【MLBドラフト】2023ドラフトレビューNYM編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(32) コリン・ホウク(Collin Houck):SS:右投右打:6-2/190:Parkview HS:$2.75M($2.61M)

アメフトでもトップクラスのエリートアスリート。打撃ではコンパクトなスイングでどの方向にでもハードヒットを飛ばすことができる。パワーツールは発展途上だが、高いアップサイドを見出す声も。守備ではアジリティの高さを見せており、最低もIFには残れるだろう。


2(56) ブランドン・スプロート(Brandon Sproat):RHP:右投右打:6-3/215:Florida:$1.47M($1.47M)

90マイル中盤の速球トスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で99マイルをマーク。フラットな軌道になりやすく、球速の割には空振りを奪えていない。カッター/スライダーはハイクオリティ。チェンジアップ、カーブは発展途上。全体的にコマンドが甘く、スペックの割には成績が伴っていない。


3(91) ノーラン・マクリーン(Nolan McLean):3B:右投右打:6-4/241:Oklahoma State:$747.6K($747.6K)

90マイル中盤の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。利き手側に食い込みながら伸びる。スライダー等の変化球は要改善。投手として経験不足が甚だしく、コントロール/コマンドに不安あり。野手としてはパワーポテンシャルが光るが、多すぎる三振数が足を引っ張る。


3(101) ケイド・モリス(Kade Morris):RHP:右投右打:6-3/190:Nevada:$666.5K($666.5K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。4シームと2シームを使い分ける。大きく曲がるスライダーがアウトピッチ。チェンジアップのクオリティもプラス。安定してストライクを稼げない点が懸念材料。


4(164) ワイアット・ヒュードポール(Wyatt Hudepohl):RHP:右投右打:6-4/220:UNC Charlotte:$500K($536.5K)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、スプリッターのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。縦に割れるカーブとスピードを伴って鋭く曲がるカッター、小さく真下に落ちるスプリッターで大量に空振りを奪う。球威不足なため、容易にストライクを取りに行って痛打を食らうことも。


4C(134) AJエウィング(A.J.Ewing):SS:右投左打:6/160:Springboro HS:$675K($483K)

小柄なサイズからは想像できないパンチ力が魅力。バランスの取れたスイングでボールにパワーを伝える。一方で、大振りになりがちなところがあり、空振りも多い。守備では今後体重をつけることを考えるとSSに残るのは厳しいか。


4C(135) オースティン・トロッサー(Austin Troesser):RHP:右投右打:6-3/189:Missouri:$350K($478.2K)

90マイル中盤の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。まだ筋肉をつける余地が残されており、今後さらに球速が速くなるとも。スライダー以外の変化球を習得できなければリリーフに留まることになるだろう。


5(159) ザック・ソーントン(Zach Thornton):LHP:左00投右打:6-3/170:GCU:$350K($378K)

80マイル後半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速でも94マイルで、変化球はいずれも飛びぬけたクオリティではないが優秀なコマンドで打者を翻弄。今シーズンは打者有利なリーグで防御率を3点台にまとめて注目を集めた。


6(186) ジャック・ウェニンガー(Jack Wenninger):RHP:右投左打:6-4/210:Illinois:$225K($299.8K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。ノビのある4シームを投じるが安定感はない。ベストピッチは落差の大きなチェンジアップ。コントロールが安定せず四球は多め。


7(216) ノア・ホール(Noah Hall):RHP:右投右打:6/195:South Carolina:$162.5K($235K)



総括

 今年の1巡目指名はより上位で指名されると目されていた高校生SSのコリン・ホウクとなりました。大学とのコミットメントの強さから高額の契約金が必要となると予測されていましたが、常識的な範囲のオーバースロットに収まりました。身体能力の高さとアップサイドの大きい打撃を兼ね備えた高校生タレントをこの指名順位で獲得できたのは幸運とも言えるでしょう。
 以降の野手指名も高校生SSを複数指名。ここには記載しませんでしたが、8巡目でも高校生SSのボストン・バロを指名。野手はアップサイドをひたすらに追いかける方針となりました。
 投手は全て大学生を指名。昨年フラれたブランドン・スプロート、二刀流のノーラン・マクリーンらはソリッドさよりも、シーリングの高さが魅力のタレント。積んでいるエンジンは大きいものの上手く扱うことができていませんでしたが、マイナーでブラッシュアップが成功すれば大きなリターンを得ることができ投手もアップサイド重視と言えるでしょう。
 ワイアット・ヒュードポールやザック・ソーントンといった大学で好成績を残したタレントもしっかりと確保しており、抜け目のなさを感じます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?