まり手も滅多に出ないため、基本pt以外にptの供給源がありませんでした。
 九州場所でも大きく負け越してしまったため、三役との対戦のない平幕下位へと落ちることは決定的です。ただ、下位の番付であれば大きく勝ち星を伸ばす可能性もあるので、一場所のみでのスポット起用を考えてみてもいいかもしれません。

前頭5枚目 翠富士(27歳)

番付遍歴:前頭3枚目(初)-前頭5枚目(大阪)-前頭筆頭(夏)-前頭3枚目(名古屋)-前頭9枚目(秋)-前頭5枚目(九州)
年間合計:175pt(5位)
pt内訳:基本45pt(21位)/番付補正9pt(17位)/ご祝儀107pt(1位)/連勝14pt(2位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 当初色物として見られていた肩透かしの名手も幕内上位に定着しつつあります。
 今年は2桁勝利が2場所ありましたが、負け越しも3場所あったことで基本ptは全体21位と大きく伸ばせませんでした。それでも全体5位の年間合計ptを獲得できたのは、合計ptの6割以上を占める珍決まり手によるご祝儀ptのおかげ。
 自信の頻出決まり手1位の肩透かしはもちろんのこと、巻き落としや割り出しといった大技やすくい投げや下手投げといった細かい珍決まり手を連発して全体1位となる珍決まり手ご祝儀ptを獲得しました。
 これほど多彩な技を出しているにもかかわらず今年は技能賞の受賞が0回となったのは肩透かしのし過ぎとも言われているようです。
 地味に連勝ptでも全体2位の数字をマーク。勝ちだすと続く傾向にあるので、珍決まり手以外の供給源があるのは大きな強みです。

前頭6枚目 湘南乃海(25歳)

番付遍歴:十両13枚目(初)-十両3枚目(大阪)-十両筆頭(夏)-前頭14枚目(名古屋)-前頭5枚目(秋)-前頭6枚目(九州)
年間合計:153pt(10位)
pt内訳:基本56pt(7位)/番付補正6pt(19位)/ご祝儀75pt(7位)/連勝6pt(17位)/三賞優勝ご祝儀10pt(10位)

 今年の初場所に新十両として昇格したばかりでしたが、早くも幕内に定着しています。
 十両として土俵に上がっていた前半3場所は優勝こそなかったものの、全て勝ち越し2桁勝利2場所と優秀な成績を残します。新入幕の名古屋場所では2桁勝利をマークし、敢闘賞受賞とこの時点では4場所連続で1場所25pt以上をマークしていました。
 しかし、後半2場所は幕内上位の壁にぶつかって連続で負け越しとなり、pt数をさらに伸ばすことはできませんでした。
 珍決まり手ptが頻出するわけではありませんが根が四つ相撲のため投げ技を打った時に結果として珍決まり手になることもあり、回しを捕まえて出ていく取り口の割にはご祝儀ptに恵まれています。
 技能賞はともかくまだまだ敢闘賞、殊勲賞を狙える番付にいるため再度の三賞ご祝儀ptもあり得るでしょう。

前頭6枚目 隆の勝(29歳)

番付遍歴:前頭9枚目(初)-前頭11枚目(大阪)-前頭8枚目(夏)-前頭9枚目(名古屋)-前頭4枚目(秋)-前頭6枚目(九州)
年間合計:97pt(42位)
pt内訳:基本40pt(41位)/番付補正10pt(15位)/ご祝儀44pt(48位)/連勝3pt(32位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 過去2年は三役にもたびたび名を連ねていましたが、今年は一度も返り三役を達成することなく終わってしまいました。
 今年は1点の勝ち越しが2場所のみと年間を通して本調子ではなく、最後の九州場所では右ひざを痛めて途中休場となってしまいました。なかなか役力士と対戦できる番付ではなかったにもかかわらず、少ないチャンスをものにして番付補正ptをかすめ取っていったのはさすが元関脇といったところでしょうか。
 関取の中でも屈指の珍決まり手の少なさを誇っており、不調時でも我慢して起用するのは敬遠すべきでしょう。

前頭7枚目 北青鵬(22歳)

番付遍歴:十両2枚目(初)-前頭15枚目(大阪)-前頭11枚目(夏)-前頭6枚目(名古屋)-前頭11枚目(秋)-前頭7枚目(九州)
年間合計:128pt(17位)
pt内訳:基本49pt(11位)/番付補正2pt(32位)/ご祝儀74pt(8位)/連勝3pt(32位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 身長2メートル超えの怪物も最近はがっちりと対策を練られて苦戦する場面を多く見ます。
 とはいえ、対策をされても構わず振り回してねじ伏せてしまう力強さはどの番付でも発揮されており、6場所中4場所で勝ち越し、そのうち1場所で2桁勝利をマークしています。
 立ち合いに必ず上手を求めて高確率で掴み離れる展開は皆無のため珍決まり手も出やすくなっています。大阪場所では大技の波離間投げを決めています。今後も回しを掴んだ体勢でもつれることがあれば大口の珍決まり手ptを獲得してくれそうです。

前頭7枚目 金峰山(26歳)

番付遍歴:十両5枚目(初)-前頭14枚目(大阪)-前頭5枚目(夏)-前頭10枚目(名古屋)-前頭10枚目(秋)-前頭7枚目(九州)
年間合計:137pt(14位)
pt内訳:基本50pt(10位)/番付補正4pt(24位)/ご祝儀70pt(12位)/連勝3pt(32位)/三賞優勝ご祝儀10pt(10位)

 カザフスタン出身力士では初の幕内力士となり、少しずつ番付を上げています。
 2場所で2桁勝利を記録したこともあって、基本ptは全体10位の数字となりました。夏場所は前頭5枚目で2桁敗戦を喫し、まだまだ幕内上位では通用しないかと思われました。ただ、秋場所と九州場所では勝ち越しに成功しており上位挑戦への切符を再度手にしています。
 突き押しが基本のため珍決まり手は控えめかと思いきや、意外にも取り口は豊富で下手投げや打っ棄り、吊り出しと組んでもある程度相撲を取れるところを見せています。
 今年は跳ね返されてしまった幕内上位での取組で大きく勝ち越すことができれば、また三賞を狙うこともできるでしょう。

前頭8枚目 遠藤(33歳)

番付遍歴:前頭9枚目(初)-前頭6枚目(大阪)-前頭2枚目(夏)-前頭16枚目(名古屋)-前頭10枚目(秋)-前頭8枚目(九州)
年間合計:109pt(28位)
pt内訳:基本42pt(32位)/番付補正1pt(39位)/ご祝儀63pt(15位)/連勝3pt(32位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 ベテランの域に差し掛かってきた人気者は浮き沈みの激しい年となりました。
 6場所中4場所で勝ち越し内1場所は2桁勝利も果たしましたが、負け越した2場所で合計5勝と全くptを稼げず場所ごとの差が激しくなりました。年間合計ptもほとんど勝てなかった2場所が大きく足を引っ張りなんとか100ptを上回る数字に終わりました。
 また、終盤まで優勝争いの一角にいた大阪場所では、後半役力士との対戦が多く組まれましたが1つしか勝つことができずかなりの番付補正ptを取り逃してしまいました。
 立ち合いに素早く下手を取るため下手から攻める珍決まり手も多かったですが、それに加えて今年は切り返しを2度成功させ祝儀ptは基本ptの割には多く獲得することができました。
 他に好調力士がいない間は我慢して起用してご祝儀ptが降ってくるのを待つという戦略もありでしょう。

前頭8枚目 熱海富士(21歳)

番付遍歴:十両3枚目(初)-十両8枚目(大阪)-十両8枚目(夏)-十両筆頭(名古屋)-前頭15枚目(秋)-前頭8枚目(九州)
年間合計:181pt(3位)
pt内訳:基本58pt(6位)/番付補正9pt(17位)/ご祝儀71pt(10位)/連勝18pt(1位)/三賞優勝ご祝儀25pt(3位)

 後半は全ての場所で優勝に絡み、一躍スターの仲間入りを果たしました。
 初場所はインフルエンザの感染もあって途中休場となり、翌場所も1点の勝ち越しで終わりましたが、夏場所からようやく本領発揮。立ち合いに素早く左の前回しを捕まえることを意識し始めた夏場所からは4場所連続で2桁勝利を記録し、基本ptでは全体6位の数字につけました。
 役力士との対戦は少なく当たっても負けてしまうことが多かったのですが、番付の低さが幸いして9ptの獲得に成功しています。
 5連勝を6度達成したことで、連勝ptは全体1位となりました。
 来場所は幕内上位で役力士との総当たりになることが予想されます。跳ね返されることの多かった役力士相手に、どれだけ勝ち星を拾えるかが鍵となるでしょう。

前頭9枚目 妙義龍(37歳)

番付遍歴:前頭6枚目(初)-前頭10枚目(大阪)-前頭14枚目(夏)-前頭10枚目(名古屋)-前頭13枚目(秋)-前頭9枚目(九州)
年間合計:90pt(49位)
pt内訳:基本42pt(32位)/番付補正3pt(29位)/ご祝儀42pt(51位)/連勝3pt(32位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 キャリア14年目となる大ベテランも今年はなんとか十両に落ちないようにするので精一杯でした。
 6場所中負け越しが4場所となり基本ptの数は伸びませんでした。ただ、幕尻付近に落ちると勝ち越しています。前頭14枚目で挑んだ秋場所では2桁勝利も記録しており、再度幕尻付近にまで落ちる来年の初場所は狙い目かもしれません。
 元から基本の決まり手が多い力士でしたが、今年は1年休場なしで出場しつづけて1度も珍決まり手なしに終わりご祝儀ptは0に終わりました。
 2年前には自身6度目となる技能賞を受賞しており、幕尻付近で大勝ちするようなことがあれば7度目の技能賞受賞の機運も高まるかもしれません。

前頭9枚目 御嶽海(30歳)

番付遍歴:前頭2枚目(初)-前頭3枚目(大阪)-前頭6枚目(夏)-前頭2枚目(名古屋)-前頭11枚目(秋)-前頭9枚目(九州)
年間合計:106pt(31位)
pt内訳:基本40pt(41位)/番付補正22pt(6位)/ご祝儀41pt(53位)/連勝3pt(32位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 昨年は新大関に名乗りを上げ躍進が期待されましたが、故障もあってずるずると番付を下げつつあります。
 今年は勝ち越しと負け越しの場所が半々となりましたが、2桁敗戦の場所が2場所に対し2桁勝利の場所は0と派手に負けても派手に勝つことはできず基本ptも伸び悩みました。
 それでも昔取った杵柄というものなのか、番付上位で大負けしても役力士相手に勝ち星を挙げて番付補正ptでは全体6位の数字を記録しました。
 押し出しと寄り切りが決まり手の7割を占めているため珍決まり手は期待薄。
 番付上位に戻った時は役力士相手の時だけセットする戦法を取ると臨時報酬をもたらしてくれるでしょう。

前頭10枚目 竜電(33歳)

番付遍歴:前頭5枚目(初)-前頭2枚目(大阪)-前頭10枚目(夏)-前頭15枚目(名古屋)-前頭6枚目(秋)-前頭10枚目(九州)
年間合計:111pt(27位)
pt内訳:基本42pt(32位)/番付補正10pt(15位)/ご祝儀51pt(33位)/連勝8pt(16位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 2度の十両優勝を含め1年を通して大量に勝ち星を稼いだ昨年から一転、今年は浮き沈みの激しい1年となりました。
 勝ち越し3場所かつ2桁勝利2場所を記録しましたが、2桁敗戦が2回と大きく負ける場所も作ってしまい基本ptは平凡な数字に終わりました。
 今年は番付上位で勝ち越せず、下位に戻って大きく勝ち越すということを繰り返しているため幕内上位の時の起用は要注意です。
 大きく連勝することが多く今年は10連勝によるptも稼いだため、1度勝つとしばらく起用を続けるのも手でしょう。

前頭10枚目 琴恵光(32歳)

番付遍歴:前頭13枚目(初)-前頭13枚目(大阪)-前頭12枚目(夏)-前頭11枚目(名古屋)-前頭8枚目(秋)-前頭10枚目(九州)
年間合計:98pt(40位)
pt内訳:基本38pt(50位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀54pt(24位)/連勝6pt(17位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 ここ2年半ほどはなんとか幕内に留まれるように踏ん張っていましたが、来年は久しぶりの十両での相撲から始まることになりそうです。
 勝ち越しは3場所ありましたがいずれも1点の勝ち越しに留まっており、基本ptは全体でもかなり少ない数字となりました。
 唯一の得点源と言えるのがすくい投げによる珍決まり手ptですが、それ以外の珍決まり手はほとんどなく毎日セットして賭けるほどのものではないでしょう。
 前回十両に落ちたときは2桁勝利をマークしてすぐに幕内に戻っているため、初場所に向けて十両が足りないとなった場合はレンタル的にロースターに入れてもいいかもしれません。

前頭11枚目 佐田の海(36歳)

番付遍歴:前頭4枚目(初)-前頭6枚目(大阪)-前頭8枚目(夏)-前頭8枚目(名古屋)-前頭12枚目(秋)-前頭11枚目(九州)
年間合計:86pt(50位)
pt内訳:基本40pt(41位)/番付補正4pt(24位)/ご祝儀42pt(51位)/連勝0pt(52位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 昨年は優勝争いに絡んで三賞を受賞した場所もあり存在感を放ちましたが、今年は特に目立つことなく1年を終えました。
 勝ち越したのが幕内2桁の番付になった後半の2場所のみかついずれも1点のみの勝ち越しと言うことで基本ptは下位に沈みました。
 また、今年は得意の外掛けを披露することなく終わり、珍決まり手もすくい投げの1回に留まりました。
 シンプルに勝ち星のみによる基本pt以外はほとんど期待できないため、合口のいい力士との対戦がある場合にスポット的に起用しなければ保有する旨味はそれほどないかもしれません。

前頭11枚目 平戸海(23歳)

番付遍歴:前頭10枚目(初)-前頭9枚目(大阪)-前頭9枚目(夏)-前頭5枚目(名古屋)-前頭8枚目(秋)-前頭11枚目(九州)
年間合計:103pt(32位)
pt内訳:基本44pt(24位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀56pt(21位)/連勝3pt(32位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 初めて1年を通して幕内で相撲を取ることとなりましたが、上位力士との対戦では跳ね返されてしまいました。
 前頭5枚目のとなった夏場所は役力士と幕内上位の力士相手になかなか勝ち星を掴めず2桁敗戦を喫し、仕切り直しを強いられました。それ以前にも役力士との対戦は何回かありましたがいずれも勝つことはできず、番付補正ptは0に終わりました。
 四つの形からのすくい投げで珍決まり手を稼ぐことができるため、番付下位ではコンスタントに起用するのも手でしょう。
 九州場所では好調の熱海富士や一山本相手に土をつけるなど少しずつ地力をつけてきており、来年は躍進の年になるかもしれません。

前頭12枚目 王鵬(23歳)

番付遍歴:前頭8枚目(初)-前頭15枚目(大阪)-前頭16枚目(夏)-前頭6枚目(名古屋)-前頭7枚目(秋)-前頭12枚目(九州)
年間合計:93pt(47位)
pt内訳:基本41pt(38位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀49pt(37位)/連勝3pt(32位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 同期入門の豊昇龍が大関に昇進する中なかなか番付下位から抜け出せずにいます。
 今年は一度も十両に落ちることなく幕内を全うしましたが、勝ち越しは2場所のみかつ2桁敗戦が2度と苦戦しました。
 1年に1度だけ2桁勝利して大きくptをもたらす場所があるため、好不調の見極めに成功すれば場所優勝に貢献してくれるでしょう。
 役力士との対戦がない番付にいることが多く、珍決まり手ptにも乏しいため、前半戦で勝ち星が伸びなかったらその場所はあきらめてセットを外しっぱなしにしてもいいでしょう。

前頭12枚目 玉鷲(39歳)

番付遍歴:前頭2枚目(初)-前頭筆頭(大阪)-前頭7枚目(夏)-前頭7枚目(名古屋)-前頭3枚目(秋)-前頭12枚目(九州)
年間合計:99pt(36位)
pt内訳:基本38pt(50位)/番付補正11pt(14位)/ご祝儀44pt(48位)/連勝6pt(17位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 新型コロナウイルス感染による休場以外は連続して出場し続けている鉄人もついに衰えが見え始めたのかもしれません。
 自身2度目となる幕内最高優勝を果たした昨年から一転、今年は幕内上位で2桁敗戦が2回とこれまで五分五分の戦いをしていた上位力士相手に負けが目立ってしまいました。
 それでもいくつかは役力士相手に勝ち星を拾い番付補正ptで全体14位につけているのは流石の一言に尽きます。
 今年はいつもの突き押し相撲ではなく四つ相撲が多くなるなど、迷走気味だったようにも見えます。既に引退の二文字がちらついていますが、玉鷲のことなので来年もどこかで一花咲かせるのではないかと思わずにはいられません。

前頭13枚目 宝富士(36歳)

番付遍歴:前頭16枚目(初)-前頭12枚目(大阪)-前頭10枚目(夏)-前頭15枚目(名古屋)-前頭12枚目(秋)-前頭13枚目(九州)
年間合計:95pt(44位)
pt内訳:基本43pt(28位)/番付補正3pt(29位)/ご祝儀46pt(45位)/連勝3pt(32位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 すっかり幕内下位の番人として新入幕力士の壁として立ちふさがる姿が板についています。
 今年は1年間ずっと幕内の2桁の番付で過ごしており浮き沈みの少ない年となりました。1度だけだった役力士との対戦にしっかり勝って番付補正ptをもぎとるしぶとさを見せています。
 ほとんど基本の決まり手で勝負を決しているため珍決まり手に恵まれておらず、勝ち越した場所でもなんとか20ptを超える程度のptしか稼げていません。

前頭13枚目 剣翔(32歳)

番付遍歴:前頭15枚目(初)-前頭16枚目(大阪)-前頭15枚目(夏)-前頭11枚目(名古屋)-前頭16枚目(秋)-前頭13枚目(九州)
年間合計:109pt(28位)
pt内訳:基本46pt(16位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀54pt(24位)/連勝9pt(7位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 齢32歳にしてようやく幕内で1年間相撲を取り続けることに成功しました。
 ほぼ毎場所幕尻に近い番付での取組となりましたが、勢いのある新入幕力士の荒波にも耐えきり4場所で勝ち越しに成功しています。
 珍決まり手によるご祝儀ptはほとんど期待できませんが連勝することが多く、今年は2桁勝利の場所は1度もありませんでしたが5連勝を3度記録しました。
 大相撲幻想的に見ると十両であれば2桁勝利も期待できるため、幕尻で粘られるとあまり旨味がないのが悩みどころです。

前頭14枚目 友風(29歳)

番付遍歴:幕下2枚目(初)-十両13枚目(大阪)-十両12枚目(夏)-十両9枚目(名古屋)-十両3枚目(秋)-前頭14枚目(九州)
年間合計:99pt(36位)
pt内訳:基本44pt(24位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀49pt(37位)/連勝6pt(17位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 1年間合計6場所の休場を経て、2年越しの再入幕を果たしました。
 初場所は幕下だったためptを獲得できなかったため年間合計は控え目になりましたが、十両に上がった大阪場所からは4場所連続で勝ち越しに成功。そのうち2場所で2桁勝利を記録しており、一部の全場所十両以上休場なしの力士よりも基本ptを稼ぎました。
 決まり手の75%が押し出しと叩きこみとなっており、珍決まり手はほとんど期待できないでしょう。再入幕の九州場所では負け越してしまい、幕内での取組はまだ不安があるかもしれません。

前頭14枚目 一山本(30歳)

番付遍歴:前頭14枚目(初)-前頭8枚目(大阪)-前頭15枚目(夏)-十両3枚目(名古屋)-十両7枚目(秋)-前頭14枚目(九州)
年間合計:117pt(22位)
pt内訳:基本46pt(16位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀50pt(35位)/連勝6pt(17位)/三賞優勝ご祝儀15pt(6位)

 3場所連続で4勝に留まり関取の地位も危ういかと思われましたが、秋場所から調子を上げ幕下陥落どころか再入幕で1年を締めました。
 勝ち越した場所では全て2桁勝利をマーク。特に後半の2場所では三賞優勝ご祝儀も獲得したこともあって、連続して1場所30pt以上を記録しました。
 これまでは幕尻付近からじりじりと番付を上げては跳ね返されていましたが、この2場所での取組の厳しさを見ていると十分上位でも通用しそうなので番付を上げたからといってトレードする必要はなさそうに見えます。

前頭15枚目 東白龍(27歳)

番付遍歴:十両4枚目(初)-十両筆頭(大阪)-十両2枚目(夏)十両4枚目(名古屋)-十両4枚目(秋)-前頭15枚目(九州)
年間合計:97pt(42位)
pt内訳:基本42pt(32位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀52pt(29位)/連勝3pt(32位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 十両上位の常連からようやく抜け出し新入幕も果たしましたが、おそらく1場所で再度定位置に戻ることになりそうです。
 勝ち越したのは2場所のみということもあって、それほど基本ptは伸びませんでした。土俵を目いっぱい広く使って所狭しと動き回るため派手な大技があるかと思いきや、3pt以上の珍決まり手は決めていません。ただ、1場所1回のペースで珍決まり手を決めてくれるため、コツコツと稼ぐにはもってこいです。

前頭15枚目 美ノ海(30歳)

番付遍歴:十両6枚目(初)-十両10枚目(大阪)-十両7枚目(夏)十両7枚目(名古屋)-十両5枚目(秋)-幕内15枚目(九州)
年間合計:107pt(30位)
pt内訳:基本47pt(13位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀60pt(18位)/連勝0pt(52位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 30歳にしてようやく新入幕を果たした苦労人。
 今年は6場所中4場所で勝ち越しに成功。自身初となる2桁勝利も記録し、基本ptはまずまずの数字を残しました。下手出し投げを得意としており、結構な頻度で決めていました。そのため業師という印象はそれほどないにもかかわらず、珍決まり手ptもイメージ以上に多くなっています。

前頭16枚目 狼雅(24歳)

番付遍歴:十両9枚目(初)-十両5枚目(大阪)-十両4枚目(夏)十両2枚目(名古屋)-十両筆頭(秋)-前頭16枚目(九州)
年間合計:118pt(21位)
pt内訳:基本47pt(13位)/番付補正2pt(32位)/ご祝儀63pt(17位)/連勝6pt(17位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 十両昇格後負け越しなしで新入幕を果たしましたが、2桁敗戦を喫し来年は再度十両で出直しとなります。
 新入幕の九州場所まで5場所連続で勝ち越していましたが、いずれも8勝か9勝に留まっているため基本ptはずば抜けて多くはありません。
 四つ相撲を得意としており、投げ技のセンスも高いため展開次第で様々な珍決まり手を決めることができます。まだ大技はありませんが、10ptレベルの珍決まり手を決める素地は整っています。

前頭16枚目 錦富士(27歳)

番付遍歴:前頭4枚目(初)-前頭10枚目(大阪)-前頭3枚目(夏)前頭8枚目(名古屋)-前頭13(秋)-前頭16枚目(九州)
年間合計:80pt(54位)
pt内訳:基本33pt(58位)/番付補正4pt(24位)/ご祝儀40pt(55位)/連勝3pt(32位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 昨年は十両優勝を果たし2桁勝利も4場所と躍進しましたが、一転今年は2桁敗戦が4回となり来年は再度十両からのスタートとなりそうです。
 今年は1度2桁勝利があったものの前述の通り負けが込んでおり、基本ptは1年間十両以上で休場なく出場し続けた力士の中ではワーストとなりました。
 十両ではさすがに負け越すことはないかと思いますが、再入幕となった際に起用法に悩むこととなりそうです。

前頭17枚目 北の若(23歳)

番付遍歴:十両8枚目(初)-十両11枚目(大阪)-十両10枚目(夏)十両5枚目(名古屋)-十両2枚目(秋)-前頭17枚目(九州)
年間合計:103pt(32位)
pt内訳:基本44pt(24位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀53pt(27位)/連勝6pt(17位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 1年の最後に念願の新入幕を果たしましたが、跳ね返されてしまい1場所で十両に戻ることとなりました。
 6場所中勝ち越しが4場所ありましたが、2桁敗戦の場所も2度あったため基本ptは大きく伸びませんでした。
 十両では1点のみのギリギリの勝ち越しが多く、十両に戻ったからといって大勝ちは期待できないかもしれません。
 基本の勝ち筋が回しを取って前にでる相撲のため寄り切りが多くなっていますが、上手投げも得意としているためその派生で珍決まり手もコンスタントに決めています。

十両

十両筆頭 碧山(37歳)

番付遍歴:前頭10枚目(初)-前頭9枚目(大阪)-前頭12枚目(夏)-前頭17枚目(名古屋)-前頭14枚目(秋)-十両筆頭(九州)
年間合計:102pt(34位)
pt内訳:基本41pt(38位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀55pt(23位)/連勝6pt(17位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 長らく幕尻付近の番付でも踏ん張って幕内の地位を保っていましたが、今年はついに十両に陥落。それでも1場所で再入幕を果たすことになりそうです。
 今年は勝ち越しと負け越しが半々でしたが、2桁敗戦が2場所に対して2桁勝利は0回となり大きく基本ptは落ち込みました。
 それでも得意の小手投げを中心にコツコツと珍決まり手ptを稼ぎ、珍決まり手のご祝儀ptは基本ptの割には多く稼ぎました。
 既に37歳と若くなく、今年引退した同部屋だった栃ノ心の後を追って引退する時も近づいています。

十両筆頭 琴勝峰(24歳)

番付遍歴:前頭13枚目(初)-前頭5枚目(大阪)-前頭5枚目(夏)-前頭13枚目(名古屋)-前頭14枚目(秋)-十両筆頭(九州)
年間合計:128pt(17位)
pt内訳:基本43pt(28位)/番付補正5pt(23位)/ご祝儀56pt(21位)/連勝9pt(7位)/三賞優勝ご祝儀15pt(6位)

 幕内での初の2桁勝利に始まり4場所連続で負け越して十両陥落後に優勝を果たすジェットコースターのような1年となりました。
 4場所連続負け越しがあったものの勝ち越した場所はいずれも2桁勝利とということもあって、基本ptはそれほど落ち込みませんでした。勝ち越した2場所はいずれも35pt以上と高得点をもたらしてくれています。
 勝ち越した2場所で三賞優勝ご祝儀ptも獲得しており、年間合計ptは上位に名前を連ねることとなりました。
 すくい投げを中心に珍決まり手ptもところどころで拾っています。
 大負けする場所もありますが、調子のいい場所を見極められれば場所優勝に貢献してくれるでしょう。

十両2枚目 武将山(28歳)

番付遍歴:十両筆頭(初)-前頭14枚目(大阪)-十両3枚目(夏)-前頭16枚目(名古屋)-十両5枚目(秋)-十両2枚目(九州)
年間合計:98pt(40位)
pt内訳:基本46pt(16位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀48pt(42位)/連勝0pt(52位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 今年は2場所幕内力士として相撲を取りましたが、いずれの場所も2桁敗戦で跳ね返されてしまいました。
 幕内では2度2桁敗戦がありましたが、勝ち越し4場所、2桁勝利2場所あったため基本ptは上位につけました。
 一方で、珍決まり手が1度しかなかったためご祝儀ptでのptの供給はほぼ0。年間合計ptが100ptに届かない主たる原因となりました。
 来年は初場所から2度目の再入幕が濃厚となりましたが、積極的に起用するのは避けた方がいいかもしれません。

十両2枚目 島津海(27歳)

番付遍歴:十両11枚目(初)-十両7枚目(大阪)-十両6枚目(夏)-十両3枚目(名古屋)-十両6枚目(秋)-十両2枚目(九州)
年間合計:124pt(19位)
pt内訳:基本48pt(12位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀67pt(13位)/連勝9pt(7位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 組めば無類の強さを発揮する実力者も来年はついに幕内で相撲を取る年となりそうです。
 6場所中5場所で勝ち越したこともあって基本ptでも上位につけましたが、それ以上に目立つのが珍決まり手によるご祝儀ptの多さ。後ろもたれの大技に加えて、コンスタントに出る下手投げでpt数を伸ばしました。
 連勝癖もあり基本pt以外の供給源がしっかりと機能している点が最大の強みでしょう。

十両3枚目 輝(29歳)

番付遍歴:前頭12枚目(初)-前頭12枚目(大阪)-前頭17枚目(夏)-十両筆頭(名古屋)-前頭16枚目(秋)-十両3枚目(九州)
年間合計:77pt(56位)
pt内訳:基本38pt(50位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀39pt(56位)/連勝0pt(52位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 若して幕内力士となった人気者ですが、ついに十両でも勝ち越すことができなくっています。
 今年は6場所中5場所で負け越したため、基本ptは下から数えた方が早くなっています。1度目の十両陥落はすぐに勝ち越して再入幕となりましたが、2度目の十両陥落では2桁敗戦を喫しており、幕内から遠ざかるばかりです。
 決まり手も突き押しか引き技しか引き出しがないため、珍決まり手ptによるご祝儀は皆無。
 保有していてもあまり旨味はないでしょう。

十両3枚目 欧勝馬(26歳)

番付遍歴:十両3枚目(初)-十両4枚目(大阪)-十両4枚目(夏)-十両4枚目(名古屋)-十両4枚目(秋)-十両3枚目(九州)
年間合計:102pt(34位)
pt内訳:基本43pt(28位)/番付補正4pt(24位)/ご祝儀52pt(29位)/連勝3pt(32位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 昨年は幕下と十両で1度ずつ優勝し今年中の新入幕も予想されていましたが、十両で足踏みを続けています。
 今年は6場所中4場所で負け越し。いずれも大きく負け越してはいないため基本ptはそれほど少なくなりませんでした。幕内力士との対戦では勝ち星を拾っており、幕内で相撲を取る実力は有していることに間違いありませんが安定感に欠けています。
 ご祝儀ptはぼちぼちといったところで、大技で一発逆転は難しいですがたまに珍決まり手でptを拾ってくれます。
 部屋内での暴力報道もあり土俵外のスキャンダルで出場できなくなるリスクを抱えています。

十両4枚目 大奄美(31歳)

番付遍歴:十両2枚目(初)-十両6枚目(大阪)-十両9枚目(夏)-十両9枚目(名古屋)-十両2枚目(秋)-十両2枚目(九州)
年間合計:99pt(36位)
pt内訳:基本45pt(21位)/番付補正2pt(32位)/ご祝儀49pt(37位)/連勝3pt(32位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 今年は関取昇格後初めて十両で1年を過ごすこととなりました。
 今年は前半が不調で初場所から3場所連続負け越しとなりましたが、名古屋場所に2桁勝利を挙げると九州場所でも勝ち越しに成功し後半は盛り返しました。
 ごくたまに回しを掴んでの投げ技も見せますが、基本的には相手の懐の中に入って寄っていくスタイルのため珍決まり手によるご祝儀はほとんど期待できません。
 このところは幕内昇格前の十両の番付上位でも苦戦しているため、来年も前半はなかなか勝てない場所が続くかもしれません。

十両4枚目 水戸龍(29歳) 

番付遍歴:前頭15枚目(初)-前頭17枚目(大阪)-前頭16枚目(夏)-十両2枚目(名古屋)-十両3枚目(秋)-十両4枚目(九州)
年間合計:94pt(45位)
pt内訳:基本42pt(32位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀49pt(37位)/連勝3pt(32位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 見た目からは想像できない190cm超の身長の大型力士。
 今年は再入幕となった幕内でのスタートとなりましたが、3場所で十両に陥落。十両陥落後も2場所連続で負け越しと苦しみましたが、締めくくりの九州場所でようやく勝ち越しに成功しました。
 前述の大奄美同様珍決まり手の引き出しは少なく、ご祝儀ptは期待できないでしょう。

十両5枚目 大の里(23歳)

番付遍歴:幕下10枚目(夏)-幕下3枚目(名古屋)-十両14枚目(秋)-十両5枚目(九州)
年間合計:53pt(66位)
pt内訳:基本24pt(63位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀23pt(68位)/連勝6pt(17位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 今年の大相撲を騒がせた2人の怪物の内の1人。
 学生横綱や世界大会優勝といった数々の実績を引っさげ大相撲界に乗り込み所要2場所で十両に昇進。十両でも2場所連続で12勝を記録し、またしても所要2場所で新入幕となることが濃厚です。
 圧倒的なパワーで立ち合いから相手を吹っ飛ばしてそのまま土俵を割らせる相撲がほとんどのため、珍決まり手は0回。ptの供給源は基本ptと連勝ptにかかっています。
 勝ち星の数は立派ですが十両での2場所ともあと一歩のところで優勝を逃しており、ここぞというところでの勝負弱さは気になるところ。勝ち急いで不用意に前に出てしまう癖を修正できるかが鍵です。

十両5枚目 獅司(26歳)

番付遍歴:幕下20枚目(初)-幕下12枚目(大阪)-幕下2枚目(夏)-十両12枚目(名古屋)-十両8枚目(秋)-十両5枚目(九州)
年間合計:56pt(65位)
pt内訳:基本24pt(63位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀32pt(63位)/連勝0pt(52位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 ウクライナ出身の力士としては初となる十両昇進を果たした躍進の1年となりました。
 十両昇格後の3場所では勝ち越し2場所とまずまずの成績。1年間勝ちっぱなしとはいきませんでしたが、初の十両で大きく負け越すことなく過ごせたのは大きな収穫でしょう。
 回しを取って頭をつけて出ていくスタイルが基本ですが、強力な腕力で打つ投げ技も強力で珍決まり手にも期待できます。
 来年は新入幕も視野に入っており、三賞ご祝儀も狙えるでしょう。

十両6枚目 千代翔馬(32歳)

番付遍歴:前頭11枚目(初)-前頭16枚目(大阪)-前頭13枚目(夏)-前頭12枚目(名古屋)-前頭15枚目(秋)-十両6枚目(九州)
年間合計:99pt(36位)
pt内訳:基本39pt(47位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀60pt(18位)/連勝0pt(52位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 長く幕尻付近で踏ん張っていましたが、今年は3年ぶりの十両陥落となりました。
 6場所中3場所で勝ち越していますが、2場所で2桁敗戦を喫しており基本ptは落ち込みました。
 一方で、動き回って何をしてくるのか分からない取り口は健在で珍決まり手によるご祝儀ptは上位につけることとなりました。大技こそなかったもののかなりの頻度で珍決まり手を決めています。
 幕内ではどこで勝ち星を拾うか読みづらいため起用法に頭を痛めますが、強制起用の十両なら珍決まり手を寝て待つことができるため貴重な得点源となりそうです。

十両6枚目 伯桜鵬(20歳)

番付遍歴:幕下15枚目(初)-十両14枚目(大阪)-十両8枚目(夏)-前頭17(名古屋)-前頭9枚目(秋)-十両6枚目(九州)
年間合計:115pt(25位)
pt内訳:基本35pt(54位)/番付補正3pt(29位)/ご祝儀43pt(50位)/連勝14pt(2位)/三賞優勝ご祝儀20pt(3位)

 大の里よりも一歩早く大相撲を騒がせた怪物。
 戦後初となる所要1場所での十両昇進を果たすと、留まるところを知らず十両・幕内の3場所でいずれも2桁勝利をマーク。このまま伯桜鵬の時代が来ると思われましたが、左肩の故障が悪化し秋場所からは1日も出場することなく休場となりました。
 大相撲幻想では十両以上で出場した3場所のみでのpt計算となりましたが、それでも獲得pt数は3桁となりました。
 珍決まり手によるご祝儀はそれほど伸びませんでしたが、全体2位の連勝ptに加え1場所で2つの三賞を受賞したこともあって少ない出場機会でかなりのptを稼ぎました。
 来年の初場所に幕下から復帰予定ですが、出場さえすればpt数を稼いでくることは間違いなく1場所ptが入らなくとも再度3桁超えのpt数をもたらしてくれるでしょう。

十両7枚目 大翔鵬(29歳)

番付遍歴:十両6枚目(初)-前頭13枚目(大阪)-前頭11枚目(夏)-前頭14枚目(名古屋)-前頭17枚目(秋)-十両7枚目(九州)
年間合計:93pt(47位)
pt内訳:基本40pt(41位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀50pt(35位)/連勝3pt(32位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 今年は出だしは好調でしたが、一度負け越してからはずるずると負け続けてしまいました。
 序盤2場所はいずれも勝ち越し、1場所は2桁といいスタートダッシュを切りましたが、夏場所からは初日から連敗しそのまま持ち直せずに終わるといったパワーンが続きました。
 十両陥落となった九州場所でも2桁敗戦とらしくない相撲が続き基本ptは落ち込みました。
 極め出しとすくい投げをコンスタントに決めてくれるため珍決まり手には事欠きません。

十両7枚目 玉正鳳(30歳)

番付遍歴:幕下筆頭(初)-十両13枚目(大阪)-十両11枚目(夏)-十両5枚目(名古屋)-十両筆頭(秋)-十両7枚目(九州)
年間合計:83pt(53位)
pt内訳:基本40pt(41位)/番付補正2pt(32位)/ご祝儀41pt(53位)/連勝0pt(52位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 昨年朝乃山を破って幕下優勝を果たし話題になり、今年は十両に定着しました。
 十両昇格後は5場所中4場所で勝ち越しに成功。筆頭で迎えた秋場所こそ新入幕がちらついたのか負け越してしまいましたが、十両で安定して勝つことができています。来年は再度新入幕挑戦の年となりますが、後半には幕内に昇格しているのではないでしょうか。
 突き押しとそこから派生する引き技がほとんどのため、珍決まり手は全くと言っていいほど期待できません。

十両8枚目 千代丸(32歳)

番付遍歴:前頭16枚目(初)-十両4枚目(大阪)-十両10枚目(夏)-十両11枚目(名古屋)-十両10枚目(秋)-十両8枚目(九州)
年間合計:72pt(36位)
pt内訳:基本34pt(55位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀38pt(58位)/連勝0pt(52位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 前半の不調から徐々に持ち直してきたところで、故障で休場となり来年は幕下陥落もやむなしとなってしまいました。
 前半は3場所連続負け越しに加え2桁敗戦2回であり、前述の通り九州場所で土俵外に落ちたときに肩を痛めて休場となってしまったため基本ptは大きく落ち込みました。
 珍決まり手で稼ぐタイプでもないため、年間合計ptも下位に沈むこととなりました。

十両8枚目 時疾風(28歳)

番付遍歴:幕下6枚目(初)-幕下3枚目(大阪)-十両14枚目(夏)-幕下筆頭(名古屋)-十両11枚目(秋)-十両8枚目(九州)
年間合計:52pt(67位)
pt内訳:基本22pt(66位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀30pt(65位)/連勝0pt(52位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 新十両から1場所で幕下陥落となりましたが、その悔しさをバネに幕下優勝を果たし再度十両昇格を果たしました。
 3場所あった十両では新十両の場所以外は勝ち越していますが、いずれも1点の勝ち越しのみのため基本ptはそれほど伸びませんでした。
 小柄な体で相手の中にもぐって出ていくスタイルですが、その過程で下手を取って投げを打つこともあり珍決まり手もぽつぽつと決めています。

十両9枚目 高橋(24歳)

番付遍歴:幕下54枚目(初)-幕下33枚目(大阪)-幕下13枚目(夏)-幕下4枚目(名古屋)-十両12枚目(秋)-十両9枚目(九州)
年間合計:34pt(72位)
pt内訳:基本16pt(67位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀18pt(71位)/連勝0pt(52位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 入門以来負け越しがなく、十両昇進後も勝ち越しを続けています。
 十両では勝ち越してはいるものの2場所とも1点のみに留まっており、大量にptを稼ぐにまでは至っていません。
 突きをまともに受けてしまうため、突き押しを得意とする力士を苦手としているようです。
 大きくptは稼げなくとも確実に1場所15pt以上は稼いでくれる安定感はありそうです。

十両9枚目 貴健斗(27歳)

番付遍歴:十両12枚目(初)-十両12枚目(大阪)-十両7枚目(夏)-十両8枚目(名古屋)-十両9枚目(秋)-十両9枚目(九州)
年間合計:78pt(55位)
pt内訳:基本39pt(47位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀39pt(56位)/連勝0pt(52位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 なかなか十両の壁を破れないでいる内に再度幕下へと陥落することになりそうです。
 今場所は大阪場所で2桁勝利を記録しましたが、それ以外の5場所で負け越し。最後の九州場所は12敗と大きく負け越してしまったため、幕下陥落もやむなしでしょう。
 頭を低くして当たっていく押し相撲ですが、押し込んでも相手にいなされてしまい途中までは優勢だった相撲をよく見ます。
 これで初めての十両昇進後3度目の幕下陥落が濃厚ですが、過去2回はすぐ戻っているので今回もそれほど間を置かず戻ってくるでしょう。ただ、その後安定して勝ち越す見通しが薄いのが難点です。

十両10枚目 天空海(33歳)

番付遍歴:十両筆頭(初)-十両7枚目(大阪)-十両5枚目(夏)-十両8枚目(名古屋)-十両9枚目(秋)-十両10枚目(九州)
年間合計:86pt(50位)
pt内訳:基本34pt(55位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀49pt(37位)/連勝3pt(32位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 幕内復帰をかける年が一転、幕下陥落の危機となっています。
 今年は十両筆頭の番付で始まりましたが、2桁敗戦が3場所もありみるみるうちに番付を下げていきました。
 そのため、基本ptは大きく落ち込みましたが、得意の掛け投げを多く決めたため珍決まり手によるご祝儀ptはまずまずの数字を残しました。ただ、すぐに掛け投げを狙おうとする姿勢が負けを呼び込んでいるとも言われており、実際唯一勝ち越した場所は掛け投げは決めていませんでした。

十両10枚目 天照鵬(21歳)

番付遍歴:幕下13枚目(初)-幕下8枚目(大阪)-幕下6枚目(夏)-幕下3枚目(名古屋)-十両14枚目(秋)-十両10枚目(九州)
年間合計:28pt(73位)
pt内訳:基本13pt(73位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀15pt(72位)/連勝0pt(52位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 入門以来ずっと勝ち越してきていましたが、十両10枚目でついに初の負け越しとなってしまいました。
 十両では負け始めるとなかなか連敗が止められず、勝ち星が伸びませんでした。正直に真っすぐ突っ込んでいくため変化に全く対応できなかったり、相手に差されると上手を掴むわけでもなくそのまま寄り切られたりと、真っすぐ押す以外の戦略を見つける必要があるように見えます。

十両11枚目 日翔志(26歳)

番付遍歴:幕下8枚目(初)-幕下14枚目(大阪)-幕下8枚目(夏)-幕下9枚目(名古屋)-幕下3枚目(秋)-十両11枚目(九州)
年間合計:6pt(85位)
pt内訳:基本2pt(85位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀4pt(82位)/連勝0pt(52位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 念願の十両昇進を果たしましたが、序盤で故障してしまい再度幕内に戻ることになりそうです。
 新十両の九州場所で2日目に右足首を痛めてしまい、休場かと思われましたが無理を押して強行出場で15日間相撲を取り切りました。
 そんな状態で2勝を挙げたのは見事でしたが、大きく負け越してしまい幕下陥落は確実でしょう。
 首の大怪我から復帰した過去もあるため、今回の足首の怪我からも復活を果たしてくれることでしょう。

十両11枚目 英乃海(34歳)

番付遍歴:十両9枚目(初)-十両8枚目(大阪)-十両11枚目(夏)-十両12枚目(名古屋)-幕下2枚目(秋)-十両11枚目(九州)
年間合計:76pt(57位)
pt内訳:基本30pt(60位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀46pt(45位)/連勝0pt(52位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 今年は自身9年ぶりとなる幕下陥落も経験したベテラン力士。
 昨年の初場所の全休が祟って十両に陥落して以降なかなか十両から抜け出せずにいます。今年も勝ち越したのが初場所と幕下の場所のみと厳しい結果となり、基本ptも下から数えた方が早いほどしか稼げませんでした。
 不運だったのは序盤好調だった九州場所で休場を挟んだことで負け越しとなってしまったことでしょう。
 ベテランらしく技は多彩で、珍決まり手によるご祝儀ptは多くなっています。

十両12枚目 志摩ノ海(34歳)

番付遍歴:十両8枚目(初)-十両11枚目(大阪)-十両13枚目(夏)-十両10枚目(名古屋)-十両12枚目(秋)-十両12枚目(九州)
年間合計:85pt(52位)
pt内訳:基本39pt(47位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀46pt(45位)/連勝0pt(52位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 昨年の夏場所から負け越しを続けそのまま幕下にまで落ちるかとも思われましたが、なんとか十両の地位を保ち続けています。
 今年は昨年からの負け越しを止めた場所も含めて2場所で勝ち越しに成功しましたが、それでも3場所で2桁敗戦ということもあって基本ptは落ち込みました。
 おっつけて相手の体勢を崩してから攻める取り口のため珍決まり手は基本的に少な目。1年ほど続いた絶不調期は脱しているようで、来年のバウンスバックに期待がかかります。

十両12枚目 紫雷(31歳)

番付遍歴:幕下4枚目(初)-幕下6枚目(大阪)-幕下筆頭(夏)-十両13枚目(名古屋)-十両11枚目(秋)-十両12枚目(九州)
年間合計:60pt(61位)
pt内訳:基本23pt(65位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀34pt(60位)/連勝3pt(32位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 昨年新十両の場所で全休となって以来1年半ぶりに十両の舞台に戻ってきました。
 十両で3場所中2場所で勝ち越し基本ptは上々の数字となりました。腕力の強さを活かした強烈な投げに加え、吊り技も披露することもあるため珍決まり手ptは事欠きません。

十両13枚目 勇磨(25歳)

番付遍歴:幕下12枚目(初)-幕下9枚目(大阪)-幕下5枚目(夏)-十両14枚目(名古屋)-幕下筆頭(秋)-十両13枚目(九州)
年間合計:28pt(73位)
pt内訳:基本13pt(73位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀15pt(72位)/連勝3pt(52位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 今年は2場所十両での土俵となりましたが、いずれも負け越してしまい壁を破れずにいます。
 珍決まり手の多さが魅力の力士ですが、十両では何かを仕掛ける前に相手に押されて土俵を割ってしまい勝ち星を拾えていません。
 九州場所は負け越しを1点に留めたため来年の初場所も十両で相撲を取ることになりそうです。珍決まり手に期待できる力士なだけに地道に勝ち越しを続けてくれれば、年間の合計ptでは上位に食い込むかもしれません。

十両13枚目 朝紅龍(25歳)

番付遍歴:幕下筆頭(初)-幕下7枚目(大阪)-幕下11枚目(夏)-幕下5枚目(名古屋)-十両13枚目(秋)-十両13枚目(九州)
年間合計:38pt(70位)
pt内訳:基本16pt(67位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀22pt(69位)/連勝0pt(52位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 今年の序盤は負け越しが続きあと一歩だった新十両から遠ざかりましたが、後半に盛り返して新十両の夢を叶えました。
 十両では2場所目にして初の勝ち越し。幕内経験者にも土をつけており、十両上位になっても勝ち越しに期待できそうです。幕下での2場所は大の里に2連勝しており大の里キラーになるかと思われましたが、十両では2連敗と幕下でのリベンジを果たされてしまいました。
 狙って決めるような技ではなさそうな送り倒しを得意としており、シンプルな取り口の割には珍決まり手ptを稼いでくれます。

十両14枚目 千代栄(33歳)

番付遍歴:十両11枚目(初)-幕下2枚目(大阪)-十両12枚目(夏)-十両10枚目(名古屋)-十両8枚目(秋)-十両14枚目(九州)
年間合計:65pt(60位)
pt内訳:基本32pt(59位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀33pt(62位)/連勝0pt(52位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 引き技の名手もすっかり十両下位に定着しつつあります。
 今年は十両5場所で勝ち越しが2場所ありますがいずれも1点のみ。逆に2桁敗戦は2場所あったため基本ptは伸びませんでした。
 ほぼ突き落としか叩きこみで勝っているため、珍決まり手ptも薄目。十両3枠目が空いていて、番付も下位に留まっているようなら最低限の基本pt狙いで保有もありでしょう。

十両14枚目 東龍(36歳)

番付遍歴:前頭14枚目(初)-前頭11枚目(大阪)-十両2枚目(夏)-十両6枚目(名古屋)-十両6枚目(秋)-十両14枚目(九州)
年間合計:60pt(61位)
pt内訳:基本25pt(61位)/番付補正0pt(40位)/ご祝儀35pt(59位)/連勝0pt(52位)/三賞優勝ご祝儀0pt(20位)

 今年は新入幕以来足掛け9年で初の幕内勝ち越しも達成しましたが、その後は負けが続き右肩下がりの1年となってしまいました。
 幕内で勝ち越した初場所以外は全て負け越し、九州場所の全休も含めると2桁敗戦は4回となり基本ptは低くなりました。
 百戦錬磨のベテランらしく勝つ時は珍決まり手が多かったのですが、そもそも披露するチャンスが少なく焼石に水となっていました。
 十両の後がない番付での全休となったため、幕下の下の方まで番付が下がるのもやむを得ないでしょう。年齢が年齢なだけに再度十両に戻ってくるのは難しいかもしれません。


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