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不安は妄想なのに、心を蝕む。

小学生の頃、自分もいつか死ぬと思ったら怖くて怖くて、毎晩不安で泣いていた。よくよく思い返してみると、きっかけは曾祖母の葬儀だった。

それはいわゆる土葬で、先祖代々が眠る裏山の墓地に掘られた深い穴に、棺桶に入った曾祖母が降ろされていき、その上に皆で土をかけて葬った。花に囲まれて箱の中に横たわっていた曾祖母。

自分もいつかあんな風に埋められてしまうのかもしれない。とにかく不安で涙が出た。その時のワタシの心を占めていたのは、すぐには起こり得ないようなことへの強い不安。そんなの心配してもしょうがないでしょと今は思うけど、当時はそんなこと考える余裕もなかった。

あれから半世紀。人生経験を積み大人になって、少しは知恵もついた。だけど、もうそんな愚かな不安とは無縁かというと、実はそうでもない。あれこれ想像して勝手に不安を募らせてしまう悪いクセは、今でも時折顔をだす。考え始めると不安は不安を呼び、悪いことばかりが想像されて心が押しつぶされそうになる。死ぬのが怖くて泣いていた小学生の時とおんなじだ。

済んでしまったことは変えられないし、起きてないことを心配したところで仕方ない。そして、目の前をよく見れば、今やるべきことはちゃんとある。

さあ、今日もがんばろ。

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