【詩】感受性、終わる

傷つくために散歩したのに
太陽が温かくて
鳥は囀り
花は歌い
雲は流れる
道徳は抱擁し
悪事を拷問する
愛は立ちあがり
見知らぬふたりから漂う
戦争は捨象され
汚い言葉が失踪する
敵がいなくなった平和を
感受性の導きだと正当化する
おぞましさを持て余しながら
なにも響かなかった
あのとき
の釜茹でのような日常を
未熟だと否定する
正しさを
僕は拒んだ