【MLBドラフト】3年後...2019ドラフトレビューBOS編

目ぼしい選手を5人(場合によっては4人)ピックアップして、ドラフトから3年経った選手達の活躍を見ていきます。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ
成績

2(43).キャメロン・キャノン(Cameron Cannon):3B:右投右打:5-11/196:Arizona:$1.30M($1.73M)
小柄ながらもパンチ力のある打撃が魅力。一度体重を大きく後ろにかけるスイングが特徴。シーズン2桁HRをクリアできるか微妙なところ。ギャップを抜くパワーは有しているため、二塁打を量産することはできる。問題は守備で、凡ミスの多さが目立つ。

成績

 21年はA+-AAで98試合に出場し、打率.284の高打率をマーク。昨年はさらなる飛躍が望まれましたが、故障もあって51試合の出場に留まり成績も低調に終わりました。
 大学時代同様コンタクトスキルの高さがプロでも活かされており、キャリア3シーズンでいずれも試合数以下の三振数に抑えています。積極的に打ちに行くため四球数も少ないですが、21年レベルの打率を残すことができれば大きなマイナスにはならないでしょう。
 パワーポテンシャルに若干欠けるところも大学時代同様ですが、21年は100試合未満ながらも2桁HRをマークしており全く通用していないというわけではなさそうです。心配なのがAA以上で好成績を残せていないところ。AA以上のOPSは.650以下と全く戦力になっておらず、メジャーまでの道のりは長そうです。


2(69).マシュー・ルーゴ(Matthew Lugo):SS:右投右打:6-1/185: Carlos Beltran Baseball Academy:$1.1M($929.8K)
高校生離れしたアプローチが魅力。ボールの見極めに長けている。パワーポテンシャルについては疑問符がつく。純粋なスピードは平均以上だが、走塁でそれを活かすスキルに欠ける。アーム・スキル共に平凡なため守備ではSSに残るには厳しいとの声も。

成績

 21年はAで序盤絶不調ながらも最終的に打率.270&OPS.701とまずまずの成績まで持ち直すと、昨年はA+で114試合に出場し打率.288&18HR&OPS.844をマークしブレークを果たしました。オフに傘下したウィンターリーグでも好調を維持しており、今年に期待がかかります。
 高校時代と比べるとボールゾーンに手を出すことが多くなりましたが、それでも高打率を残すことができるヒッティングツールが魅力。高校時代よりスイングに力強さが増し、それでいてコンパクトになったように見受けられます。
 守備ではまだSSをメインとしていますが、エラーの多さとスペックを考えると2B/3Bに転向が既定路線でしょう。

 


4(137).ノア・ソン(Noah Song):RHP:右投右打:6-4/200:Navy:$100K($406K)
90マイル中盤の速球とカッター、カーブのコンビネーション。速球は最速で99マイルをマーク。カッターはキレがよく、アウトピッチとしては優秀。コマンドが若干アバウトな点は懸念材料。課題だったブレーキングボールも改善された。軍への入隊が噂されていたが無事契約。

成績

 デビューイヤーは7試合のみの登板ながらも防御率1点台で終え、オフに参加したプレミア12でも好投を見せるなど順調なキャリアの滑り出しでしたが軍への入隊がありそれ以降は全くプレー機会はありません。
 昨年のルール5ドラフトではPHIに指名されました。開幕時点でまだ軍に在籍しているため、キャリアの再出発がいきなりメジャーという可能性もあります。球速さえ昔のままならば速球のゴリ押しでリリーフとして使える可能性はありますが、3年近いブランクがどう影響するか未知数の部分が多くなんとも予想がつきません。


6(197).クリス・マーフィー(Chris Murphy):LHP:左投左打:6-1/175:University of San Diego:$200K($237K)
90マイル前半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で94マイルをマーク。ブレーキングボールのクオリティはいずれも高い。左打者に対してはカーブを、右打者に対してはチェンジアップを好んで投げる。大学時代はコントロールが滅法悪く、6巡目までスリップしたが、プロ1年目はその点が改善された。今後もこの傾向が続くのか注目。

成績

 プロデビュイヤーから3シーズン連続で10試合以上の先発をクリア。昨年はAA-AAAで150イニング以上を消化しました。
 アマチュア時代と変わったのはやはりコントロール。プロデビューイヤーほどではないものの、比較的安定しています。本人が最新技術を使って自分の投球を分析しているようで、コントロールを安定させるデリバリーも研究したうえでたどり着いたようです。
 昨年はAAAで数字を落としてしまいましたが、元々投げるボールのクオリティは高く耐久性も高いと言うこともあってメジャーではイニングを稼いでくれるスターターとして重宝されそうです。


総括
 1巡目がなかったため2巡目からのスタートとなりビッグネーム不在のドラフトとなりましたが、マシュー・ルーゴを始めマイナーで好成績を残しているタレントがちらほら。
 ノア・ソンの今後の動向が気になるところで、PHIでメジャーに定着できるのかそれともBOSに戻ってくるのか注目したいです。

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