幼き宮本武蔵と老いたる塚原卜伝!その戦いの結末は!?ヴィラネス ―真伝・寛永御前試合―にその答えはある!

本来ならば邂逅しない
歴史上の偉人や神話の人物が同じ世界に登場する作品が好きだ。

Fateが好きだ。
ドリフターズも好きだし、衛府の七忍も超良い。
終末のワルキューレも最高だ。
そして、今月(2021年1月時点)連載を開始した
『テンカイチ-日本最強武芸者決定戦-』も、
上記の作品に並ぶだろうと期待している。

日本史は取っていないし、世界史もだいたい聞き流していた。
それでも歴史上の偉人という奴が何故だが好きでたまらないし、
その歴史上の偉人や神話の人物が邂逅し、
新たな戦いの歴史を刻むとなれば、
世界史が落第点でも胸をときめかさずにはいられない。

僕がそういうものを好むように、
昔の人もそのような話を愛していたのだろう。
宮本武蔵と塚原卜伝の戦いの顛末は、この令和の時代にも伝わっている。
勿論、宮本武蔵が生まれる前に塚原卜伝は死んでいるため、
この戦いが存在するはずがないのだが、今も昔も人は夢を見るものだ。
最強と最強が戦う夢を、戦いの夢を、夢の戦いを。

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武蔵塚原試合図(月岡芳年画)

本来ならば存在するはずのない宮本武蔵と塚原卜伝の戦い。
講談において塚原卜伝の勝利が語られるその戦いを、
ヴィラネス ―真伝・寛永御前試合―は描いている。


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(上記リンクは電子書籍サイト、BOOKWALKERのもの
 上記リンクから購入した場合、特に損はないが
 記事作成者が紹介料という名の汚い電子書籍購入用コインを得る)

あらすじ・内容
「小説現代」に連載中、夢枕獏氏『真伝・寛永御前試合』のコミカライズ!! この漫画は、強さを求め続ける武術家たちの、命の削り合い。各地のつわものたちが江戸城に結集し、将軍の目前で果たし合いをするまでのドラマである。謎に包まれた寛永御前試合を題材に、登場する武術家全員を悪党として描く夢枕獏。さらにコミカライズの際には雨依新空の手によって、夢枕作品の外道キャラがオンナに!! (BOOKWALKERから引用)

各地のつわものたちが江戸城に結集し、将軍の目前で果し合いをする――
たまらぬあらすじであった。
わくわくを辞書で引いたならばこのあらすじが出てきてもおかしくはない。
寛永御前試合に挑む強者の一人、宮本武蔵。
その幼少期が、この漫画で描かれる。

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宮本弁之助(幼名)
ヴィラネス ―真伝・寛永御前試合―1巻から引用

先のあらすじの通り、
ヴィラネスにおける登場人物はオンナ――女体化されている。
この凛とした少女が幼少期の宮本武蔵、その人なのである。
彼女が師、秋山虎之助と出会い、そして塚原卜伝と戦うまでのストーリーがヴィラネス ―真伝・寛永御前試合―の1から3巻までで語られている。

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無数の山賊を皆殺しにする秋山虎之助
ヴィラネス ―真伝・寛永御前試合―1巻から引用

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その秋山虎之助が恐れる塚原卜伝
ヴィラネス ―真伝・寛永御前試合―2巻から引用

ヴィラネス ―真伝・寛永御前試合―において、外道は肯定される。
秋山虎之助は敵の隙を作るために、弁之助を相手の方向に蹴り飛ばし、
毒見役として利用するために、常に自分より先に弁之助に食事を与えた。
弁之助がそれを知った時、感じたものは怒りではなく興奮である。

剣の腕は言わずもがな、勝利のために、あらゆるものを利用する。
そこに卑怯の文字は似合わない、
その凄絶さに一種の爽やかさすら感じるだけだろう。

これは人を殺せるとは言え、あくまでも幼き少女である弁之助が
あらゆる外道を以て相手を殺す宮本武蔵として覚醒する物語である。

人喰いの妖怪塚原卜伝

覚醒を待つ外道の王 宮本弁之助

その戦いの行く末は是非、皆さんの目で確かめて欲しい。

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ちなみにこの漫画の連載は、原作小説に追いついたため、
宮本武蔵編の次章、 関口柔心編の途中で終わっている。悲しい。

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