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点と点を結んで未来を創る

自分自身の好奇心や直感に従って行動するのは、勇気がいる。世の中の常識や周囲のやり方と異なっている時は尚更だ。あのスティーブ・ジョブズは、スタンフォード大学の卒業生たちに、君たちは自分の好奇心が未来につながることを信じなければならない、と言った。

スティーブは生まれてすぐに養子に出された。その時の条件が、彼を必ず大学に活かせること。約束を果たすために、決して豊かではなかった養父母は必死に働いた。でも、リード大学に入学した彼は、自分が興味を持てない授業のために養父母が蓄えた資金を使い果たすことに意味を見出せず、6か月後に中退してしまう。それが最良の決断であると信じて。

人生の中で誰もが向き合う様々な選択。別の道を選んでいたら今の自分はない。ひとつひとつの決断が未来を創り出していく。

退学した後、スティーブは友人の寮の部屋に居候しながら、自分の興味のある授業だけにもぐりこんで学んだ。そこで巡り合ったのがカリグラフィー。美しい文字のデザインに魅了され、それをどのように実現するかを学ぶことにのめりこんだ。そして10年後。彼が設計したマッキントッシュコンピュータには、美しい活字フォントが組み込まれていた。それまでのコンピュータには当たり前だった無味乾燥なテキスト情報列ではなく、芸術性を備え、文字間隔を美しく調整する機能を持った複数の活字フォントが生み出されたのだ。

スティーブは、将来の自分の仕事に有益だからカリグラフィーを学んだのではなかった。ただ美しさに興味を惹かれたから、不自由な環境のなかで授業を受けた。そんなたくさんの点がつながって、彼の偉大な業績は生み出された。

だから、何の役に立つのか分からなくても、目の前に素晴らしいと感じることがあれば、自分の心に従ってその道を選びなさいと、スティーブは若者たちに伝えたかったのだ。

年齢を重ねるほどに、自身の直感に従う判断を迷うことが増える。周りの空気に押し流されながら、それでいいのか、このままでいいのかという気持ちで、ずっともやもやしている。そんなことをうじうじと思う自分の未熟さに、落ち込んだりもするのだけれど。

このスピーチは、興味を感じること直感が求めることを素直に追求したいという気持ちを思い起こさせてくれる。時々聞いて、勇気を充電しよう。


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