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谷町的なスポンサーシップの是非【実践!スポーツビジネス道場#04】

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ポッドキャスト番組「実践!スポーツビジネス道場」の文字起こし記事です。
「実践!スポーツビジネス道場」は一般社団法人スポーツビジネスアカデミ(SBA)の公式オンラインサロン「THE BASE」が毎週木曜日に配信しているポッドキャスト番組です。
スポーツビジネス界で奮闘する若手ビジネスパーソン、酒井翼さん(東京都社会人リーグ2部所属のサッカークラブ「TOKYO.CITY.FC」でスポンサー営業を担当)が日ごろの業務での葛藤や悩み、アイディアをスポーツビジネス界の第一線で活躍し、SBA代表理事を務める荒木重雄さんに壁打ちし、成長していく様子をお届けしています。


酒井)スポーツビジネスの話しをする中でタニマチ的なスポンサーシップは良くないというか、これからそぐわないのかな、という話で、
スポンサーシップからパートナーシップへという話もあると思うんですけど、最初お話した通り、実際のところ僕らの中だと谷町的なスポンサーシップが一番多いですし、あとはその先どれだけ続くかと考えた時に谷町的な形だと、ある意味ドライな人間関係で「あくまでビジネスとしてのお付き合いでスポンサードしています」というスポンサーよりもかなりウェットな人間関係、例えば去年スポンサードしてくれた企業さんで、別にサッカーなんて全然わからないけど酒井君が人間的にすごい好きだからスポンサードするよと言ってくれるスポンサーもあったりして。そういう会社であればあるほど逆に本当につぶれるかつぶれないかじゃない限りスポンサーを離れないだろうし、それか僕らが期待に裏切るようなことをしない限り離れることが少ないのかなと思っていて。必ずしも悪いところだけではないのかなと思っています。
その点について荒木さんのお考えとかあったらぜひお伺いしたいなと!

荒木)正直ねえ、谷町って表現というか、言葉の定義があれかもしれないけど、J8で谷町的なスポンサーシップ以外のスポンサーシップが取れる方がすげえなって思うくらい絶対谷町っていうか…。(笑)
今さっきいみじくも言っていた「渋谷からJリーグ」という理念に賛同して応援してくれる人達って全員谷町でしょ?そういう意味では。
特にスポンサーが何かのそれ以外の露出を求めてっていう話ではないわけでしょ?
理念に共感してそこに乗っかってきてくれるっていう、「一緒に同じ船乗る」ということであれば、今の言い方にすれば谷町ってことになると思うんだけど、個人的には悪い話じゃ全然ないと思うし。やっぱりスポーツって文化だし地域に根ざした公共物だったりするわけだから、生きがいとか生活の一部というか人生の一部みたいなことというわけで。スポーツは生活必需品じゃないって話したけど、ある意味地元のチームだって「生活必需品じゃないけど人生には必需品」みたいなこうゆう位置付け。
もう一人もう一回っていうマーケティングがスポーツに対して、もう一人どうやって観戦しに来ていただくかということと、来ていただいた人にもう一回来ていていただくということを凌駕すると、一生クラブと過ごすんだ!孫の代まで過ごすんだ!みたいなのが理想なわけですね。「もう一人もう一回、一生」。こういうところがあるから全然問題ないと思う。
具体的に言うとどういうカテゴリー、どういう整理をして、どういうことが谷町って言っているの?

酒井)例えば、これだけサービスを露出したいから、これだけ売り上げを伸ばしたいからっていう目的でスポンサードするというより、経営者の方個人としてなのか、担当者の想いとしてすごくチームを応援したいから応援したいとおっしゃっていただいてスポンサードしていただいた場合です。

荒木)今で言うとあれじゃない?今のタイミングではスポンサーシップとかってあんまり興行的な価値がそこまでない前提で話すと、そこの部分って本当の意味でスポーツクラブに対するスポンサーシップ=今言った表現を使えば100%谷町なワケで。
そうじゃないイベントとかなんとかっていうのをやるのはスポンサーシップじゃなくて、結果的には売り上げの目標はそういう定義にしているかもしれないけど、それ自体はスポンサーシップをしているわけではなくて、イベント運営を委託しているっていう立場になっていると思う。
今はいいけど、気にしないといけないのは大きなクラブになってから特にサッカークラブとかだと谷町の人が、功罪があるからって俺のクラブだって土足で入ってくるような関係値とかそういうのは良くないかなと思うけどね。そこの線引きは、アーティストとかのだんだん有名になっていくとファンが暴れだすっていうあの現象をどう抑えていくかっていうのと同じだと思う(笑)

酒井)そこはリスクマネジメントみたいな形で頭に入れつつ、必ずしも谷町が悪であるわけではないし、それが別に間違っているわけでもないということですね。

荒木)もちろん、もちろん。やり方としてよくビッククラブもそうだけど後援会っていう形が似ていて。あれもある種の谷町的なとこなんだけど1対1でやるのか1対nでやるのかというところが違うと思う。
最初の内は後援会っていうのは難しいと思うんだけど、1対1になるのであれば最低限クラブとしてできること。よく俺が思うのは同じ船に乗る人達なわけよ、そうゆうタニマチ的なスポンサーの人たちって。
チームと同じ船なんだけど住んでるフロアが違うので、そこの一緒の船に乗っている感はあるんだけど、そこのしっかりとした適正な距離感を保ちながら並走している感じがすごく大事で、これは完全クラブのマネジメントの意思とか管理の問題に尽きるんだよね。
わかりやすい言葉でいうと、ちゃんとNOと言える関係じゃないけど、そういう関係でしっかり応援してもらうところもマネジメントの腕の見せどころっていう感じじゃないかな。
そういうと酒井君の事気に入ったから金出すよ、は危険な香りがするけどな(笑)NOと言えないような矢を食らっている感じがしたけど(笑)

酒井)ははは!
ちょっと頭の中がすっきりした感じがします。ありがとうございます。

荒木)全然いいんじゃないの?
そういうファンも。ある意味ファンもチケットっていうものを買ってくれている谷町みたいなもんだし。特にサッカーは一体感みたいなものもキーになってくるから、全然いいんじゃないかなって思うけどね。

酒井)ありがとうございます。


≪第4話 終わり≫

■登場人物
➤荒木 重雄 Shigeo ARAKI

一般社団法人スポーツビジネスアカデミー(SBA)代表理事。
株式会社SPOLABo、株式会社スポカレ代表取締役。2005年に千葉ロッテ球団の執行役員・事業本部長、パシフィックリーグマーケティングの取締役執行役員を歴任。日本サッカー協会(JFA)の広報委員をはじめ、官公庁のスポーツ関連プロジェクトなどにも多数参画。
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➤酒井 翼 Tsubasa SAKAI
J1から数えて8部に相当する、東京都社会人リーグ2部に所属するサッカークラブ「TOKYO CITY F.C.」にてスポンサー営業などを担当。
スポーツクラブで働きながら、1000万円プレイヤーになることを目指し、日々奮闘中。
TOKYO CITY F.C. 公式サイトはコチラ


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日米英に拠点を置き、スポーツビジネス界の第一線で活躍する理事4人が世界の最新スポーツビジネストピックスを発信する「理事会」や、スポーツビジネスの各専門分野に長けたゲストをお招きし、担当理事とのトークディスカッションをお届けする「サロン」など、スポビズパーソン注目のコンテンツを定期的に発信しています。昨今のコロナ禍を経て、オンラインでのコンテンツを強化し、直近のサロンはほぼアーカイブにて配信中!(いつでも何度でもご視聴可能!)
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