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高リフレッシュレートになんの意味があるのか?

スマホやパソコンなどのディスプレイには、リフレッシュレートというものがある。60Hz(ヘルツ)とか120Hzなどと表記されるヤツだ。画面の画像の更新頻度のことを指す。60Hzの場合、1秒間に60回更新される。

世間的には、このリフレッシュレートの数字が高いほど、スゴいとされる。一般的なディスプレイは60Hz〜120Hz程度だが、300Hzを超えるディスプレイも存在する。

高リフレッシュレートの恩恵を得られる代表的なケースとしては、eスポーツなどのアクション系ゲームでの使用が挙げられる。画面の素早い更新が、勝敗を左右することがあるらしい。ゲームに勝つためには、高リフレッシュレートのディスプレイが必要というわけである。

ゲーム以外の恩恵としては、WEBブラウザのスクロールなどの動作がヌルヌルになる(滑らかになる)とか、ベンで書いたときに追従性が良い(遅延がない)といったことが挙げられる。多少画面がヌルヌルになったり、多少書き心地が良くなったところで、「だからなに?」という感じが否めないが、「なんとなく気持ち良い」という、ぬか喜びを味わうことができる。

じゃあ、高リフレッシュレートであればあるほど、良いディスプレイなのかと言うと、必ずしもそうは言えない。使う人間(の心がけ)によっては、ムダな機能になり得るし、ジャマな機能に成り下がることもある。

ムダな機能になるケースとしては、ゲーム(とくにアクション系)をやらない人間(ボク)が挙げられる。

ゲーム以外の用途で、300Hz越えの高リフレッシュレートディスプレイの恩恵を受けるのは、極めて困難だと思われる。ブラウザのスクロールがさらにヌルヌルになったとしても、それを体感できるかどうか疑わしいし、かりに体感できたとしても、やはり「だからなに?」と感じるだろうからだ。

動画を鑑賞するにしても、一般的な動画のフレームレート(fps)は、せいぜい60fps、1秒間に60コマにとどまる。「とにかく俺はスローモーション動画を楽しみたいんじゃ」ということでもない限り、高リフレッシュレートの恩恵にあずかることはできないだろう。知らんけど。

恩恵が乏しいだけなら、無用の長物だとしてもまだ許容できるが、高リフレッシュレートにはデメリットがある。消費電力が大きいということである。

軽く調べると、一般的な60Hzディスプレイの消費電力は大体20〜30Wほどだが、300Hz超ディスプレイになると、40W以上消費するようだ。意外と差が少ないという印象だが、消費電力が大きいのは確かなようだ。別の言い方をすれば、高リフレッシュレートと消費電力は、トレードオフの関係にあるわけだ。

スマホやタブレットのディスプレイには、表示画面に応じてリフレッシュレートが自動的に変わる機能(可変リフレッシュレート)が搭載されていたりするが、この手の機能は、消費電力を抑えるためだと言われている。ただ、実際にどれぐらいの省電効果があるのかは定かではない。

ボクが所有するiPad Proには、この可変リフレッシュレート(Pro Motion)機能が備わっている。10Hz〜120Hzの間で自動的に調整しているらしいが、実際に使ってみて、「ふーん」としか言えないのが、残念なところである。

iPad以外のディスプレイ、つまりMac miniの外部ディスプレイとiPhoneのディスプレイは60Hzだが、あえて比べない限り、リフレッシュレートの差を感じることもない。

それで思い出したが、AppleのPro Motion機能を体感して、絶賛していた人間がいた。「もう前のディスプレイには戻れない」とまで言っていたが、なにを言っているのか、ちょっとわからなかった。