【MLBドラフトレビュー】3年後...2020ドラフトレビューCHC編

目ぼしい選手を5人ピックアップして、ドラフトから3年経った選手達の活躍を見ていきます。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ
成績
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1(16).エド・ハワード(Ed Howard):SS:右投右打:6-2/191:Mount Carmel HS:$3.75M:$3.75M

身体能力の高さが光るアスリート。それが最も活かされているのがSS守備。レンジの広さ、打球反応の早さ、アームとどれをとってもトップクラス。スピードも平均以上。打撃では、力感のないスムーズなスイングで、コンタクトスキルの高さを見せる。内角のボールへの反応がよく、一発で仕留め長打にすることもできる。

成績

 CHCにとっては12年のアルバート・アルモラ以来の高校生指名となりましたが、今のところ開花の兆しは見えていません。
    特に打撃で苦しんでおり、プロ入り後シーズンOPS.700以上さえもクリアできていません。
    また、度重なる股関節の故障に苦しんでおり、シーズン最多出場はプロデビューイヤーの80試合とまともに出場機会さえ得られていません。
    今年はそんな出場機会の少なさを補おうとオーストラリアのウィンターリーグに参加していますが、そこでも打撃不振に苦しんでいます。
     自慢の守備力が衰えたということはないようですので、どこかのタイミングでバックアップとしてメジャー昇格もあり得るとは思いますがそのまますんなり定着するのは難しそうです。


3(88).ジョーダン・ンウォグ(Jordan Nwogu):OF:右投右打:6-3/235:Michigan:-:$678.6K

ポテンシャルだけなら1巡目レベルのフィジカルモンスター。いとも簡単にスタンドまで飛ばすことができるパワーがある一方で、ブレーキングボールに対しては簡単に空振りし脆さを露呈。スイング時の下半身の固さが原因とも。スピードは平均以上で、積極的に次の塁を狙う。それを守備では活かすことができず、ルートラン、ジャンプのタイミング等正確にこなすことができていない。

成績

 自慢のパワー&スピードはプロでも発揮していますが、耐久性と安定感に欠け持ち前のツールの高さを成績に落としこめていません。
 昨年はA+でOPS.856&wRC+135とプチブレークを果たし、今年のさらなる飛躍に期待がかかりましたがAAで春先からつまずき成績は低空飛行。
 後半はプレイヤーオブザウィークを受賞するなど盛り返しましたが、シーズンを通しての打率は.200を切りその他の指標も軒並み落ち込みました。
 それでも薙ぎ払うような鋭いスイングは健在で、ツボにハマったときの飛距離は目を見張るものがあります。
 今年の後半に見せた打撃を続けることができれば、レギュラークラスは難しくとも打撃特化型のベンチプレイヤーにはなれるでしょう。


4(117).ルーク・リトル(Luke Little):LHP:左投左打:6-8/225:San Jacinto JC:$492.7K:$492.7K

90マイル後半の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で100マイルをマークし球威は抜群。キレのいいスライダーとともに空振りを量産できる球種。コントロールが悪く、力感の強いデリバリーからリリーフとしての起用が予想される。

成績

 プロ入り後は2年続けてショートスターターとしての起用が続きましたが、今年からは本格的にリリーフに転向しました。
 後々ショートスターターから長いイニングを投げるようにする計画があったものの、コンロールが改善される見通しが立たなかったのか頓挫したのかもしれません。
 いずれにせよリリーフ転向はプラスに働きました。元々奪三振能力はずば抜けてましたが、リリーフ転向後はさらに三振を奪うようになり、K%が40%超を記録。
 今年はA+からAAAにまで一気に駆け上がり、セプテンバーコールアップでメジャー昇格も果たしました。メジャーでも豪速球とスライダーを武器に大量の三振を奪いつつ、失点は0と結果を残しました。
 ドラフト時に騒がれた100マイル超えの速球を連発することはなくなりましたが、優れたエクステンションから投じられる4シームは十分空振りを奪えています。
 コントロールの悪さは気になりますが、圧倒的な奪三振能力を考えるとチーム事情によってはクローザーを任してもいいレベルでしょう。


総括

 地元っ子ということもあって1巡目指名したエド・ハワードは故障と打撃不振に苦しみ未だにA+でまともな成績を残せていません。元々打撃力に不安があったとはいえ、ヒッティングもパワーもまるで通用しておらず先行きは暗そうです。
 ドラフト時に実力以上に話題が大きくなったルーク・リトルがリリーフとして1人気を吐いている状況。また、しばらくは高校生の1巡目指名から遠ざかりそうです。


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