好きの加害性

関係者が居ない場なので正直に書くが、バイト先の先輩に告白された。
ずっとそんな気はしていたが自意識過剰だと自分に言い聞かせ、且つそんな度胸のある先輩ではないと高を括っていたらとうとう先日酔った勢いでインスタでDMしてきのだ。酔って親しい後輩にダル絡みくらいなら私もやるけど(ごめん)、告白やぞ。酔った勢いなのもDMなのも如何なものか。ましてそんなに親しくもないし、無論願い下げだ。
正直恋愛対象外の相手から告白されたのは初めてだったのでまあ動揺…すると同時に、自分の感情は不快一色になってしまった。申し訳ない。

恐らく原因は私の恋愛対象外の相手に性的な目で見られることへの拒否反応だと思う。
不純な目的ではない本音の告白にしろ、その「好きです付き合ってください」は十中八九「先輩が私を性的な目で見ている」ことを裏付ける。私はそれを感知してしっかりアレルギー反応を起こしてしまったのだ。薄々勘づいてはいたが、愈々ハッキリ明示されてトドメを刺された。下世話な話で申し訳ないが先輩は恋愛経験が乏しく青春をアニメ鑑賞に懸けた人で今も他に相手など居ないらしいし、先輩の己を慰めるネタに自分が使われた可能性にまで考えが及んでしまい何もされてないのに自分の身体さえ汚らわしく感じた。いや、度々先輩の目線や発言で不快な思いはしてきたけど。告白ハラスメント(コクハラ)という言葉を初めて聞いた時は馬鹿げていると思ったが、ハラスメントまではいかずとも自分が恐くて不快な気持ちになったのは自明だった。

好きな人からの「好きです付き合ってください」はその気持ち悪さを打ち消すだけの価値を持っているから平気、どころかそんなことには気づかない、もしくはどうでもいいくらい嬉しいのだ。

最近食べた唐揚げ置いときます


先輩からの告白DMは正直当たり障りなく返信するだけでかなり神経が削られた。と同時に、自分がプラスの感情と思って向けたものが相手にとってもそうとは限らないということを痛感した。本人にとってプラスの感情であるがために罪悪感が伴い、拒否するのにこちらはとても神経を使う。好きは場合によって加害性をもつのだ。

被災地に無駄に送りまくる千羽鶴や「エロいね」を褒め言葉だと思っているおじさんにも言えることだし、「あなたのためを思って言ってるのよ」系の毒親も、ずーっと引っ付いてくる系の執着強めな友達も、シンプルなストーカーも、愛の行き過ぎた害悪ストーカー系オタクも「推される側」として活動していない相手にオタク的な目線を向ける人もその範疇だと思った。そしてそこに自分が入るのではという懸念がある。相手から少しでも気持ち悪いと思われたらその瞬間から私は加害者だ。だからせめてできるだけ気持ち悪くないオタクになるべくその対象の皆のプライベートな面を時折見ないようにする等自分なりに申し訳程度の対策を取って息をしている。いやそれでも充分気持ち悪いけど…大体、私なんかに好かれて誰が嬉しいのだ。と思い始めたらキリが無い。ああもう。


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