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デュアルキャリア アスリートの挑戦~プロキックボクシング 森木 選手 インタビュー~

こんにちは。スポナビアスリート運営事務局です。

今回はキックボクシング選手の森木さんに現在の競技活動の状況と仕事の両立についてお話しを聞きました!

森木 一吉(もりき かずよし)さん
RAOU JAPAN キックボクシングジム所属 キックボクシング選手
http://www.raou-japan.jp/fighter/fighter/3972/

小学校からは空手を学生でキックボクシングとムエタイもはじめる。高校入学と同時にキックボクシング一本に絞り本格的に活動。高校卒業後、19歳でプロデビューし、それまでは空手道場に通いながらキックボクシングのプロとして活動。

デュアルキャリアを目指した理由

―デュアルキャリアを目指した理由を教えてください。

私はプロキックボクシング選手として活動をしています。キックボクシングは、まだまだマイナーな競技のため、ファイトマネーなどの競技収入だけで生活するのは苦しい現状があります。

大会によってファイトマネーは変わりますが、僕が出場している九州県内の試合ですと2万円程度、東京の試合ですと10万円程度です。

先日東京で出場した1Dayトーナメントでは、宿泊費や交通費が引かれると手元に5万円くらいしか残りませんでした。笑

もちろん、試合を行えば怪我をすることもありますので、ケアなどの費用を考えると赤字になることもあります。

ですので、周りのキックボクシング選手もデュアルキャリアとして活動していますし、競技だけで暮らすことができる人はたとえ日本チャンピオンでも一握りしかいないと思います。

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キックボクシング界の現状

―テレビで見ると華やかなイメージがありますが、現実は厳しいんですね。以前、魔裟斗さんなど、多くの選手の活躍をテレビで見ることができましたが、今は少なくなったと感じています。

そうですね。那須川天心選手の活躍で、キックボクシングは注目を集めていますが、メディアの露出はまだまだ少ないと思います。

よくボクシングと比較されることが多いのですが、ボクシングの場合、日本タイトルマッチは10回戦(3分×10ラウンド)、 世界タイトルマッチWBA、WBC、IBF、WBOになると12回戦(3分×12ラウンド)で行われるため、試合が長引けばラウンド間でCMをたくさん流すことが出来ます。

ただ、キックボクシングの試合は、1ラウンドが3分、インターバル1分が主流で、近年は、3分×3ラウンドが主流になっているので、ラウンド間が少なくCMなどの時間確保が難しいため、企業側がスポンサー支援を行いづらいスポーツだと思います。

現在のスケジュールと具体的な仕事内容

―今はどのようなスケジュールでスポーツと仕事の両立を行っているのでしょうか?

現在は、9:00~17:30の間は仕事をして、19:00~22:00の間に練習を行っています。自分が所属するジム以外でも、博多や筑紫で出稽古もしていますね。ですので、週6日の練習、時には1週間ずっと練習をしていることもあります。

―すごいスケジュールです。現在はどのようなお仕事をされているのでしょうか?

大型空調機のメンテナンスを主に行っています。それ以前は、建築関係、特に電機分野中心に現場監督などやっていました。元々、福岡に来る前は、地元の空気圧や油圧で動く機械工場の保守メンテナンスを行っていた経験があったため、機械のメンテナンスをやったことがありました。今の仕事に活きていると思いますね。

森木さん⑤

デュアルキャリアのメリット

―森木さんが考えるデュアルキャリア(スポーツと仕事の両立)を行うメリットは何でしょうか?

一番は「収入面の安定がある」ことだと思います。競技に打ち込みながらも収入面のストレスがなく、生活基盤が安定することで、競技へ100%集中できます。

私の活動を理解してくれて、デュアルキャリアとして活動が出来ることに感謝していますし、現役を終えても、支えてくれた会社には誠心誠意を持って貢献していきたです。

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デュアルキャリアを目指すアスリートへ

―デュアルキャリアを考えているアスリートへ一言ください。

生活がおろそかになってしまうと競技にも影響が出ると思います。今以上にパフォーマンスを上げたいけど、収入面で不安があるのであれば、デュアルキャリアをお薦めします。

競技を知っていただく機会になりますし、スポンサー様や皆様からの声援が力になります。選手のモチベーションが上がる環境になると思いますね。

私は、試合前に支えてくれる方の顔が浮かびますし、入場した時に聞き覚えのある声が耳に届くと、「おっしゃ、やるぞ!」という気持ちになります。

「競技に興味を持つ、知ってくれる人が増える」=「応援してくれる人が増える」ことだと思うので、デュアルキャリアをすることで自分のことを知っていただける場が増え、自分のことを応援してくれる人が増えると思います。デュアルキャリアを実践することを悩んでいたら、チャレンジしてほしいですね。

森木さん②

今後の目標

―最後に、今後の目標を教えて下さい。

私は30歳まで現役として競技を行うことを決めています。キックボクシングは身体へのダメージが大きい競技なので、その後の人生を考えて現役期間を決めています。

28歳の今、現役生活が残り3年を切った中で、ベルトも数本巻くことができました。ただ、K-1やRIZINなどの大きな大会で結果を残せていないので、そこで結果を残したいと考えています。そして、会社や応援していただいている方へ感謝の想いを返せるよう、活躍していきたいと思います!

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