2020年5月東京生活

使用期限:箱底面に月、西暦の順で記載
■1921年にR・シュタイナーによって創設
■合成保存料・合成着色料・合成香料や鉱物油は一切不使用
■バイオダイナミック栽培・有機栽培・野生の植物を使用
■医薬品製造*と同等の厳正な品質検査・管理
■動物実験は一切行っていません
*スイス本社のこと

#WELEDA のクリームを買ったら箱に使用期限として、数ではなく「誘導の言葉」と、注意書きとして効能のような顔をして創業者への言葉が上記のとおりに書かれていていいなと思った。

土曜日、昨日は緊急事態宣言が明けて初めてのプレミアムフライデーだったおかげで街に電車に店に人がたくさん出ていたらしい。私は相変わらずの在宅生活の只中にいたが、愛しい友人たちの話を聞いてみても、私個人の気持ちとしても、4月初頭の途方もなさ、4月後半の若干の緩和と漠然とした不安、5月初頭の生活への慣れ、そして今は控えめかつ大胆になってしまいそうな沸騰直前のような安っぽい晴れやかさ。

案の定、これまでも割と人がいた土日の商店街は今日、人人人が歩き、これまでと違う点と言えば店。店の表のドアが大きく開き、風を取り込み、人が外に中に集まっていた。きれいめな店が、中が見えないように開いたドアの少し内側に大きな布をひらひらさせて、風と視界を操っていたのがよかった。

「この時の外食を体験する」ということをやってみようと思ったけれど、いくつかの候補の店の付近を歩きつつ、店員さんが持ってくる箸やグラスのことや、食事を待っている間の煙草が吸えない間の時間のこと、そして何より外からよく見えるようになった中の混雑具合を見ても、入店することはできなかった。

相変わらずテイクアウトとスーパーばかり。店で人と会い、つまみながら延々とぽろり、ちらり、話していくうちに知らない時間へ夜更けていく体感を知ってしまっている以上、もちろん店に、居酒屋に戻りたいという気持ちはうんぬんしているが、一人外食の事始の時の気恥ずかしさ程度の抵抗が大きくはたらいて休日を一人缶ビールで過ごしている。

新しさを物に負わせながら。

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