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【時事寸評】円安が止まらない。失政としか言いようがない

円安が止まらない。

2020年12月に 1ドル=103.24円位であった円が、今日時点では
なんと1ドル144.32円まで円安となった。

参考:外国為替相場推移表 by 三菱UFJ銀行

言うまでもなく、日本はほとんどの食料を輸入に頼っている。
例えば、2020年12月に小麦粉を海外から輸入し、輸入額100ドルである場合、¥103,240円支払えば良かったが、今日時点で同様のことが発生すると、¥144,320円支払わねばならない。
つまり、小麦粉100ドル分で¥41,080円の原料代値上げになる。

原料代が高騰した小麦粉を使用する食品、例えばパンやケーキ、天ぷらや麺類、餃子(の皮)やスパゲティ等々、当然ながら値上げせざるを得ない。
軒並み40%近い原材料値上げが起こっているのであるから、またそれが
収まる様子がないので、庶民の生活が苦しくなるのは当たり前だ。

日本は、消費するほとんどの「原油」を輸入に頼っている。
「原油」から製造される品物は数多い。燃料として消費されるガソリンや
灯油、重油のようなものだけではなく、石油化学製品であるプラスチックや
化学繊維(ナイロン、ポリエステル、アクリルなど)等も、原油を精製して
作られ、その他、合成ゴム・塗料・タイヤなどの合成ゴム・アスファルト
等々も原油から作られる。
このように社会活動のほとんどを原油に頼っている為、また石油を燃料として発電されている電気の料金を含めて、大幅な円安により、社会生活上の、また日常生活上の、ほぼあらゆるものが値上がりしている。

混乱を生まないように念を押しておくが、海外の小麦販売業者や原油生産国が値上げをした訳ではなく、通貨としての円の価値が下がった為に起こる
為替差損によって、現在の多方面の原材料値上げは起こっている。

円安によって発生している現在の物価高は、円高に誘導しなければ収まることはない。

では、如何にして円高にするのか?

長期的な方法は幅広く存在するが、短期的な処置方法は簡単明瞭である。
日本のナショナルバンクである日本銀行が、目標とする円相場を定めて、
外国為替市場にて「円を買い占める」方法で、円高に誘導できる。
その方策で、過去に何度も、円安の危機を(時には、円高の危機を)乗り越えてきている。

しかるに、現在の日本のリーダー岸田君は、この日銀の介入を求めたことがない。円安を、あるがままに放置している。

あろうことか、その上、企業に給与を上げることを要求するために、円安にて発生した原材料高騰を販売価格に上乗せ或いは転嫁することを、黙認している様子であり、事実、一切規制しようとはしていない。

それ故、この物価高は政府の「失政」である、としか言いようがない。


次回【時事寸評】:「育児」に掛かるコストは大幅に値上がりしている。
(値下げを論じない少子化対策など、識者の空論にすぎない。)


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