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スキルとセンス

「ストーリーとしての競争戦略」の著者、楠木建教授。この頃は「好き・嫌い」を軸に経営を語っている。勝間和代さんも、もっと自分の感覚を大切に生きた方がいいよ、ということを繰返し発信している。

自分の感覚・好き嫌いってのが、つまり自分のセンスなんだけど、これを信じて行動するのは結構勇気がいる。自由がいい〜、と思いつつも、自信がないとついつい他人に意見を求めてしまう。言われたとおりになんかしたくないにも関わらず、だ。我ながら矛盾している。

スキルとセンスの本質的な違いはいくつかあるのですが、そのひとつは、スキルは育てられるものなのに対して、センスは育てられないものであるということです。  by 楠木建 教授 

方法論があるのがスキルで、自ら磨くしかないのがセンスだ、と楠木先生はいう。でも、センスが「好き嫌い」だとするならば、どう磨けばいいのだろう。

映画「プラダを着た悪魔」は、ダサダサ女子がハイファッション業界で働くうちに、どんどん垢抜けていくストーリーだ。ゴージャスな洋服が身近に豊富にあったから、というより、その環境で自らの審美眼を磨いたことが、彼女を「センスの良い人」に変えた。

経営も同じだとすれば、ビジネススクールでどんなにスキルを学んでも商売のセンスがなければどうにもならない。経営センスある人物のやり方を、徹底的に学んで真似て、その人が持つ感覚を体得するしかないのだろう。すると、学ぶべき経営センスをもつ人物は誰か、という話になる。

私は仕事柄、事業提案をする機会が多い。成功するストーリーを創るため、自分なりにスキル向上の努力をしながら取り組んでいる。それで良い評価が得られることもあれば、「カネの匂いがしねえな」と、あっさり断じられてしまうこともある。問題は、その審美眼を信じ、褒められたら素直に喜び、否定されたら潔く諦めるべきなのかどうか。ここで、いつも悩む。

本質を見抜くセンスは、変わらないものから得るべし。目まぐるしい変化の時代だからこそ、歴史や古典から学ぶのがいいのかな、と思ったりする。



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