Creative Commons と Free Culture
note に Creative Commons についての素晴らしい解説があるそうだ。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの紹介|charly - ふくざわまさひろ|note
せっかくなので,この記事の尻馬に乗って補足を幾つか。
まず著作権の基本的な考え方として「使用はOK,利用はNG」というのがあります。「使用」というのは読んだり観たり聴いたりする行為です。一方,「利用」というのはコピーしたりばら撒いたり歌ったり読み聞かせたりする行為で,著作権によって「利用」の部分を権利者がコントロールできます。(だから「使用許諾書」ではなく「利用許諾書」なのです)
(日本は違いますが)知的財産権に関して世界の潮流は「独占」から「共有」へ傾きつつあります。この動きはまずソフトウェアの分野からはじまりました。それが Free Software 運動と GPL (GNU General Public License; GNU 一般公衆利用許諾書)です。 Creative Commons License (以降 CC-license)は GPL や他の Opensource License を一般的な著作物へ拡張する形で設計されています。
他の契約書やライセンスと同じように CC-license にもちゃんと法的拘束力はあります(この拘束力は当然 licensee と licenser の両者に効きます)。 CC-license は Commons Deed (コモンズ証),Legal Code (法的条項),Digital Code (デジタル・コード)の3つで構成されています。よく見かけるこれは Commons Deed です。
ここから更に Legal Code へとたどることができます。
この Legal Code が法的拘束力を持つ部分です。
さて, GPL も CC-license も所詮「道具」に過ぎません。 GPL は Free Software 運動の「基盤」として機能していますが, CC-license も同じく “Free Culture” の基盤として機能しています。この Free Culture という言葉,耳慣れない方も多いと思います。なにせ知名度の低い Creative Commons よりも更に知名度が低いですから(笑)
“Free Culture” はもともとアメリカの憲法学者(って言っていいのかなぁ)である Lawrence Lessig 氏の著書の名前から来ていますが,今では世界的な運動に発展しています(日本以外は)。日本向けに Free Culture を紹介した優れた著書がありますので,以下に紹介します。
ドミニク・チェン著『フリーカルチャーをつくるためのガイドブック クリエイティブ・コモンズによる創造の循環』
翻訳本ではありませんよ。ドミニク・チェン氏ご本人による日本人のためのガイドブックです。豊富な事例が載っていますので興味のある方は是非ご覧になって下さい。
そうそう, CC0 に関してはクリエイティブ・コモンズ・ジャパンによって日本語のドラフトまでこぎつけています。どういう内容なのか参考にするにはいいと思います。ただ CCjp は動きが遅いのでちゃんと完成するものやら。 CC-license の Ver. 3 だって日本版がドラフト版でもたもたしてる間に Ver. 4 がリリースされちゃったもんなぁ。
最後に私が大昔に書いたドキュメントです。もう古びてしまいましたが,当時の感じはつかめると思います。
あと CCjp の FAQ は参考になりますので是非どうぞ: