【MLBドラフト】2023ドラフトレビューBAL編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(17) エンリケ・ブラッドフィールドJr(Enrique Bradfield Jr):OF:左投左打:6-1/190:Vanderbilt:$4.17M($4.17M)

今ドラフトどころかメジャーでもトップクラスのスピードが最大の武器。優秀なピッチセレクションとコンタクトスキルが合わさり高出塁率を実現。出塁すれば二塁、三塁、本塁さえも陥れることができる。パワーは平均以下だが長打を狙う姿勢を見せつつある。広範囲をカバーする守備も魅力。


2(53) マック・ホーバス(Mac Horvath):3B:右投右打:6-1/195:North Carolina:$1.4M($1.58M)

高校時代からパワフルかつコンパクトになったスイングでコンスタントに長打を飛ばすことができる。慎重すぎるアプローチのためカウントを悪くしてしまうこと多い。守備ではアームの強さが光るが、IFに残れるかは微妙なところ。


CBPB(63) ジャクソン・ボウマイスター(Jackson Baumeister):RHP:右投右打:6-4/224:Florida State:$1.61M($1.24M)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマークするがコンスタントには出ない。落差の大きいスピードを殺したカーブ、鋭く曲がるスライダー、利き手と逆方向に沈むチェンジアップはいずれもハイクオリティながらも不安定。コントロールは悪くないため、変化球の投げ損ないを減らせば大きく跳ねる可能性も。


3(86) キーファー・ロード(Kiefer Lord):RHP:右投両打:6-3/195:Washington:$760K($808.2K)

90マイル中盤の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で99マイルをマーク。ノビのある4シームを果敢にゾーン内に投げ込む。落差のある縦のカーブがアウトピッチ。チェンジアップの扱いも上手い。コントロールに不安に抱えていたが、克服しつつある。ダイナミックなデリバリーはリリーフリスクを抱える。


3(100) タビアン・ジョセンバーガー(Tavian Josenberger):OF:右投両打:6/185:Arkansas:$603K($671.8K)

高めの速球に上手く対応できるヒッティングスキルが持ち味。パワーツールは難有りだが、徐々に改善されつつある。元々はIFだったがスピードを活かすためにOFへ転向。アームは弱いが、広いレンジをカバーできる点は魅力。


4(118) リバイ・ウェルズ(Levi Wells):RHP:右投右打:6-2/216:Texas State:$500K($563.6K)

90マイル中盤の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。4シーム系の速球高めに投じて空振りを奪う。縦に割れるカーブと小さく鋭く曲がるスライダーはいずれもアウトピッチとして優秀。チェンジアップは発展途上。コントロールは改善の一途をたどり今では平均レベルにまで矯正された。


5(154) ジェイク・カニンガム(Jake Cunningham):OF:右投右打:6-4/205:UNC Charlotte:$375K($396.7K)

ベストツールのスピードを活かし、守備と走塁で存在感を発揮。スピードだけに頼らないクレバーな一面も見せる。打撃ではパワーポテンシャルの高さを見せるが、空振りの多さが気になるところ。


6(181) ジェイコブ・クラビー(Jacob Cravey):RHP:右投左打:6-6/215:Samford University:$300K($312.3K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。ノビのある4シームを高めに投じて空振りを誘う。縦に落ちるスライダーをアウトピッチとして使い、奪三振能力は高い。チェンジアップは要改善。コントロールは年々改善されており、球速とサードピッチを安定さればスターターとしてメジャーに定着できるかも。


7(211) テディ・シャーキー(Teddy Sharkey)RHP:右投右打:6/195:Coastal Carolina:$215K($244.4K)

90マイル中盤の速球とスライダー、カーブのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。ノビのある4シームを高めに投じてアウトピッチとして使うことも多い。縦に割れるカーブもハイクオリティでゾーン内外を問わず空振りを奪える。小さく曲がるスライダーも織り交ぜ打者の狙いを外すことも。ブルドッグメンタルはクローザー向き。


8(241) ブラクストン・ブラッグ(Braxton Bragg):RHP:右投右打:6-2/207:Dallas Baptist:$100K($197.8K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。シンカー系の速球をゾーン内に投げ込んで打ち損じを誘うピッチングスタイル。


総括

 1巡目は従前の方針に戻り大学生の野手を指名となりました。エンリケ・ブラッドフィールドJrのスピードは大きな魅力ですが、コンタクトヒッターの割にカレッジ最終年で打率.300を大きく下回った点は大きな不安材料です。下位指名でアップサイドの大きい高校生を狙う訳でもなく、フルスロットの契約金を用意したのは不可解にも映ります。
 エンリケ・ブラッドフィールドJr以降の野手もスピードタイプのOFを2人指名。盗塁をしやすいルール変更に伴う実験的な指名にも見えますが打撃に難有りなタレントばかりで、塁上でスピードを活かす機会が限定されそうな点は気がかりです。
 投手は全て大学生の指名となりましたが、アップサイド重視といっていいでしょう。キーファー・ロードやジャクソン・ボウマイスターはカレッジでの成績こそ奮いませんでしたが、投げているボールは素晴らしくあとは再現性を身につければ鬼に金棒です。

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