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『天国、それともラスベガス』のステンレス製品 - 新潟県燕市のプレゼンスを感じる

春先から例のウイルスの影響で自宅ワークが増えたことをきっかけに構築した僕の自宅デスク環境、その名も『天国、それともラスベガス』。長い梅雨のあと、夏まっさかりの午後を迎えています。

上の記事を公開した後も、デスクのチューンは続いています。

相変わらずなかなか遠出をする気になれない状況の中で、人類が作った事物の中で一番遠く(地球から222億キロ以上の彼方)を飛んでいる、大好きな宇宙探査機ボイジャーのプラモデルを作って飾ったり(格好いい)。

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外国に行くなんてすっかり夢のまた夢になってしまった世界で、かつて旅行したスイスの楽しかった記憶に思いを馳せ、その思いが溢れてしまってスイスの観光電車「氷河急行」のNゲージを注文&飾ったりしています。

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ある意味「Less is More」的な発想に背を向けるかたちで、数々のガジェットを取り入れ、モノとモノとの関係性から生まれるストーリーの集合から世界観を立ち上げよう(←がんばって難しい感じで言いました!)という試みの『天国、それともラスベガス』事業ですが、さすがにとっちらかってきたぞ…。ちょっと整理整頓しよう。

きょうはそんな話から始めます。

1. ステンレスのペントレー

整理整頓の要諦は「決まった置き場所を作ること」ですよね。なんて偉そうに書いてますけど、これは僕が妻から教わったアドバイスのひとつです。一緒に住むようになって僕のあまりの整理整頓できなさを見かねた妻から教わったこのアドバイス通り、言われるままに置き場所を作れば作るほどに整頓が進み、なるほどその通りだと感銘を受けたメソッド。

ということで、今回は外した腕時計とよく使うペンについても決まった置き場所をデスク上に定めるべく、ステンレス製のコイントレーを注文。

どうせ買うならと調べたあげく、日本の金属加工産業の中心地である新潟県燕市にある長谷富製作所の製品を選びました。税込1000円ちょいのごくごくありふれた日用品だけど、実際に手に取るとお値段以上の凄みのある加工精度でしびれます。この精度感は、身近に企業間の競争と影響関係のある場所でないと出ない緊張感だと思いました。最高です。

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残念ながら長谷富製作所のサイトは見つけられなかったのですが、Google Mapsで長谷富製作所の場所を検索すると、広がる田園の中に多数の金属加工メーカーがひしめく特異な風景に出会えます。これはすごい。さすが国内の金属洋食器生産シェア90%を占める燕市だな、と思える検索結果です。

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画面キャプチャを用意しましたが、これはぜひ上のリンクから検索結果に飛んでみてください。燕市、面白い街ですね。

2. ステンレス製の保温タンブラー

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前述したように、夏真っ盛りなわけです。

自宅のデスクで過ごす間、冷たい飲み物をより長く冷たく、熱い飲み物をより長く熱く飲みたいと思い、サーモスのタンブラー買いました。僕は敬虔なサーモス信者なのでここは迷わなかった。これもデスクで過ごす時間のクオリティを上げる、自宅デスクチューンの一環です。

ボディ色の「ミッドナイトブルー」がだいぶ深くてほぼ黒って感じなんだけど、タンブラー内のアルミの質感とのコントラストが良い感じ。そして流石のサーモスの断熱力で、たとえ蛇口から出した東京都水道局謹製の水道水でも、氷を入れたらいつまでも冷たいっていうアップグレードした飲み物体験に変えてくれます。これが嬉しい。

そしてですね。このサーモスが商品開発や技術開発を行う新潟事業所も、長谷富製作所と同じ燕市にあるんですよ。実際に地図にプロットしてみるとめちゃくちゃ近所で、左上のチェックマークがサーモスの新潟事業所で、右下が長谷富製作所だ。測ったら直線距離で700mしかない。

全く別の着想から手に入れ、僕のデスク上に集合したステンレス製のコイントレーとステンレス製の保温タンブラーとが、700mしか離れていない同郷出身という驚き。

ガジェットを通じて世界とつながる・世界を感じることを目指している僕の自宅デスク『天国、それともラスベガス』で、今回は新潟県燕市の存在感に触れられました。

3. ガジェット多めのあなたに(デスクを楽しもう!)

この記事の前段でもちらっと触れましたが、「Less is More」という言葉がありますよね。20世紀を代表するドイツの建築家、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエが遺した非常にキャッチーで影響力のある言葉で、アインシュタインの「E=mc^2」並にいろいろなところで引用されています。

「より少ないことはより豊かだ」という彼の言葉は、よく整理されたインテリアなどが示す素敵さなどから直感的に理解できます。疑う余地なくその通りです。でも、だからってLessしかMoreになれない訳じゃないと思うんですよね。More is More、たとえばガジェット多めな僕やあなたのデスクでも、豊かな世界は作れるんじゃないか。

同じミース・ファン・デル・ローエが遺したもうひとつのキャッチーな言葉に「細部に神は宿る」というのもあります。細部を詰めれば、MoreでもMoreに行けると思う。

僕がそんな確信に至った事例のひとつを紹介します。アメリカの非営利公共ラジオ局NPR(ナショナル・パブリック・ラジオ)が、自分たちのオフィス内の一角にトップミュージシャンを迎えて行っている、「NPR Tiny Desk Consert」です。狭いオフィスの中でやる、っていうところがキモです。

▼Moonchild出演回:

▼アリシア・キーズ出演回:

ここでの注目ポイントは、手前のデスクや奥の本棚です。

実際に使用されているNPRのオフィスの一角で、デスクの上や本棚には数限りないアイテムやガジェットが並んでいます。でも、それらが呼応しあうことで、NPRというラジオ局の世界観を描き出してると感じたんですよね。

回を追うごとに置いてあるものが少しずつ変わってたりして、そういう「生きてる」感じも大事なんだなと気づかされます。モノが多いこと自体は障害ではない。きちんと選ばれ、ストーリーを描ければ良い。そして忘れられ埃を積もらせることで力を失うことがないよう、注意すればいいんだ。そんな発見がありました。ライブ自体も最高なんですが、背景ばっかり見てた。

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テーブルに飾った花も、世話をしなければあっという間に魅力を失います。ときには冷酷に「捨てる」という選択が必要な状況もあるでしょう。

僕と同様にデスクまわりにガジェット多めの皆さん、ひょっとしたらこの道は楽な道ではないかもしれませんが、一緒にデスク作りを楽しんでいきましょう。僕も引き続き自分のデスクの世界観を研ぎ澄ませていきますので、皆さんのデスクも、良かったらぜひ紹介してください。

例のウイルスでストリートから人が消え、アパレル産業は難しい局面を迎え、劇場やライブハウスやクラブのフロアに人が集まれなくなっている今、「自宅のデスク」は文化を守り育てる最終防衛ラインだと思うんですよね。まだまだしばらくしんどそうですが、がんばって楽しんでいきましょう。

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