【MLBドラフト】2023ドラフトレビューTB編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(19) ブレイデン・テイラー(Brayden Taylor):SS:右投左打:6-1/186:TCU:$3.88M($3.88M)

打撃では優秀なピッチセレクションで高出塁率をマーク。バットスピードは特別速くはないが、タイミングの取り方が上手く前でボールを捌くことができる。スピードは平凡だが、スキルはIFに残るには十分。


CBPA(31) エイドリアン・サンタナ(Adrian Santana):SS:右投両打:5-11/155:Doral Academy:$2M($2.67M)

身体能力の高さを上手く守備の動きに落とし込むことができており、ダイナミックな動きを見せるがミスは少ない。一方で、打撃は線の細さもあってハードヒットをコンスタントに飛ばすことができていない。今後のパワーアプ次第か。


2(55) コルトン・レッドベター(Colton Ledbetter):OF:右投左打:6-2/205:Mississippi State:$1.3M($1.51M)

鋭いスイングで広角にハードヒットを飛ばすヒッティングプロスペクト。どのゾーンのボールでもうまくはじき返すことができるスキルも有している。高めの速球を追いかけてしまうことが多い。打撃以外では存在感が薄く、RF/LFでもプラスを出せないだろう。


3(88) トレ・モーガン(Tre' Morgan):1B:左投左打:6-1/215:Aquinas HS:$781.3($783.8K)

打撃では卓越したヒッティングスキルを見せ、フレッシュマンから打率は3割以上をマーク。バレルフィーリングが高く、ラインドライブの打球を量産する。コンタクトを重視したスイングのためか長打数は控えめ。守備では1Bながらも身体能力の高さを活かしたアクロバティックなプレーを度々披露する。


4(120) ハンター・ハース(Hunter Haas):SS:右投右打:6/180:Texas A&M:$534K($552.5K)

昨年の大スランプから抜け出して好成績を残すことに成功。ピッチングセレクションを見直したことで持ち前のヒッティングツールを活かすことができるようになった。パワーツールも平均レベルには有している。守備ではミスが少ないが、アームが弱くSSに残り続けることはできないか。


5(156) トレバー・ハリソン(Trevor Harrison):RHP:右投右打:6-4/225:J.W. Mitchell HS:$847.5K($338.9K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。そっきゅうは最速で95マイルをマーク。サイズを考慮すると今後さらに速くなる可能性は高い。変化球は安定感に欠けており、コンスタントに空振りを奪えない。デリバリーは安定しており、安定してストライクを稼げる。


6(183) T.J.ニコルス(T.J.Nichols):RHP:右投右打:6-5/189:Arisona:$304.8K($307.3K)

90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速99マイルをマークするが、ムービングに乏しくコマンドも拙いため空振りを奪えていない。スライダー、チェンジアップもプラスのクオリティにはなく、ポテンシャルに成績が伴っていない。


7(213) オーウェン・ワイルド(Owen Wild):LHP:左投左打:6-3/230:Gonzaga:$238.1K($240.6K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマークするが、安定してスピードを出すことができない。そのうえ、安易にストライクゾーンに速球を集めるため長打にされることが多い。チェンジアップの扱いに長けているが、スライダーは発展途上。


8(243) ドリュー・ダウド(Drew Dowd):LHP:左投左打:6-2/206:Stanford:$397.5K($195.8K)

90マイル前半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で94マイルをマーク。クロスファイアでコーナーを突いてカウントを稼ぐ。カーブは安定してゾーンの内から外へと投じることができる。明らかな逆球が多く、無駄に球数を費やしてしまうことが多い。


9(273) ダルトン・ファウラー(Daulton Fowler):LHP:左投左打:6-6/200:University of Memphis:$22.5K($176.2K)



総括

 このところ高校生の1巡目指名が続いていましたが、今年は19年以来の大学生指名となりました。ブレイデン・テイラーは大きなインパクトをもたらすようなタレントではありませんが、打撃や守備でもマイナスの数字を叩く可能性は低くソリッドなレギュラークラスの選手になることが見込まれるでしょう。
 1巡目以降は上位を野手で固め、大学生が中心となりました。ヒッティングツールを意識したことが垣間見えるラインナップで、ファームシステムでパワーアップができると踏んでいるのかもしれません。唯一高校生指名となったエイドリアン・サンタナはまずはプロのボールに打ち負けない体つくりから始めることになりそうです。
 後半は一転して投手で指名を固めました。5巡目が投手の初ピックということもあって目ぼしいタレントは見当たらず、トレバー・ハリソン、T.J.ニコルスといったハイシーリングなタレントが跳ねるのを待つ以外は見どころがなさそうです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?