【MLBドラフト】2023ドラフトレビューCHC編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(13) マット・ショウ(Matt Shaw):SS:右投右打:5-11/185:Maryland:$4.85M($4.85M)

サイズからは想像できないパンチ力を見せ、シーズン2桁HRは軽くクリアできるだろう。極力無駄をなくしたスイングで、ハードヒットを飛ばす。時折、長打を狙いすぎてスイングが大きくなり空振りが目立つ場面も。守備ではスペック不足からSSに残れるか微妙なところ。IFを守るスキルは十分。


2C(68) ジャクソン・ウィギンズ(Jaxon Wiggins):RHP:右投右打:6-6/225:Arkansas:$1.4M($1.1M)

90マイル中盤の速球とチェンジアップ、スライダーのコンビネーション。速球は最速で100マイルをマーク。ノビがある4シームを投じるが、コマンドが悪く中心に集まることが多いためコンスタントに空振りを奪えない。速球と緩急をつけるチェンジアップがアウトピッチ。サードピッチの向上とコントロール改善が鍵。


3(81) ジョシュ・リベラ(Josh Rivera):SS:右投右打:6-2/215:Florida:$725K($872.4K)

シニアイヤーにキャリアハイの成績を残し、注目の的となった。バレルフィーリングの高い打撃でヒットゾーンに打球を飛ばすことができる。パワーツールも平均以上。追い込まれてからはスタンスを極端に変えてコンタクトを意識する。守備ではソリッドな動きを見せるが大きなプラスにはならないか。


4(113) ウィル・サンダース(Will Sanders):RHP:右投左打:6-6/230:South Carolina:$600K($591.8K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。ノビのある4シームを角度をつけてなげるため低めでも空振りを奪える。スライダー、チェンジアップは変化量こそ大きくないが、コマンドに長けており投げ損ないは少ない。デリバリーの安定に取り組んでいる。


5(149) マイケル・キャリコ(Michael Carico):C:右投左打:6/190:Davidson:$400K($416.9K)

大学で圧倒的な成績を残し、マイナーカンファレンスからアメリカ代表にまで登りつめた。ピッチセレクションはどのレベルでも優秀だが、ヒッティング/パワーは上のレベルでも通用するかは微妙なところ。守備ではアームの強さが光るが、その他は要改善。


6(176) アルフォンシン・ロサリオ(Alfonsin Rosario):OF:右投右打:6-6/210:P27 Academy:$325.6K($325.6K)

バプロ顔負けのフィジカルエリート。打球速度だけなら今ドラフトでもトップクラス。高めの速球に弱さを見せるが、戦略を立てて打席に入るクレバーな一面も。見た目の割にスピードはあり、アームも優秀なためRFとしてならマイナスになることはないだろう。


7(206) ヤイル・メレンデス(Yahil Melendez):SS:右投左打:6-3/165:B You Academy:$400K($254.5K)

打撃では無駄の少ないスムーズなスイングで打球を広角に弾き飛ばすことができる。一方で、細身すぎてパワーツールは皆無。守備では左右に広いレンジを有しているが、送球は不安定。


8(236) ブレット・ベイトマン(Brett Bateman):OF:左投左打:5-10/170:Minnesota:$180K($203.6K)

両足を地につけて確実にバットにボールを当てるコンタクトヒッター。パワーは皆無で本人の意識も薄いため長打は期待できない。積極的にスイングを仕掛けるためそれほど四球は多くない。プラスのスピードは特に守備で活かされており、正確なルートランとのコンビネーションでどの方向の打球にも対応する。


9(266) ジョナサン・ロング(Jonathon Long):1B:右投右打:6/210:Long Beach State:$179.4K($179.4K)

バットを前に放り出さんばかりの前捌きで長打を量産するスラッガー。ポイントを前にしすぎるためか、ピッチセレクションに難があり三振が多い。守備の動きは鈍く1B以外のポジションは難しいだろう。


10(296) ルイス・マルチネス・ゴメス(Luis Martinez Gomez):RHP:右投右打:6-2/178:Temple Col:$100K($168.3K)

90マイル前半の速球とスライダー、スプリットのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。体重を増加させてデリバリーを安定させるのが最優先。


総括

 1巡目ではマット・ショウを指名し、これまで続けてきた大学生中心の指名を崩さずに続けることとなりました。大学生のセンターラインの中では総合力という点ではトップクラスです。あまりSSにこだわらずにポジションは柔軟に動かした方が今後プラスに働くようにも思えます。
 その後も大学生を固めて指名。野手ではバラエティに富んだタレントを集めました。故障でまともにプレーができなかったマイケル・キャリコがプロでバウンスバックできるかが見ものです。
 投手は例年通りスタッツよりもスタッフを優先して指名。いずれも投げているボールはいいものの、コマンドがままならず成績を落としていたためプロでブラッシュアップに成功すれば大きく跳ねる可能性もあるでしょう。
 CHCのドラフトで注目したいのが高校生野手の指名。上位の大学生よりもこちらが本命ではないかと思えるハイシーリングなタレントを毎年指名しており、目が離せません。今年はバッティングで一味違うものを見せるアルフォンシン・ロサリオを指名。契約金は高額にはなりませんでしたが、パワーツールは一級品で非常に楽しみなタレントです。

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