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『逃げる』というのは生物にとって必要な行動

先日、ペットホテルに来ていた猫ちゃんがある行動を取っていました。

動物病院でよくあるステンレスケージの隅に、お腹をくっつけて何とか隠れようとしていたのです。
かなりかわいいしぐさではありました。(笑)

隠れるところないよね…逃げたくても逃げられないし…

と、私は思って、ケージの扉にタオルで隠れるようにしてあげました。

そうすると少し落ち着いたようです。

何度もペットホテルに来ている猫ちゃんなのですが、ホテルの初日だったのでまだ慣れていなかったのもあると思います。


思えば動物病院での仕事は『逃げる』という行動と切り離せないものです。

だって動物病院に来る動物はみんな逃げたいんです。

動物たちにとっては、何をされるか分からない知らない場所に連れてこられたという状況ですから、それは怖いですよね。

ワンちゃんの場合はあまり逃げようともせず、なかには動物病院に来ることを楽しみにしている子もいますけれども、猫ちゃんや小動物は基本的に逃げたいと思っていると思います。

もちろんこちらは逃がすわけにはいかないので、逃がさないように細心の注意を払います。


猫が診察室の中を走りまわるというのは動物病院あるあるだと思いますし、私も経験があります。

こちらとしては、逃げて走り回らないで欲しいとずっと思ってきましたが、猫の立場になって考えてみると、まったく逃げ場所がない診察室は恐怖でしかないと思います。


私は普段の生活で心がけていることがあります。

それは、相手に対して逃げ場所をなくしてしまわないことです。

飼い主さんに対しても、家族に対しても、知人に対しても。

たとえそれが正論であったとしても、それで追い詰めないようにしています。

特に飼い主さんに対しては、正論で追い詰めて逃げ場所を無くしてしまうと、それが良くない結果になった場合、重いペットロスやトラウマを抱えてしまう場合があります。

誰にでも逃げ場所は必要なのです。

そしてその逃げ場所は安全でなくてはならない。


診察室で逃げてしまった猫はパニックになっていて、無理に押さえつけるとこちらも猫もケガをしてしまうことがあるので、逃げられるように誘導した先に安全に処置できるケージを用意しておきます。

そうやってお互いにケガが無いようにしています。

怖がって攻撃してくる動物たちも、最初からこちらを攻撃しようと思っているわけではないと思います。

逃げられないから仕方なく自分を守るために攻撃しているのです。


飼い主さんに用意した選択肢も、当然無責任な場所であってはならないです。

飼い主さんや動物の状況によってはベストな選択肢を選べないことがあるので、なるべくベターな選択肢を選べるようにします。

そしてベストな選択肢を選べなかったことを決して責めないですし、自分で責めさせないようにお話しします。

この方法が正しいというわけではありません。あくまで私の話です。


自分の現在の状況を自分の力でどうにか出来ない時は、逃げた方が良いと思うし、せめて逃げさせて欲しいです。





逃げ足の速さで有名なものに、ドラクエのはぐれメタルがいます。

スーパーファミコンの初代『ドラクエⅤ』で、まわりの誰よりも早くに、はぐれメタル2体を仲間にしたことが私の人生の中での自慢です。



……どうでもいいですね!(笑)







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