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人は否定形を理解しない からの〜期待しないのススメ

普段私は保育園で働いている。 
子ども達とかかわる上でスタッフに知っていて欲しいことの一つにこれがある。

人は否定形を理解できない

例えば、保育室内を走り回る子どもに対して、「○○ちゃん、お部屋の中を走ってはダメよ。」と、声をかけるとする。するとその子は、言われたことに気付いて、声をかけてきた相手の顔を見る。しかし、止まることはほとんどない。

「こぼさないように飲もうね。」
「おもちゃを投げるのは ×(バツ)だよ。」
これらの言葉も同じだ。
結局、実際に聞こえた、「走らない」「こぼさない」「投げない」の言葉から「走る」「こぼす」「投げる」だけを採用する。

だから、
「お部屋では歩こうね。」
「両手で持って飲んでね。」
「おもちゃはやさしく使おうね。」
などに置き換えて伝えるようにしている。もちろん効果覿面って感じでもないが、伝え続けることが大事。さらに、なぜそうして欲しかったかを話したり、できたことを認める言葉をかけたりすることも必要だ。

それとはちょっと違うが、私が常々思っているのは、

「しないこと」には意識がない

ということだ。

以前、一緒に働いていた仲間が「ちょっと聞いてくださいよ!」とプリプリしたながら話しかけてきた。「何かあったかな?」と聞いてみる。

「昨日、家に帰ったら、洗濯物がベランダに干しっぱなしになってたんですよ!昨日って、午後から雨が降っていたじゃないですか。ウチの旦那、家にいたのに、洗濯物入れてくれなかったんです!」
「それに、いちいち言わないとゴミ出しもしてくれないくせに、娘を保育園に送って行ってる自分は偉いって思ってるんですよ!」

ふむふむ、そうなんだね。。
怒り心頭の彼女の話を、うんうんと全部聞いて、

「で、○○さんは、どうして欲しかったの?」と、尋ねる。

「普通、雨が降ってきたら洗濯物は部屋に入れますよね?」
「目の前にゴミ袋が置いてあったら捨てますよね?」

ん?質問の答えになってないな。笑
まぁ、それはいいとして。

こんな風に「○○してくれない」が原因で、イライラしている人は意外と多い。でも「しないこと」に意識なんてないよね。だとすると、人は期待に応えてもらえないことにイライラするということだ。

だったら期待なんてしなければいい。

期待していなければ、たとえ洗濯物が入れられていなくてもイライラしない。いや、せっかく干した洗濯物がびちょびちょになったら悲しいか。でも、逆に入れてもらえたらめちゃくちゃ嬉しいよね。そしたら、「洗濯物入れてくれて、ありがとう!」と、いうコミュニケーションが生まれて、めでたしめでたしだ。

こんなことに気付いた時から、私はかなり寛大になったよ。ぜひお試しを。

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