見出し画像

【ガチ推理】『占星術殺人事件』の解決編だけ読んでいない大学生が、本気で犯人当てに挑んでみた

 こんにちは、山本清流です。


 名作とは知りながらも、なかなか手を伸ばせないでいた『占星術殺人事件』。

 ようやく購入して読んでみると、テレビのドキュメンタリーのように次々とわくわくする情報が開示されて、とても楽しみました。


 いま、読者への挑戦状のところで止まっています。

 というか、めちゃくちゃ楽しいです。だって、わかってしまったのですから(ドヤ)。

 せっかくなので、ここに、いま現在の僕の推理を書き記しておくことにします。

 ひょっとしたらネタバレになるかもしれないし、ただのおバカな推理になるかもしれません。

 ともかく、『占星術殺人事件』を読んでない人は注意です。大雑把な推理ですが、たぶん、当たっているところもあると思います。


 ※これより先、ネタバレの可能性アリ。


 では、さっそく推理していくことにします。

 【ガチ推理】

 まず、犯人ですが、これは共犯によっておこなわれた事件であると推理します。


 それも、事件に関与しているのは、おそらく三人、です。


 ひとりは平吉、ひとりは礼子、ひとりは(名前を忘れてしまいましたが)人形技師関連の人です。


 そして、明示しておかなければいけませんが、もともと、この三人はアゾート殺人しか起こす気はありませんでした。


 この事件だけが目的だったのですが、その途上で問題が発生し、第一の事件、第二の事件というように発生していったのです。


 では、もともと計画されていたアゾート殺人について推理しましょう。


 これは平吉の欲望によって計画された事件であり、娘たちを殺害してその一部分ずつをつなぎあわせていくことでひとつの人形をつくろうとするもの――ではありません!

 そうなのです。僕は気が付いてしまいました。


 犯行動機がなんなのか、それはよくわかりませんが、おそらく平吉は家族たちに対して疎外感とか激しい憎しみのようなものを抱いていたでしょう。

 そうでなければ、わざわざアトリエに閉じこもったりしないはずです。

 それで、平吉は、娘たちへの憎しみを抑えきれなくなり、彼女たちを殺害することに決めたのです。


 しかし、その中でひとり、礼子とだけは心が通じ合っていました。この際、娘たちを殺して、礼子とふたりだけで夜逃げでもしようという計画を立てていたのではないでしょうか。


 そこで計画されたのが、アゾート殺人です。これは、この世から娘たちを消し去り、同時に、礼子も消えたかのように錯覚させるための事件でした。

 僕の推理は以下のとおりです。


 まず、礼子が毒物を娘たちに呑ませて、全員を殺害します。そうして五人の死体が出来上がるわけですが、アゾートにちなんで、娘たちの死体のそれぞれの部分を切断します。


 すると、どうでしょう! 

 おそらく、それらの部品を組み合わせることによって新たにひとつ、死体が出来上がるわけです。


 そして、それを礼子の死体であるかのように偽装することさえできれば、礼子は死んだことになり、しかし、生きたままで、平吉とともに夜逃げすることができるのです。

 礼子の死体――と思われるもの――は発見された当時、すでに白骨化していましたから、それぞれの切断した部分を持ち寄ったとしてもバレることはありません。


 このポイントがおそらく、メイントリックなのでしょう。あとは整合性を取ることに躍起になればいいと思います。

 最初に浮かんでくる問題は、礼子の骸骨の問題です。この骸骨の形からして、これは礼子のものだろうというように考えられてしまったわけですが、ここで、また、僕は気が付いてしまいました。

 そんなの加工すればいいじゃないか! と。


 そうです。ちょうど、平吉には人形技師の知り合いがいたではありませんか!

 だから、その人も共犯なのです。名前は憶えていませんが、その人は平吉に協力し、時子の骸骨を麗子の骸骨の形へと削ったりなんなりして加工したのです。

 これで礼子であるかのような骸骨が出来上がることになり、すっかり死んだものとして片づけられますが、人目を避けて礼子は生きていたのです。


 さて。これが平吉、礼子、そしてもうひとりの人形技師の計画していたアゾート殺人でした。本来は、この事件だけが起こる予定でした。

 つまり、はなからアゾートをつくる気など、毛頭なかったのです。アゾートを捜索するという展開は、このミスリードのためのものと推理します。


 それぞれの遺体を各地に運んだあと、平吉は失踪し、礼子とともに夜逃げして、世を忍んで生きていくつもりだったのでしょう。

 しかし、問題が発生します。


 そう、第一の事件。

 この事件の犯人は、一枝だろうと推理します。おそらく、事件の夜、アトリエに平吉、一枝、礼子の三人がいました。三人はなにかを話し合っていたのではないでしょうか。もしかしたら、そのへんが動機に絡んでくるのかもしれません。

 そして、いちばん最初にアトリエを出たのは礼子で、そのあとに一枝が出たのですが、その前に、一枝は平吉の計画を偶然に知ってしまい、衝動的に平吉を殺害してしまいました。


 一枝は偽装工作をしようとして、なんらかの方法で密室をつくりあげ、男物の靴を履いて、アトリエから出ていきました。この偽装工作によって犯人は謎になりましたが、その事件当時、それまでその部屋にいた礼子にとっては犯人は一目瞭然でした。

 志半ばで平吉が殺されてしまい、礼子は怒り狂います。

 

 麗子は、この第一の事件の犯人が一枝だと知っていますから、その弱みを活用し、一枝を利用したようと考えました。


 それが第二の事件です。一枝に警察官と情交させ、その後、一枝を殺しました。これが第二の事件です。

 そうして、今度は、その警察官を利用したのが第三の事件です。


 もともと平吉と計画していたアゾート殺人を遂行しようと考え、礼子は、娘たちに毒物を飲ませて全員を殺害しました。そうして、それらの遺体を切断し、さきほど述べた方法で、五つの遺体を六つに増やしたのです。その六つの死体を、警察官に運ばせることで、各地に散らばらせました。


 そうして、そのとき、人形技師の力を借りて、時子の骸骨を麗子の骸骨の形へと加工し、礼子の死を確実なものとして演出しました。


 というように考えれば、やはり、アゾートなど存在しないのです。

 あえて言えば、アゾートとなったのは礼子の死体であり、そうして本物の麗子は現在も生きているのです。


 犯人はおばあちゃんだ!

 僕の記憶によれば、作中にはおばあちゃんは登場していませんから、たぶん、現在軸においてはまだ犯人は登場していないのだと思います。


 【もしも、これが解決編じゃなかったら、これ、使える件について】

 さて、この推理はあたっているのでしょうか。

 これとはまったく違う解決編が待ち構えているのかもしれません。


 もしも、以上の推理が解決編じゃなかったとしたら、この犯行トリック、使える気がします。

 そういう意味では、このトリックを僕も使いたいので、これじゃなければ嬉しいなという気持ちもあります。


 しかし、当たっていればそれはそれで嬉しいわけです。どっちにせよ、嬉しいということですね。

 さっそく、解決編を読んできまーす!


 ※読んできました。敗北を宣言します。