【MLBドラフト】2023MLBドラフトカテゴリー別プレビュー CLP編
来たる7月に開催される2023年のMLBドラフト。それに先立ちカテゴリー別のトッププロスペクトの紹介をしていきます。
今回はCLP編です。
The old king is dead. Long live the king!
2月の頭に大学のシーズンが始まるまではCLPのカテゴリーの絶対的なトップに君臨していたのがChase Dollander(RHP)でした。最速99マイルの4シームをピンポイントでコマンドし、昨年のTennesseeの躍進の原動力となりました。
ただ、今年はそれほど長いイニングを投げているわけではないにも関わらず無失点は1度のみで、直近の試合でもイニング以上の失点を許しています。スタッフの面では今でもトップクラスですが、絶対的なトップであるとは言い切れなくなりました。課題であった変化球のクオリティとコマンドに大きな前進があったと言い難い点もマイナス要素になっています。
そのDollenderに代わって絶対的なトップに君臨したのがLSUのPaul Skenes(RHP)です。先日のWBCで大車輪の活躍を見せた大谷翔平(LAA)へのあこがれを口にする二刀流選手ですが、今年はピッチングに専念。そのかいもあってか、現時点で防御率0点台、K/BB=10超と驚異的な数字を残しています。
最速102マイルの速球は常時100マイル超えも珍しくなく、それでいて四球はほとんど出さないコントロールも有しており向かうところ敵なし。契約した次の日からメジャーのローテーション入りしてもそれなりの数字を残せるでしょう。
このカテゴリーだけでなく、今ドラフトの全選手の中でもトップにふさわしい選手です。ドラフティーでこれほど衝撃を受けた選手はAdley Rutchman(BAL)以来です。
人気株は優良株
1巡目指名での人気が下がる一方のHSPに比べて、上位での指名数が増え続けているのがCLP。投手はいくらいても困りませんし、メジャーへの昇格の確率も圧倒的にCLPが勝っていることから見てもローリスクなCLPに指名が流れるのは当然でしょう。
今年のドラフトはただHSPよりもリスクが低いだけでなく、しっかりとトップ10レベルの実力を有するタレントが多くいます。
Wake ForestのRhett Lowder(RHP)はSkenesの陰に隠れてしまっていますが、好投を続けています。パラシュートチェンジと落差のあるスライダーの変化球はいずれもハイクオリティ。コントロールもまとまっており、今年がドラフトイヤーでなければこのカテゴリーのトップに立っていたでしょう。
UCLAのAlonzo Tredwell(RHP)は今年からのスターター転向を感じさせない、投げっぷりを披露しています。元々6-8/230とサイズは申し分なく、コントロールも安定したため、今年からのスターター転向が遅いくらいでした。
今年はトミー・ジョン手術で全休しているTexasのTanner Witt(RHP)も要注目のタレント。登板はないものの、前評判は高くドラフト直前のコンバインで実力を証明できれば1巡目指名もあり得るでしょう。
FloridaのHurston Waldrep(RHP)やSouth CarolinaのWill Sanders(RHP)もスケールの大きなタレントですが、四球の多さが気になるところ。それでも、ここ数年は多少のコントロールの悪さを気にせずスタッフを優先してCLPを1巡目指名するケースもあるため、この2人にも大いにチャンスがあるでしょう。
速球派悲喜こもごも
19年、22年にドラフト指名されながらも契約には至らなかったFloridaのBrandon Sproat(RHP)は今年ついに速球のスピードが大台の100マイルに到達。安定してイニング以上の三振を奪えるようになっており、昨年より早く指名される可能性は高いでしょう。
今年からWashingtonにトランスファーしたKiefer Lord(RHP)はダイナミックなデリバリーで最速99マイルの速球を投げる本格派。高い球速帯の速球ををストライクに投げ込むコントロールが最大の魅力。メジャーカンファレンスに移っても好成績を残し続けています。
一方で、Texas A&MのNathan Dettmer(RHP)も最速99マイルの速球を投じますが、ムービングの乏しさが課題。また、今年はコントロールが悪化し、早い回での失点が増えてしまっています。
ArizonaのTJ Nichols(RHP)は開幕戦こそTennessee相手に好投を見せましたが、以降は失点が多く直近2試合は5失点と数字を落としています。最速99マイルの速球はパワフルですが、変化球に課題を抱えており殻を破れずにいます。
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